東京コンサルティンググループ・カンボジアブログ

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カンボジアへの進出をコンサルティングしている駐在員が、カンボジアの旬な情報をお届けします。

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■カンボジア企業経営への心得■金融商品その1

2015年11月30日 09時46分15秒 | お知らせ

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。今回も前回に続き会計リスクについてお話しいたします。

会計リスクに対応するためには、仕組みの構築、そしてその仕組みの実行力をあげることが必要です。それでは、仕組みの実行力はどのようにすれば上げられるのでしょうか。

実行力を上げるためにまず思いつくのは、個人のモチベーションや意識を変えることです。従業員の意識の話は以前のブログでも取り上げていますし、会社として重きをおく必要はあります。しかし、それだけでは「適切な」実行力を上げることはできません。

既にある仕組みを適切に実行する力が会計リスク管理には重要であり、担当する人が変わったら機能しなくなってしまう仕組み運営は非常に問題と言えます。

私が推奨する実行力を上げる方法は、以下の通りです。

  1. 実行力向上のポイントは、有限な人・時間・情報等を如何に重要なプロセスに使うか(選択と集中)。

a)       実行すべきプロセスの分類、整理、集約。

b)       固有リスクと残余リスクを知る。(残余リスク:プロセスが終了した後もなお残るリスク)

c)       プロセスの優先順位づけ。

  1. レポーティングラインを整備。
  2. 仕組みの日常的モニタリングと独立的モニタリングによる実行力の維持、改善。

まずはじめに取りかかるべきは、現在ある有限な人、時間、情報などの経営資源を把握し、重要なプロセスに配分することです。

実行力向上の鍵は、9割の企業にとっては「時間」です。会計データの正確性を追求するあまり、すべての経理プロセスに同じように時間を使ってしまい、その結果、経理スタッフが毎日の忙しさから適切に会計の仕組みを実行できなくなっています。

そこで、仕組みの構築の際に網羅的に把握した経理プロセスを分類、整理、集約し、それぞれのリスクを把握、そしてリスクに応じたプロセスの優先順位付けを行います。

ここでのリスクは、固有リスクと残余リスクに分かれます。固有リスクとは、もともとそのプロセスに紐付いているリスク(仕組み構築の際に確認したリスク)、そして残余リスクとはプロセスを実行し、コントロールを行った後もまだ残っているリスクです。

固有リスクが高いもの、そして残余リスクが高いものも同様に重要性が高いと認識でき、それらのプロセス実行の優先順位を上げる必要があります。

プロセスの優先順位付けができたら、今度はその報告経路(レポーティングライン)を整備してあげ、実行されたプロセスの情報が部門内、部門間、経営層までに適切に流れるようにします。そうすることで、情報をわざわざ取りにいくのではなく、必要な情報が必要な時に必要な場所に届くようになりますし、素早い経営判断が可能となります。

そして最後に、モニタリング機能を作ります。重要と識別されたプロセスが常に実行されているか、実行が適切であるか、現在のリスク評価に変更はないかを随時モニタリングし、実行力を落とさないようにしておく必要があります。

 

 

■金融商品その1

皆様こんにちは、東京コンサルティングファームカンボジアの公認会計士の熊谷と申します。

今回のIFRS分野の記事は、金融商品についてご説明したいと思います。金融商品についてはIAS32号「金融商品:表示」IAS39号「金融商品:認識及び測定」IFRS7号「金融商品:開示」IFRS第9号「金融商品」にて規定されています。

金融商品の分野は内容が膨大ですので、少しずつご説明させていただければと思います。今回は金融資産です。

金融資産とは、現金預金受取手形売掛金及び貸付金等の金銭債権株式その他の出資証券及び公社債等の有価証券並びに先物取引先渡取引オプション取引スワップ取引及びこれらに類似する取引により生じる正味の債権等をいいます。

金融資産は主に期末の評価がポイントになります。

ü  現金預金は、価値の変動がないですので、特に処理はしません。外貨建の場合は為替の影響を反映する必要があり、以下の処理を行います(他の科目も同じ)。

(借) 現金預金         ××× (貸) 為替差益       ×××

                    OR

(借) 為替差損         ××× (貸) 現金預金       ×××

 

ü  受取手形

特に価値の変動はないので仕訳は必要ありません。

 

ü  売掛金・貸付金

特に価値の変動はないので仕訳は必要ありません。

 

しかしながら、受取手形・売掛金・貸付金に関しては、貸倒引当金を設定するかどうかに関して検討することが必要です。貸倒引当金とは、得意先の倒産等により将来金融資産の回収が見込めなくなった部分に関して前もって見積もり費用計上をする際の相手科目を指します。

IFRSでは貸倒引当金の計上に関して、金融商品の減損として捉えています。日本基準とは異なる考え方です。減損損失の測定の一般原則は以下の通りです。

★減損発生の客観的な証拠がある場合には、資産の帳簿価額を、見積将来キャッシュフローを当該金融資産の当初実効金利で割り引いた現在価値まで減額しなければならない。ただし、短期の受取債権について、割引による影響に重要性がない場合、割引計算は行わない。また、実務上の簡便法として、公正価値(客観的に観察可能な市場価値)を用いることも認められる。

また以下のような規定もあります。

★金融資産が信用状態の悪化等により減損している場合に、その減損額を帳簿価額から直接減額するのではなく、貸倒引当金等の独立した勘定科目を用いて控除している場合は、金融資産の種類別に当期中の当該勘定の変動の調整表を開示しなければならない。

このことから考えれば、貸倒引当金はIFRSでは使用しないわけではなさそうですが、直接減額処理が原則的な方法であると考えられます。また計上基準も日本基準とはまた異なり、「減損発生の客観的な証拠」が必要になります。

減損処理は以下の仕訳です。

  (借) 減損損失     ×××    (貸) 受取手形   ×××

                          売掛金    ×××

                          貸付金    ×××

 

次回のIFRS分野の記事では、有価証券の処理に関してご説明いたします。以上です。

   

 

 


 

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■原価計算を導入しないことによる問題 ■カンボジア企業経営への心得

2015年11月23日 18時50分30秒 | お知らせ

■原価計算を導入しないことによる問題

 

皆様こんにちは。東京コンサルティングファームカンボジアの公認会計士の熊谷です。今回は原価計算についての事例をご紹介したいと思います。

 

 

株式会社青木工業は3種類の木工品を受注生産で製造している。木工品はすべて同じ材料を使っており、弟子の5人が製造している。製品の種類も少ないことに加え、個人経営の少人数経営であり、費用と手間も考えて、原価計算システムを導入しないこととした。価格に関しては市場の状況や当事業所のブランド力を考え、A商品を3,300円、B商品7,450円、C商品を3,000円と設定した。10月はA製品を500個、B製品を800個、C製品を300個受注し、製造・売上を行った。10月の全体の利益は400万円と会計から計算できたのでまずまずと判断し、このままの状態を維持しようと考えた。この考え方が適切か否か。

 

全体で見ると会計上の利益が上がっており、問題ないように見えるが、原価計算を行ってないので、各製品別の収益性が見えない。実際、他の情報を調べ上げると下記のような情報を取得することができた。

 

販売台数    販売価格

A製品 500  3,300円

B製品  800  7,450円

C製品  300  3,000円

 

各製品に要する材料・労働時間

A製品 材料2キロ  0.2時間の労働   

B製品 材料1キロ  0.5時間の労働

C製品 材料4キロ  1時間の労働

 

費用単価

材料1キロ当たり  500円

労働1時間当たり 1,500円

 

 

製造間接費

その他経費 月1,810,000円【固定費】

 

 

各製品の原価(変動費)を計算すると

A製品 1,300円

B製品 1,250円

C製品 3,500円

となることがわかる。販売価格と比較するとC製品は3,000円であるため、C製品は赤字となっていることがわかる。今の価格では、C製品の製造・売上は利益の金額を圧縮するだけの状況であり、C製品を製造しないことを検討することや価格の再設定を検討する必要があることがわかる。製造間接費に関しては今回はすべて固定費のため、製品の製造継続・廃止の意思決定には関与しない。なお、製造間接費も実際の原価の流れに即して製品に配賦するなら、最終的に適切な製品原価が算定できる。配賦基準は慎重に選択する必要がある。

 

 

 

以上の例です。理解していただけたでしょうか。製品別の原価計算を行っていないならば、特定の製品の製造が業績を悪化させているといった状況がまるで見えないのです。ですから、製造業は原価計算を導入し、業績を注視し、それに即して意思決定を行っていくことにより、業績を改善していく努力をすることが重要といえます。

次回は原価計算を導入していながらも、計算方法が正確ではないために起きる事柄について事例を踏まえてお伝えしたいと思います。

 

以上です。

 

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回も前回に続き会計リスクについてお話しいたします。

 

会計リスクに対応するためには、仕組みの構築、そしてその仕組みの実行力をあげることが必要です。

それでは、仕組みの構築はどのように行えばよいのでしょうか。弊社で行っている事例として、仕組みの構築のプロセスは大まかに以下の通りとなります。

 

  1. 行動規範、経理規定、手順書、書類様式の整備。
  2. 従業員への定期的な教育、研修による意識レベルでの浸透。
  3. 経理プロセスの認識、経理担当者の役割と責任の明確化。
  4. プロセスに紐付いたリスクの評価。(取引の性質や勘定科目の性質に応じたリスク)。
  5. リスクに対応したコントロールの評価。
  6. 経理プロセスの再評価、改善。

 

まずはじめに、仕組みは全体の仕組みと細かな仕組みに分かれます。

全体の仕組みは、経営理念からブレークダウンされた行動規範、経理規定、手順書、そしてフォームや様式です。これらの大枠となる仕組みは、最低限企業として準備しておき、定期的な教育・研修を通じて経理スタッフおよび関連部署の意識レベルまで浸透させておく必要があります。

 

細かな仕組みは、日時的業務レベルの仕組みです。経理規定や手順書の作成過程で確認される経理プロセスの網羅的把握をまずはじめに行う必要があります。

そして、経理プロセスと担当者の割り振り、担当者の役割と責任の明確化を行うことで、各プロセスを実行できるレベルまでもっていきます。

最後に、最も重要な仕組みとして各プロセスに紐付いたリスク(例:取引ごとに異なるリスク、勘定科目ごとに異なるリスク)を認識し、そのリスクのコントロールを決定します。

これで細かな仕組みが完成ですが、あくまでも仕組みであり、定期的なメンテナンスや情報のアップデートが必要になります。これらを実施し、プロセス、リスク、コントロールの再評価を行い、適切な仕組みを維持することが必要です。

 

少し抽象的で分かり難いものもありますので、以下に仕入れに関する仕組みの構築事例を見てみましょう。

 

仕入れを行うときのプロセスとしては、①材料発注のPO送付、②倉庫に到着した材料とPOとの確認、そして③到着した材料と請求書内容との照合を行うことが一般的です。そこで把握されたプロセスに担当者を割り振り、役割と責任を明確にします。

最後に、各リスクを把握しコントロールを行います。例えば、POと入庫された在庫が異なるリスクがあり、このリスクをコントロールするために入庫された材料を2チームでカウント、そのカウント結果とPOの付け合わせを倉庫担当者および経理担当者の2部門で行う、など手続きが実施できます。

 

 

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■カンボジア企業経営への心得■キャッシュフロー計算書(直接法)

2015年11月20日 10時57分00秒 | お知らせ

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

前回は、カンボジア人スタッフが実行力を高める方法についてお話ししました。

今回は、実行力に深く関係している「会計リスク」についてお話しします。

 

会計リスクとは、一言で言うと「会計データから会社の実態が見えないリスク」です。

事業規模が大きくなるにつれて財務諸表が複雑になり、お金の流れが見えにくくなったり、どこでどのような費用が発生し利益・損失が出ているか把握ができなくなります。また、税務申告内容にも影響を与え、税務リスクを上げる要因ともなります。

 

会計リスクから生じる影響は、以下のものが挙げられます。

  • 支払い承認はするが、本当に必要な支出であるか、又は妥当な金額であるかわからない。
  • 予算と実績の差異分析が正確にできない。
  • 資金繰りが苦しくなる。
  • 財務諸表の勘定科目が理解できない。
  • 予期せぬ不正や問題が突然発見される。
  • 税務調査時に適切かつ十分な情報を提出できない。

 

そもそも、なぜ会計リスクが発生するのでしょうか。

多くの会社では、会計は難しく優れた経理マネージャーが採用できないから会計リスクが発生するのだと考えてしまう傾向がありますが、実際は全く異なります。会計の仕事はそもそも単純な繰り返しの作業に全て分解でき、会計業務の仕組みができてしまえば優秀な経理マネージャーがいなくてもできてしまうものです。

 

会計リスクが発生する原因は、究極的に以下の2つに分けることができます。

1. 仕組みがない

  • 適切な会計の仕組みがなく、マネージャー個人によるコントロールに依存している。
  • 現地の状況を考慮しない本社式の仕組みを導入している。
  • カンボジア人に仕組みを作らせ運用しているが、日本人はそれを理解できていない。

2. 実行力がない

  • 会計の仕組みはあるが、継続的な実行ができていない。又は、仕組みの一部のみ実行できている。
  • 仕組みの管理・監督、アップデートができていない。
  • 時間という制限により実行されないケースが多い。

 

 

■キャッシュフロー計算書(直接法)

こんにちは、東京コンサルティングファームカンボジアの公認会計士の熊谷です。前回のIFRS分野の記事では、キャッシュフロー計算書の間接法を取り上げました。今回は直接法について、ご紹介したいと思います。

 

まず、はじめに、前回の復習になりますが、直接法、間接法とはどのようなものを指していたでしょうか。この「直接法」「間接法」とは営業活動によるキャッシュフローをどのように表示するかの方法を指しています。

直接法・・資金の流入と資金の支出を総額で表示する方法であり、投資活動によるキャッシュフローや財務活動によるキャッシュフローと同じ表示の仕方を採用する方法

間接法・・損益計算書の当期純利益よりキャッシュフローに関連する調整を加えることで営業活動によるキャッシュフローを計算・表示する方法

 

上記のような内容になっています。今回は「直接法」を取り上げますので、営業活動によるキャッシュフローの部分も資金の流入、資金の支出をそれぞれ項目ごとに総額で記載されることになります。この方法によれば、間接法に比べれば、資金の流れをイメージしやすいといえます。しかしながら、作成の手間はかかります。

 

以下、キャッシュフロー計算書(直接法)の一例です。

 

 

 

 

営業活動によるキャッシュフローの小計以下の項目、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローは間接法と変わりません。

間接法でもそれぞれの資金の流入と流出を総額で計算し、それぞれの項目で計上しています。直接法の項目で間接法と異なるのは、「営業収入」「原材料又は商品の仕入支出」「人件費支出」「その他の営業支出」の部分です。直接法では、資金の流入、資金の流出の総額が計算され、それぞれの項目で計上されることになります。

なお、IFRSでは、直接法を採用することが推奨されています。しかしながら、直接法によるキャッシュフロー計算書を会計ソフトから出力することは現段階では難しいですので、直接法を採用するためには、自社で地道にキャッシュの出と入を識別し、作成する以外には手段がなく、膨大な手数が必要となります。その点は大きな難題といえるでしょう。

 

以上です。

 

 


 

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■カンボジア企業経営への心得

2015年11月09日 17時27分00秒 | お知らせ

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回は、カンボジア人スタッフが実行力を高める方法についてお話しします。

 

以前のブログでも書きましたが、会社の戦略ではなく、戦略の実行力がカンボジア事業成功の鍵を握ることになります。特に、教育水準が低いと言われるカンボジアでは、なおさら日本人スタッフとの前提条件に違いがあり、日本人スタッフがイメージする通りにカンボジア人スタッフの実行力が上がらないことが問題となりました。

 

そして、実行力が上がらない理由は、長い間、「貢献すべきこと」は自分以外に決められていたことでした。

 

貢献すべきことは、自ら考えることや悩むことはなく、季節、仕事、家族、土地などによって決められていたのです。彼らが考えることは「貢献すべきこと」ではなく、「したいこと」でした。その結果、仕事はやらさせるものになり、自己実現の手段にすぎないと考え、それが正しい考えであるかのように同じ職場の同僚の実行力をも下げることになります。

 

カンボジア人スタッフの実行力を上げるには、まずこの意識を変えなければなりません。

彼らの仕事に対する意識は、何に貢献したいかではなく、何に貢献せよと言われたかでもなく、常に「何に貢献すべきか」でなければなりません。

貢献すべきことに貢献すべきであると、自らの手によって自分の中に規律を作らせることが必要です。

 

ドラッカーは、次のような言葉を残しています。

「自らの果たすべき貢献は何かという問いに答えを出すためには、三つのことを考える必要がある。第一に、状況が求めるものである。第二に、価値ありとするものである。第三に、あげるべき成果である」(『明日を支配するもの』)

 

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皆様こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。

工場では原価計算を導入することによって収益改善を行うことができます!!

 

原価計算の目的

①財務諸表作成のため

②価格の決定のため

③原価管理のため

④予算を作成するため

⑤的確な経営の意思決定を行うため

 

日本で制定されている原価計算基準によれば上記の目的のために原価計算システムを導入することが勧められています。

 

上記の目的をまとめると、原価計算システムを導入する主な目的は、「正確な原価を計算する」ことが一つに挙げられます。

正確に原価を計算するということは難しいことです。一般の会計・簿記で仕訳をしたところで正確に製品やサービスの原価を計算することはできません。ざっくりとした数値は出るとしても、どの製品、どのサービス、どの工程にどれほどの原価がかかっているのか、どの部分を改善すればどれだけの原価を削減することができるのか、そういう情報が全く把握できないのです。

正確な原価を計算することによって、①の目的、つまり財務諸表を正確に作成すること、

④の目的、正確な予算を作成すること、この目的が達成されることになります。

 

 

また、他の重要な目的もあります。原価改善を行うことや経営意思決定を的確に行うという目的です。正確な原価を計算することにより、その情報を元に工程の一部を改善したり、製品ごとの収益性を判断し、価格の再決定を行ったり、将来の製造計画の意思決定を行ったりすることができるようになります。正確な原価の情報は、経営意思決定を的確に行うための判断材料となります。

つまり、ここで②の目的、製品ごとの原価から収益性を判断し、価格を適切なものに設定する目的や、③の目的、原価削減を行う目的、⑤の目的、製造計画の意思決定を行う目的が達成されることになります。

 

これが原価計算の目的です。工場では原価計算を行うことにより様々なメリットが生まれます。反対にいうと、工場で原価計算を導入していない場合、上記5つの経営行動を行うことができず収益改善の機会を逸失していると考えられます。また、次の機会に原価計算を導入しないことによって生じてしまう問題の例を取り上げてみたいと思います。


 

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■カンボジア企業経営への心得

2015年11月02日 15時15分59秒 | お知らせ

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回は、3つ目の問題、「財務の問題」についてお話しします。

 

財務の問題とは、資金繰りがうまくいかなかい、予算達成ができないなどの問題となります。こうした問題対しては、お金の流れを可視化して、早急に処置すべきかどうかを決定しなければなりません。

 

ここでのポイントは、お金の流れの可視化です。実際に数字だけを見るのもいいですが、全ての経営者が会計士の資格や経理部長の経験があるわけではありませんので、おそらく多少なりとも時間がかかります。そこで、時間をかけず、一発でお金の流れを理解するために、以下のような図を作成することをオススメしています。

 

 

 

この図は、CVP分析といって、コストを変動費と固定費に分解することから始まります。

売上から変動費を差し引いた限界利益(グロスマージン)を算出します。

さらに、人件費を除く固定費を差し引いたものを純限界利益(ネットグロスマージン)と呼びます。そして、これを3人の利害関係者に分配します。

  • 社員へ (固定給・賞与=プロフィットシェアリング)
  • 会社へ (内部留保・返済・分配)
  • 社会へ (国に対して払う税金+CSR)

 

すると、自然とお金の流れ、そしていくら会社に現金が残るのかが一目でわかります。

現在のお金の流れを理解したところで、次に最適なお金の分配を考えなければいけません。つまり、どこにいくらお金を使うのか基準値を設定し、そのための改善を行うのです。

 

例えば、固定費は有効性と効率性とに分けて考えます。有効性のある固定費とは企業にとって売上を上げるパワーとなる投資です。従って、有効的な固定費まで削減してしまうと、売上げも減らしてしまうことになります。効率性を考えて削減する固定費を決定しなければなりません。

 

また、会社のあるべき労働分配率を設定することも必要でしょう。一般的に中小企業の場合、ネットグロスマージンのうち社員への分配は6割が理想と言われています。その分配されたうち、固定的な報酬を給料、残りを賞与と考えます。

つまり、社員に示すべきは、ネットグロスマージンを増加させることは社員の賞与を増加させることにつながるということをオープンにするべきです。そうすることで、無駄な経費を削減することで、自らが恩恵を受けることを理解し、社員もまた会社から無駄な費用を減らそうと行動するようになります。

 

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IFRS キャッシュフロー計算書について

 

こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今回はIAS7号に基づいて「キャッシュフロー計算書」についてご説明いたします。

 

IFRS基準と日本基準の差異ですが、非常に細かい差異は存在しますが、ほぼ同じと考えて良いレベルの違いしかないといえます。ですから、今回は、キャッシュフロー計算書の構造について簡潔にご説明したいと思います。

 

 

上記は、間接法におけるキャッシュフロー計算書を示しています。

 

キャッシュフロー計算書の「キャッシュ」の対象・・・・・・現金及び現金同等物

現金同等物・・・・容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資(取得日から3ヶ月以内に満期日又は償還日が到来するものを例示)

 

上記がキャッシュフロー計算書対象となります。このことから3ヶ月未満に満期が来る定期預金はキャッシュフロー計算書の計算対象に含まれることになります(それぞれの会社の会計方針で期間は別に定めることができます。2ヶ月未満と定義すれば上記は対象とはなりません。)

 

キャッシュフロー計算書は、営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローの三区分に分けて記載をします。

 

営業活動によるキャッシュフロー・・・・・企業の本来の営業活動から生じたキャッシュフロー又は、投資活動、財務活動以外のキャッシュフロー

 

投資活動によるキャッシュフロー・・・・・将来の収益やキャッシュフローの獲得を目的として支出したものに関連するキャッシュフロー

 財務活動によるキャッシュフロー・・・・・企業の資金調達に関連して生じるキャッシュフロー

 

 

 

なお、上記に載せられているキャッシュフロー計算書は「間接法によるキャッシュフロー計算書」です。この「直接法」「間接法」とは営業活動によるキャッシュフローをどのように表示するかの方法を指しています。

直接法・・資金の流入と資金の支出を総額で表示する方法であり、投資活動によるキャッシュフローや財務活動によるキャッシュフローと同じ表示の仕方を採用する方法

間接法・・損益計算書の当期純利益よりキャッシュフローに関連する調整を加えることで営業活動によるキャッシュフローを計算・表示する方法

 

上記に載せられているキャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローの部分を簡単にご説明したいと思います。間接法を採用していますので、税引前当時純利益からスタートすることになります。その下の減価償却費ですが、この費用項目は非現金支出項目であるため、費用は計上されますが、キャッシュの流出はない項目となります。したがって、当期純利益からキャッシュの流れに戻していくためには減価償却費を加算する必要があるといえます。(損益のほうがキャッシュより小さい状態になっているため加算してキャッシュの状態に戻す)その次に営業項目に係る資産負債の増減を調整していきます。具体的には、売上債権、棚卸資産、仕入債務等です。この期首と期末の残高の増加、減少は、損益とキャッシュフローの差を意味していますので、それらを調整することにより、損益をキャッシュの流れに戻していく処理を行います。

 

売上債権の増加・・・減算

売上債権の減少・・・加算

棚卸資産の増加・・・減算

棚卸資産の減少・・・加算

仕入債務の増加・・・加算

仕入債務の減少・・・減算

 

上記のようになりますが、営業項目にかかる資産は増加は減算、減少は加算となり、営業項目にかかる負債は増加は加算、減少は減算となると覚えるとすっきり考えることができるかと思います。

 

なぜなら、たとえば、売上債権が増えるということが何を意味しているかといいますと、売上計上はされていますが、キャッシュの流入がないものが増えたことを意味しているため、損益よりキャッシュが小さい状態になっているということです。したがって損益からキャッシュに戻していくためには、減算する必要があるということがわかりますね。

 

その下の法人税等の支払額は直接法でも出てくる項目であり、現金等支払額を示しているといえます。

 

間接法の構造が少しイメージできましたでしょうか。次のIFRS分野の記事では直接法について少しご説明したいと思います。

 

 

 


 

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