東京コンサルティンググループ・カンボジアブログ

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カンボジアへの進出をコンサルティングしている駐在員が、カンボジアの旬な情報をお届けします。

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■カンボジア企業経営への心得、税務分野

2015年10月26日 14時24分15秒 | お知らせ

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回は、前回に引き続き「バランススコアカード」についてお話しします。

 

前回は、バランススカカードを構成する、財務の視点、顧客の視点、プロセスの視点そして組織の視点のそれぞれが、会社の目指すビジョンを達成するための具体的な行動指標になっていなければならないことをお話ししました。

 

 

 

一般的に使用される指標の例をあげると、財務の視点では財務指標、顧客の視点ではシェア率、プロセスの視点はリードタイム、組織の視点は資格取得率、などと紹介されています。

もっと簡単に数値化しやすい指標を挙げるとすれば、財務の視点は貸借対照表やキャッシュフロー、顧客の視点は売上、プロセスの視点は費用、組織の視点は社員教育と表せます。

 

そして、さらにもっと詳細に、そして経営の流れに合わせて表現すると、以下の表のようになります。

 

 

経営理念からどんどん掘り下げていくと、最後は「教育」、つまり組織の視点にいきつきます。そして、この社員の教育方針こそ、経営理念を実現させるための手段となり、教育のあり方がそのままその企業の経営理念となることがわかります。

 

カンボジアに進出する企業の経営者からは、「カンボジア人だからできない」、「カンボジア人だからだめだ」という言葉をよく耳にします。

しかし、私たちが見直すべきは、カンボジア人ではなく我々企業の教育方針であり、それこそが外部環境に左右されない強靭な会社を作るためのエッセンスとなります。

 

 

税務分野

 

こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今回の税務分野ですが、今までご説明していない税金について少々触れてみたいと思います。

 

l  公共照明税

公共照明税とは、輸入または国産のアルコール飲料、タバコ商品を課税対象とし、これらの販売に課される税金です。税率は3%であり、翌月の15日までに納めます。

 

l  宿泊施設税

宿泊施設税は、その課税対象をホテル宿泊のサービスとして課される税金です。税率は2%であり、翌月の15日まで納めます。

 

l  遊休土地税

遊休土地税は使用せずに遊休状態になったままの土地に課される税金であり、納税義務は登記上の土地所有者にあります。土地の面積が1,200㎡までは課税されず、1,200㎡を超える場合に、その超える部分に対して課税されます。

 税額は、その年の630日までに未開発土地評価委員会により算定された土地評価額の

  2%であり、毎年930日までに納付しなければなりません。

 

l  パテント税

カンボジアにおいて稼働しているすべての企業は税務登録後及び毎年331日までに114万リエルをパテント税として納めなければなりません。納税者が2つ以上の異なる種類の事業を営んでいる場合、異なる市や州で営業している場合、事業ごと、場所ごとにパテント税をそれぞれ納める必要があります。

 

l  印紙税

公共機関への商品やサービス提供を行う契約締結、または会社の設立・合併・解散の手続を行った場合、印紙税として10万リエルを納める必要があります。新設会社、支店ならびに駐在員事務所は、商業省に登記してから15日以内に印紙税を納める必要があります。

 

l  土地・家屋賃貸税

土地・家屋賃貸税は土地や家屋等を個人や法人に賃貸した場合に、賃貸人に課される税金のことをいいます。税率は10%です。

 

l  資産譲渡税

事業の新設、解散または合併関連書類や土地や車などの資産の移転の場合に、資産譲渡税が課されます。資産譲渡税の税率は4%です。

 

l  自動車税

この税は、トラック、バスなどの輸送手段の登録と関連して課される法定税です。

 

l  固定資産税

2011年より施行されています。価格が1億リエル以上の土地、建物、構築物が対象となります(基礎控除1億)。税率は0.1%です。

 

 

 


 

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■カンボジア企業経営への心得、IFRS分野

2015年10月19日 14時19分33秒 | お知らせ

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回は、前回に引き続き「バランススコアカード」についてお話しします。

 

バランススコアカードとはビジョンと戦略を明確にすることで、財務数値に表される業績だけではなく、財務以外の経営状況や経営品質から経営を評価し、バランスのとれた業績評価を行うための手法です。

バランススカカードは、財務の視点、顧客の視点、プロセスの視点そして組織の視点の4つで構成されており、それぞれ会社の目指すビジョンを達成するための具体的な行動指標になっていなければなりません。これが、戦略を実現させるための重要なツールとなるのです。

 

 

 

この図を知っている経営者は多くいますが、これを自分の会社に置き換え実践している経営者は少ないように思います。日本でもカンボジアでも経営の意味は変わりません。そして、教科書通りの経営が新興国カンボジアでは特に有効になるのです。

 

例えば、組織の視点。この視点は、顧客の視点とプロセスの視点を向上させ、ビジョンを達成するための基礎となる視点です。この組織の視点は、書籍によっては「学習と成長の視点」と書かれていることもあります。したがって、この指標が確立されない限り、戦略そのものの実行力が伴わないことがわかります。

 

どんな企業においてもこのスコアカードは異なり、そして強みと弱みがあります。

例えばディズニーランドやスターバックスは顧客の視点がとても上手くいっている企業だと言えます。また、トヨタ自動車やユニクロ、マクドナルドはプロセスの視点が上手くいっている企業です。

 

しかし、ここに挙げた企業の一番の財産は社員です。どんなに良い戦略や商品があったとしても、優れた人、組織がなければ事業は上手くいきません。

そう考えたとき、企業で最も重要視すべき指標は組織の視点であるということになります。

 

 

IFRS分野

 

IAS2号、棚卸資産について

 

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今回は棚卸資産の分野についてお伝えします。棚卸資産に関して、日本でもIFRSに収斂する動きが出ていますが、まだ違いは存在していますので、その違いに今回は特に着目していきたいと思います。

 

①棚卸資産の範囲

②仕入割引の処理

③製造間接費の配賦

④棚卸資産の原価配分

⑤棚卸資産の評価(洗替方式、切放方式。一律に測定すべきか否か。)

 

IFRSと日本基準では以上の点で異なります。日本でも企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」が平成2041日以後に開始する事業年度から適用されていて、だいぶIFRSの規定に近づいたといえますが、まだ上記の差異が残っています。その点を簡潔にご説明したいと思います。

 

①棚卸資産の範囲について

 棚卸資産の範囲ですが、それほど違いはありません。販売を目的として所有される完成品やその製造途中の品を指します。日本基準では、「販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨」も棚卸資産とされていますが、IFRSの定義には含まれません。その点が差異となっています。

 

②仕入割引の処理

 商品を仕入れる際、仕入値引や仕入戻しが発生する場合がありますが、その場合、棚卸資産から控除する会計処理を行うことになります。しかし、仕入割引(=仕入に係る買掛金を前倒で支払った場合の利息の免除額)の場合は日本基準では営業外収益として計上することになります。IFRSでは仕入割引や仕入戻しと同じく、棚卸資産からの控除という処理になります。このように仕入割引の処理に差異があります。

 

③製造間接費の配賦

 IFRSでは固定製造間接費は、生産設備の正常生産能力に基づいて、配賦されますが、日本基準では正常生産能力という概念はありません。期待実際操業度という概念が一番近似しているといえます。また、期中に生産低下、設備遊休が発生しても各生産単位に予定配賦された固定製造間接費は増加させません。これは日本基準とは異なると考えられます。日本基準では実際の操業度と期待実際操業度の差から生じた金額的差異は棚卸資産に配賦し、原価を増額させるからです。IFRSではこの金額は棚卸資産の金額ではなく、期間費用として処理されることになります。

 この話はなかなか少々の説明では理解できないかもしれませんので、いずれ詳細に説明できる機会を設けたいと思います。

 

④棚卸資産の原価配分

 日本では棚卸資産の原価配分方法として後入先出法を使用しなくなり、IFRS基準との差異が解消されつつあります。しかし、以下の点でまだ差異があります。

 (1)日本基準では、棚卸資産の評価方法として売価還元法の使用が認められていますが、IFRS基準では、適用結果が原価と近似する場合にのみ、簡便法として使用が認められています。

 (2)日本では、期末時点で棚卸資産の大部分が最終仕入で構成されている場合や期末時点での棚卸資産の重要性が乏しい場合に最終仕入原価法の適用を容認していますが、IFRS基準では最終仕入原価法の適用は認めていません。

 

⑤棚卸資産の評価

 棚卸資産の評価において、日本基準とIFRS基準では以下のような差異があります。

 (1)IFRS基準では洗替法のみ適用されますが、日本基準では洗替法と切放法のいすれかを用いることができます。

 (2)IFRS基準では棚卸資産の評価は正味実現可能価額が用いられますが、日本基準では正味実現可能価額を原則として、所定の場合に再調達原価を用いることができるという規定になっています。

 (3)IFRS基準においては、企業にとって性質及び使用方法が類似するすべての棚卸資産は、企業内で同一の原価配分方式を選定しなければなりません。これは国内だけではなく海外までも含めた企業グループ全体を意味していますので、各企業はIFRS対応に相当の準備が必要になると考えられます。

 
 

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カンボジア企業経営への心得・税務分野

2015年10月14日 17時13分24秒 | お知らせ

税務分野

 

今回は源泉徴収税について概要をお伝えします。

 

l  源泉徴収税

 

給与所得も源泉徴収によって税金が支払われることになり、以前の記事で内容はお伝えしました。他にも源泉徴収の規定はあります。源泉徴収税の直接の負担者は代金の受取人ですが、支払者が支払をする際に税金負担分を手元に残し、受取人に代わって、税金を納める方法のことを指します。翌月の15日までに税務当局に税額を納める必要があります。

 

  1. 配当金の追加所得税

会社が株主に配当金を支払う場合、その会社の適用された利潤税率によって配当金のうち

源泉徴収を行い、会社が税務局に税金を納める必要があります。

 

適用された利潤税率

追加所得税の計算

0%

配当額の20/100

20%

配当額の0%

30%

配当額の0%

※しかし、非居住者への配当金は14%の源泉徴収が必要です。

 

この規定から考えれば、外国法人は非居住者になるため、配当を行う際には、14%の源泉徴収税を納める必要があるといえます。このことから考えれば、本国への送金については、別の法人を設立するよりも、支店を設立することの方が有利といえます。

 

  1. その他の源泉所得税

 

その他の源泉徴収の規定には以下のようなものがあります。

 

     分類

居住者税率

非居住者税率

個人に対する専門サービス、コンサルタント、その他類似のサービス

15%

14%

ロイヤリティ

15%

14%

企業からの利息

15%

14%

賃貸料(不動産、動産に関係なく)

10%

14%

銀行からの利息(固定性預金)

 6%

14%

銀行からの利息(非固定性預金)

 4%

14%

 

個人に対する専門サービス・・という記述ですが、正確にいうと、個人事業者であっても実態管理様式による申告納税者であれば、源泉徴収はされません。上記の「個人に対する専門サービス、コンサルタント、その他類似のサービス」は推定管理様式による納税を行っている個人事業者に適用される規定となります。

※実態管理様式、推定管理様式の説明については9月号のニュースレター参照

 

 

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回は、カンボジアにおける企業経営でのお困りごとの2番目、「プロセスの問題」についてお話しします。

 

プロセスの問題とは、つまり行動の問題です。社員の行動力・実行力が足りていないと財務に問題が出てきます。

 

一昔前であれば、有効な戦略こそが、ビジネスの成功を決めていましたが、インターネットが普及し情報が簡単に手に入る時代においては、戦略のみで他社と差別化を図ることが難しくなりました。そして、戦略ではなく戦略の実行力を高めることが他社との差別化を図るもう一つの方法となるのです。

 

企業では次年度予算や中期計画を立てることに多くの時間を使います。しかし、予算を立てたが全くその通り行かず、よくわからないまま次年度予算を立てるといったケースが散見されます。予算の実行性を細かく分析し、実行力を高めていくための更なるアクションが全て現場任せになってしまっており、上層部は「なぜやらないんだ!」と常にストレスを感じることとなります。

 

どんなに有効な戦略であっても、実行が伴っていなければ目標達成はできません。そこで、財務諸表のみの業績評価だけではなく、多面的な業績評価指標を設けましょうというのが、  「バランススコアカード」の考え方です。バランススコアカードとはビジョンと戦略を明確にすることで、財務数値に表される業績だけではなく、財務以外の経営状況や経営品質から経営を評価し、バランスのとれた業績の評価を行うための手法です。

 

次回の記事で、このバランススコアカードについてもう少し詳しく見ていきましょう。

 


 

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IFRS分野・カンボジア企業経営への心得

2015年10月06日 11時02分25秒 | その他

IFRS分野

 

こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。前回は、IFRSの特徴である、「原則主義」についてお話ししました。今回は、もう一つのIFRSの大きな特徴である、

「資産負債アプローチ」についてお話しします。

 

「資産負債アプローチ」とはどのようなものを指すのでしょうか。

簡単にいえば、企業の業績を貸借対照表から捉える考え方のことを指します。

 

①   一会計期間の収益      -  一会計期間の費用      = 利益  ×

  一会計期間の資産の増加   -  一会計期間の負債の増加   = 利益 ○

 

 

①は従来の日本基準の考え方です。収益と費用がそれぞれ資産、負債とは独立して定義付けされ、利益計算がなされます。この考え方によって示された利益計算を、損益計算書といい、現行の日本基準はこの計算書を採用しています。「包括利益の表示に関する会計基準」が日本でも公表されていますが、これは連結財務諸表のみ適用されることになります。

 

 

IFRSでは、②の利益計算式が採用されます。つまり、まずは資産・負債を収益、費用とは独立して定義し、その増加・減少から利益の金額を導く考え方のことです。この考え方によって示された利益計算を、包括利益計算書といいます。IFRSでは包括利益を重要な利益の指標として用いることになります。包括利益になると従来の当期純利益とは異なり、資本直入される処理(exその他有価証券の時価反映)なども利益の金額に含まれることになります。

 

例 当社はA社株式を2014年4月1日に1000$で取得した。この株式は売買目的ではなく子会社、関連会社株式でもない。2015年3月31日現在時価は1200$であった。法人税等の実行税率は40%である。期末の会計処理はどのようになるか。

 

(借)投資有価証券  200  (貸)繰延税金負債(長期)80 

                                           その他有価証券評価差額金 120

 

この、その他有価証券評価差額金は収益項目ではなく資本項目です。損益計算書には記載されないですが、包括利益計算書では記載されます。なぜなら包括利益は資産・負債の増減(=資本の増減)で利益を認識するからです。違いがわかりましたか?

 

 

 

 

 

■カンボジア企業経営への心得

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

今回は、前回に引き続き、カンボジアにおける企業経営でのお困りごとの1番目、「人の問題」についてお話しします。

 

現地日本人とカンボジア人社員の立場による危機感のギャップがあり、そのギャップを解消することが重要です。それでは、企業はどうしたらこの危機感のギャップを解消できるのか。

 

冒頭にもお話ししましたが、カンボジア人社員の意識を変えなければいけません。しかし、社員の意識を変えるには非常に時間が掛かりますので、外科手術のような短期的なやり方ではなく、漢方薬のような長期的なやり方で変えなければなりません。

 

カンボジア人の性質がそもそもスキル志向であるならば、スキル志向そのものを変える必要はなく、我々は顧客志向の意識をもつようにカンボジア人を指導することが最も有効な手段となります。ここでの顧客とは、会社の顧客、そして顧客の顧客までを含む広義での顧客となります。

 

顧客志向を鍛えたカンボジア人社員の意識は、常に貢献に焦点を合わせることによって、自ら狭い専門やスキルやキャリアアップではなく、組織全体の成果に注意を向けるように自然となるのです。特に、顧客と接することのない社員の意識は自然と内側へ向いてしまいます。

 

顧客への貢献意識を採用時、研修時、雇用時それぞれのステージでしっかり従業員に学んでいただき、顧客満足、そして結果として従業員満足を高めることが人の問題の重要な解決策となります。


 

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