東京コンサルティンググループ・カンボジアブログ

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カンボジアへの進出をコンサルティングしている駐在員が、カンボジアの旬な情報をお届けします。

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カンボジア企業経営への心得

2016年07月26日 10時26分50秒 | カンボジアの投資環境・経済

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「後家作り」についてお話しします。

組織の中に、「後家作り」という仕事が生まれることがあります。ドラッカーは、「後家作り」について以下のように説明しています。

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「帆船全盛の頃、いずれの船会社にも『後家づくり』と呼ばれる船が現れたものである。『後家づくり』とは、なぜか死亡事故を起こす船に付けられる名である。船主たちは、そのような船は思い切って解体した。そうしないことには、船長や航海士のほうが辞めていってしまった。
今日では、優秀な者が連続して失敗する仕事が「後家づくり」である。理屈ではよくできた仕事に見える。しかし、実績のある者が二人続けて失敗したならば、そのような仕事は廃止し、仕事の内容を再構成しなければならない。あとになってみれば、どこが悪かったかも明らかになる。
(中略)
通常、「後家づくり」は偶然生まれる。
それは、たまたま一人の人間の中にはなかなか見られない二つの資質を併せもつ者が、うまくこなしてしまったために生まれる。当然のことと思われていた仕事が、属人的な偶然の産物だった。それでは同一の資質の者を探すことは不可能である。  肩書の多用と「後家づくり」の仕事の発生は、マネジメントの仕事と構造に関する古くからのある問題と密接な関係にある。
組織構造は、仕事を人に合わせるか、それとも人を仕事に合わせるかという問題である。よく指摘されるように、これは問題の設定の仕方が間違っている。当然のことながら、人が仕事に就く。したがって、仕事は人に合ったものでなければならない。
われわれは仕事を、人に合わせ人のニーズに応え、人の期待に沿うものとして設計しなければならない。事実われわれは、今後、そのようにするための努力の一環として、特に大企業ではマネジメント開発の発展を見ることになる。
しかし、他方、組織構造が人中心でなく、仕事中心でなければならないことも明らかである。さもなければ、継続性は失われ、仕事の引継ぎは不可能となる。

仕事を人中心に設計したのでは、人事異動の都度、仕事の再構築が必要となる。多少なりともマネジメントの経験のある者ならば知っているように、1つの仕事だけを再構築することは不可能である。必ずドミノ倒しの連鎖反応が起こる。一つの仕事をいじるならば、多くの仕事をいじり、多くの人を動かし、多くの人に影響を与える」
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組織の中に「後家作り」という仕事が生まれていることがあります。
上記のようにいくつかのスキルを持っている人材がたまたまそのスキルを活かせる職場に配属されることで起こるのです。

最初は、単なる普通の業務ですが、その成長過程で、いくつかの関連業務をまとめ上げて一つの業務としてこなしてしまいます。本人は、労なく仕事をしているため、誰でもができると思っているます。当の本人は「後家作り」なんて意識はさらさらないのです。

人事異動でその業務を他の者に引き継ぎを行うことなりますが、その業務を後継者に引き継ぎ行うときに「後家作り」が顕在化してしまいます。引き継ぐ側は、特に問題意識もなく引き継業務を行います。しかし、引き継いだ者は、当然そのような芸当はできないし、やってみる気も起らないでしょう。

このような状況に遭遇した場合には、その業務をその特徴ごとに分解し、新たな体制を構築するか、それぞれ近い業務を行っている組織に吸収ざせるしか方法はありません。

 

澤柳 匠


 

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ファイナンス・リース(貸手処理)について

2016年07月26日 10時04分39秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はファイナンス・リース取引の貸手の処理についてご説明させていただきたいと思います。

 

ファイナンスリース取引は貸手の立場から3つに分類されることになります。

 

  1. 販売型リース

メーカーや商社が販売の一形態としてリースの形態を取ることがあります。その場合リース料にはメーカー、商社の利益や、分割払いにより金融収益が含まれることになります。

 

 

 2. 直接金融型リース

通常のリース会社が行うリース取引の形態です。リース会社はメーカー、商社からリース資産を購入し、それを貸し出すことにより、金融収益を獲得します。

 

 3. レバレッジドリース

この形態は、上の図のリース貸手の固定資産の購入の際に、銀行から借入を行い、受け取ったリース料を借入金の返済に充てるというものです。この形態を用いれば、少ない資本でも金融収益を得ることができます。そして銀行からの借入はリース債権と相殺して、正味のリース債権を計上することになりますので、借入金を簿外にできるという特徴があります。


 

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ファイナンス・リース取引の例題について

2016年07月19日 15時55分27秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はファイナンス・リース取引についてご説明させていただきたいと思います。

 

今週は例題を通してご説明させていただきます。

 

例題28

株式会社Aは、リースによって、機械を自社で動かすことになった。リース期間は3年であり、リース料は年間10万円である。リース期間終了後、株式会社Aは当該資産を取得する。資産の耐用年数は5年である。減価償却方法は定額法を採用している。

リース開始日は2016年1月1日であり、毎年12月31日にリース料を支払う。

リース資産の2016年1月1日現在の公正価値は240,000円である。

リースの計算利子率は10%であり、借手の追加の利子率は11%である。

2016年度の仕訳を示せ。

 

<リース開始日>

リース開始日にリース資産を購入したとみなし、資産、負債を計上する。資産・負債の計上金額は、リース資産の公正価値か最低リース料総額の現在価値のいずれか低い金額を計上する。今回の場合は、最低リース料総額は100,000/1.1+100,000/(1.1)²+100,000/(1.1)³

≒248,685 公正価値は240,000であることから、小さい方の240,000円を計上金額とする。

なお、最低リース料総額の計算を行う際の割引率は、今回はリースの計算利子率が判明しているため、リースの計算利子率を使用している。

Dr    リース資産     240,000     Cr    リース債務           240,000

    Lease assets                           Lease obligations

 

<期末日>

リース資産は、借手が保有しているとみなすため、他の資産同様減価償却を行う。

耐用年数は5年として計算を行う。定額法で償却を行う。

Dr      減価償却費     48,000    Cr    減価償却累計額        48,000

     Depreciation             Accumulated depreciation

 

またリース料の支払いの仕訳を切る。リース料100,000円すべてがリース債務の取崩となるわけではない。リース料にはリースの利益部分(利子)も含まれるからである。利子は240,000円×10%(計算利子率)=24,000円であり、残りはリース債務からの取崩として考える。

Dr     支払利息    24,000     Cr     当座預金           100,000

    interest expense                      current deposit

    リース債務    76,000

    Lease obligations

 

今週は以上です。


 

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カンボジア企業経営への心得

2016年07月19日 15時28分39秒 | カンボジアの投資環境・経済

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「アイデアのつくり方」についてお話しします。

アイデアを生み出す上で世界的に参考にされる有名な著書である『アイデアのつくり方』-ジェームズ・W・ヤング著-では、アイデアが生まれるプロセスは、次の5つの段階があると書いてあります。

資料集め
集めた資料の咀嚼
放置(孵化段階)
ひらめき
アイデアの検証・具現化

やはり、最初は情報の収集。後悔のないよう、これ以上ないほどの情報を収集していきます。そして、収集した情報を整理して理解しながら、アイデアを「もう出ない。無理だ〜。」と嘆くまで書き出していきます。

初めの方に生まれるアイデアは、誰にでも考えられるような他愛もないものしか生まれないようで、一度全てを吐き出したその先に”斬新な”アイデアというものは生まれてきます。

第3段階に「放置」とありますが、これは無意識下でアイデアを探す作業です。考えられるだけ考えて、最後は日々の生活の中のインスピレーションに身を任せることになります。お風呂やトイレの中、電車に揺られているときなど、特にリラックスした状態だと、頭がスッキリして素晴らしいアイデアが生まれることが多いです。

注意しなければならないのは、直感を重視してアイデアが生まれるのをただ待つわけではないという点。必ず無意識下で考えられる状態まで追い込むらしいのです。とにかく、情報を収集・整理していくことでアイデアの種をまいていき、綺麗な花を咲かせていくことが大切になります。

このアイデアのつくり方は、我々がコンサルを行う上でも非常に有効なツールになるでしょう。

 

澤柳 匠


 

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カンボジア企業経営への心得

2016年07月12日 10時05分19秒 | カンボジアの投資環境・経済

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「顧客への理解」についてお話しします。

顧客を理解することから全てが始まります。
あなたは今の顧客のことをどれだけ知っていますか?私が質問したことにどれだけ多く答えられるのでしょうか?

顧客への貢献はそのあとです。顧客のことを理解せずに顧客満足など言えるものではありません。顧客を理解することは、実務的にも売上の伸びなどに影響を及ぼします。(以下事例抜粋)

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あるインシュリン(糖尿病患者が使用する薬)の製造メーカーが患者が片手で自分に楽に注射を打てるキットを販売していました。彼らの製品はヨーロッパを中心に売れていましたが、これからシェアを伸ばしたいインドでは何故か伸び悩んでいました。

競合他社の製品が大きく変わるわけでもなく、ブランドイメージ調査等の結果でも大した差異が見られず、会社の技術者やマーケティングの部門も不思議に感じていました。

この原因を探るべく、外部のデザインコンサルと研究開発チームが現地に赴くと、予想もしていない光景が広がっていました。

彼らの製品は患者のユーザビリティを考え、一人でも楽に注射が打てる様に工夫した製品を販売していましたが、インドではほぼ全てのユーザーが自分ではなく家族や友人に注射をしてもらっていたのです。

これは自身の体のケアをする場合に信頼できる家族に委ねるという文化的な背景によるものだそうです。

そのため、この様な形式で注射する場合にはこの会社の片手で操作するキットは使い勝手が悪く売上が伸び悩んでいたという事が明らかになりました。

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顧客を的確に理解することが、どれだけ売上を伸ばし、会社の価値を向上させるかがわかるかと思います。

この顧客理解についてはドラッカーも何度も書籍で触れていますが、今一度自分の中に落とし込み、現顧客に関しての情報を整理してみてください。

実際にTCFカンボジア法人では、顧客に関する100の質問集を作り、全ての情報を顧客ごとにコンプリートすることを義務付けています。

 

澤柳 匠


 

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ファイナンス・リース取引について

2016年07月12日 09時50分18秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はファイナンス・リース取引についてご説明させていただきたいと思います。

★リース資産、リース負債の金額の算定方法

・リース開始時に算定したリース物件の公正価値   → どちらか小さいほうを資産・負債の金額とする

・最低リース料総額の現在価値            

 

ファイナンス・リース取引は売買処理となりますので、リースの貸手がリースの借手に資産を売却したとみなして、会計処理を行うことになります。したがって、リース資産とそれに伴う負債はリース借手のほうで認識することになり、リース貸手の貸借対照表から当該リース資産は消失することになります。

 

ファイナンス・リース取引に該当すると判明した場合、以下の点を考慮する必要があります。

 

 

 

最低リース料総額とは、次の金額の合計額となります。

  1. 支払リース料
  2. 割安購入選択権・・行使可能な日の公正価値よりかなり低い金額で資産を購入する権利であり、かつ、ぼぼその行使が合理的に確実な場合のその金額
  3. 保証残存価値・・残存価値のうち借手サイドが保証している部分

 

★割引率

 最低リース料総額の現在価値を算定する場合に使用する割引率は、

 原則・・リース貸手の計算利子率(=利益率)

 容認・・借手の追加借入利子率

 

 リース貸手の計算利子率とは、リース開始日において、最低リース料総額と無保証残存価値を合計した現在価値を、リース資産の公正価値と貸手の初期投資コストとの合計額を等しくする割引率のことをいいます。リース貸手の利益率と考えていただければと思います。

 

★減価償却期間

 ・リース契約に所有権の移転や、割安購入選択権が含まれている場合

  ⇒耐用年数

 ・これらがない場合

  ⇒リース期間もしくは耐用年数 いずれか短い方

 

今週は以上です。

 


 

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カンボジア企業経営への心得

2016年07月05日 10時40分41秒 | カンボジアの投資環境・経済

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「会社の社会的責任」についてお話しします。

我々の責任は会社内部だけにとどまることはありません。
必ず会社の外側にも責任が生じています。これを専門用語ではCSRと呼び、その企業の倫理的側面がCSRの取り組みの中に如実に現れます。

そもそもCSRは大企業や特別な企業のみが該当すると勘違いしている人も多いですが、それは全く違います。CSRはどんな中小零細企業でも社会に目を向けることで自主的に発生してくる類の責任であり、株主だけでなく大きな枠組みでのステークホルダーを意識することで自然に発生する責任です。

ある研究結果によれば、CSRは企業の利益と相関関係にあることがわかっています。つまり、両輪の関係で一方だけで成り立つということはありません。これはとても皮肉な、しかし面白い事実であり、企業利益や売上だけの追求が長期的に失敗につながることを証明しています。

さらにCSRには、企業の倫理的側面が如実に現れます。
キャロルのCSRピラミッドによると、CSRは経済的、法的、倫理的、そして自由裁量的責任という責任にカテゴライズされ、一番民度の低い経済的責任のみを捉える企業から、倫理的、自由裁量的責任といった民度の高い企業までピラミッド状になっていると報告されています。

それとは反対に、フリードマンによればCSRなど存在せず、「Business of Business is Business」であるという考え方もあります。

これ以外にもグレイ、オーウェン、アダムズなど様々な専門家が研究をしていますが、いずれにしても企業の倫理的側面がCSRに現れ、マネジメントの関心の輪が自ずと客観的に測られてしまうのです。

 

澤柳 匠


 

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オペレーティング・リース取引について

2016年07月05日 10時36分00秒 | カンボジアの投資環境・経済

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はオペレーティング・リース取引についてご説明させていただきたいと思います。

 

オペレーティング・リース取引は、賃貸借取引となりますので、リース資産の貸借対照表計上はリース貸手側になります。それで貸手は、毎期リース料を収益計上していくことになります。一方で借手は毎期リース料を費用計上することになります。

 

 

例題27

株式会社大陸建設は、建設用機械を1台リースした。支払日は4月1日であり、1年分を前払いする。1年のリース料は8,000$であった。年間において必要な仕訳を明示せよ。

 

<支払日>

Dr    支払リース料     8,000       Cr    当座預金        8,000

    lease expenses                           current deposit

 

<期末日>

Dr    前払リース料    2,000        Cr    支払リース料       2,000

        prepaid lease expenses                    lease expenses 

 

 

 

リース料に関しても、期間がまだすべて経過しておらず、支払だけを行った月に関して(例題であれば翌年1月、2月、3月)前払リース料として資産計上を行い、その分の費用を控除することにより、費消した分のみの費用が損益計算書上に計上されるように配慮します。

 

 

今週は以上です。

 


 

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