東京コンサルティンググループ・カンボジアブログ

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カンボジアへの進出をコンサルティングしている駐在員が、カンボジアの旬な情報をお届けします。

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カンボジア現地法人の設立実務について1

2012年05月28日 09時56分59秒 | カンボジアの法務

こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。

前回はカンボジア事業拠点の形態についてお伝えしましたが、実際日系企業が進出する形態としては、現地法人である有限責任会社が多いです。

そこで、今回は現地法人(有限責任会社)の設立実務についてお伝えします。

現地法人設立は、下記のステップで行います。

(1)現地法人情報の決定
会社名・資本金・株主・定款に記載する事業目的・取締役等の情報を決定します。

(2)商号の予約
商業省商業登記局において、会社名が使用可能であることを確認する必要があります。有効な会社名かどうか、選んだ会社名が既に存在しないかどうかの確認です。
ちなみに会社名は原則クメール語です。また、末尾に「Ltd(非公開会社の略)」「Plc(公開会社の略)」を付す必要があります。

(3)銀行口座開設/資本金の払込
会社の設立前に、銀行口座を開設し資本金の振込をします。
資本金は、最低資本金額400万リエル(米ドル建ても可能)の振り込みが必要です。
ただし、実務としてカンボジアの銀行では、設立予定のカンボジア法人名義での口座開設をすることができないので、取締役が現地において個人名義で開設をするか、代行業者の口座に一時的に最低資本金相当額を払込む必要があります。法人設立後にカンボジア法人名義の口座に変更し、当初予定していた資本金を振り込むケースが多いです。

(4)会社登記の申請書類の用意・作成
申請書フォームA・基本定款・株主及び取締役全員のパスポートのコピー(署名入り)と写真・最低資本金(400万リエル)のが確認できる残高証明書を用意します。
株主が法人の場合は、その他に親会社の基本定款及び登記証明書の認証コピー・各法人株主による委任状・法人株主のパスポートのコピー(署名入り)と写真。
登記手数料は、42万リエルです。

(5)会社登記の申請
会社の取締役または株主は、商業省商業登記局上記書類を提出することで登記の申請ができます。登記証明書の交付は、最短で5営業日です。
登記証明書を取得した場合は、商業省の承認済みデザインにしたがって社印の作成が可能になります。

法人設立後の手続きとして、以下のものが必要です。

(1)印紙税の納付
会社登記から15日以内に印紙税を必要書類とともに、税務署に納付しなければなりません。
印紙税は、会社においては119,000リエルですが、税額は変更される可能性もあります。

(2)税務(VAT含む)の登録
会社登記から15日以内に税務局の中・高額納税局又は州・特別市税署に必要書類を提出し、税務登録することにより納税者番号を取得しなければなりません。実務上、VAT登録も同時に行われます。また税務登録の際に、初年度の登録事業税114万リエル/年間を納付する必要があります。

当社は、上記手続きの代行・アドバイスを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらまでどうぞ。

以上

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事業拠点の形態について

2012年05月21日 10時01分48秒 | カンボジアの法務
こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。

今回は、カンボジアに進出する際の事業拠点の形態についてお伝えします。

企業がカンボジアに進出する形態としては、大きく分けて下記の3つとなります。

(1)駐在員事務所
(2)支店
(3)現地法人

駐在員事務所は、営業活動が出来ず、主に情報収集、調査など本社の出先機関の業務になります。

現地法人については、外資100%での進出が可能であり、形態としては有限責任会社とパートナーシップになります。

法人税率は、現地法人も支店も20%ですが、現地法人については全世界所得に対して課税され、支店についてはカンボジアの所得のみについて課税されます。

カンボジアへの進出形態としては、現地法人である有限責任会社の形態の企業が多いです。

有限責任会社の形態の特徴をまとめますと、下記の通りになります。



日本にあるような協同組合や公益法人などの形態はありません。

以上
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QIPの投資優遇措置について

2012年05月14日 09時39分19秒 | カンボジアの投資環境・経済
こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。

今回は、適格投資プロジェクト(QIP)に付与されている、法人税に関する投資優遇措置についてご説明します。

QIPの認定を受けた企業は、法人税に関し、下記の2つのうち、どちらかを選択して優遇措置を受けることが出来ます。

(1)法人税免税(下記の期間が免税期間)
始動期間(注1)+3年間+優先期間(注2)(最長で9年間)

(注1)始動期間は、下記のうち、いずれか短い期間です。

・「最終登録証明書」発行日から最初に利益を計上する年
・最初に売上を計上してから3年間

(注2)優先期間は、最長3年間で、下記のプロジェクトごとに予算法により定められています。

①軽工業プロジェクト

・投資額が500万ドル以下の場合:0年
・投資額が500万ドル超~2,000万ドル未満の場合:1年
・投資額が2,000万ドル超の場合:2年

②重工業プロジェクト

・投資額が5,000万ドル以下の場合:2年
・投資額が5,000万ドル超の場合:3年

③観光業プロジェクト

・投資額が1,000万ドル以下の場合:0年
・投資額が1,000万ドル超の場合:1年

④農業・農産業プロジェクト

・短周期農業プロジェクトの場合:1年
・長周期農業プロジェクトの場合:2年

⑤基幹インフラ・プロジェクト

・投資額が1,000万ドル以下の場合:1年
・投資額が1,000万ドル超~3,000万ドル未満の場合:2年
・投資額が3,000万ドル超の場合:3年


優先期間については、実際には適用となる企業が少なく、殆どのQIP認定企業の法人税免税期間は、6年間のようです。
また、法人税免税を受けるためには、毎年「義務履行証明書」を取得しなければなりません。


(2)特別償却
新品又は中古の有形固定資産(製造・加工工程に使用されるもの)の40%

その他の優遇措置として、生産設備又は建設材料等の免税輸入や輸出税の100%免除(現行法に規定されている場合を除く)を受けることが出来ます。

以上
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適格投資プロジェクト(QIP)について

2012年05月07日 10時57分35秒 | カンボジアの法務
こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。

今回は、カンボジアへ投資するにあたって、プロジェクトに対して税制面での恩典を与えているQIPについてお伝えします。

民間の直接投資に対するプロジェクトについては、「カンボジア王国の投資に関する法律・政令」に規定されています。

税制面での恩典を受けるためには、カンボジア開発評議会(CDC)又は州・特別市投資小委員会(PIMS)に適格投資プロジェクト(QIP)の認可を受けるための申請をすることになります。CDCは、投資申請者に代わり、関連省庁から要請のある必要なライセンスを取得するワンストップサービス組織です。

QIPの認可を受ける際、非適格プロジェクトに該当しないかどうか検討する必要がありますが、ポイントは投下資本金額と業種です。

下記のような案件は、カンボジア政府がQIPとして奨励しているプロジェクトです。
・輸出加工型投資プロジェクト(製品を輸出して外貨を稼いでくれるプロジェクト)
・国内市場輸入代替型プロジェクト(今まで輸入していた製品を自国で生産するプロジェクト)

商社・金融・建設・運輸やレストランなどのサービス業は基本的には、QIPとして認可はされません。

CDCにはジャパンディスクがあり、日本からJAICA専門家が1名常駐して、QIP取得の支援を行っています。

昨年(2011年)から日系企業のQIP申請案件が増加してます。どんな企業が申請しているのかなどお気軽にお問い合わせください。

以上
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経済特別区(SEZ)へ進出すべきか?

2012年05月01日 09時38分50秒 | カンボジアの投資環境・経済
こんにちは、カンボジア駐在員の東真奈美です。

前回は、カンボジアの経済特別区(SEZ)について、簡単にご紹介しましたが、実際にカンボジアに進出するにあたって、経済特別区(SEZ)に進出すべきか?それとも経済特別区(SEZ)以外に進出すべきか検討することになると思います。

経済特別区(SEZ)は、インフラ(電気、給水、排水など)が整備され、カンボジア政府への役所手続がワンストップで処理してくれる事務所を有しています。

カンボジア開発評議会(CDC)、関税総局(GDCE)、商業省(MOC)、カムコントロール(検証機関)、労働職業訓練省及び州・特別市代表が経済特別区(SEZ)内の事務所に常駐しているので、通関、検量、原産地証明、労働許可など生産活動に必要な手続きをプノンペンの本庁まで行かずに、ワンストップで完結できるのは大きな利点だと思われます。

経済特別区(SEZ)以外へ進出するとなると、土地や建物につき信頼できる地主や家主を見付ける必要があります。権利関係のトラブルを防ぐためには、カンボジアの大手不動産業者に仲介してもらう必要も出て来るでしょう。

税制については、経済特別区(SEZ)のQIPだけにある特典として、下記のVAT免税措置があります。
(1)輸入加工型QIP:原材料、建材資材、生産設備へのVAT免税
(2)国内市場型QIP:建設資材、生産設備へのVAT免税
経済特別区(SEZ)以外のQIPですと、輸入時に支払、輸出時還付となります(ただし、縫製業、製靴業については、輸入時免税)。

よって、経済特別区(SEZ)内に進出した方が、何かとスムーズに生産活動ができるのではないかと、思います。ただし、経済特別区(SEZ)に対する維持管理費コストが必要になりますし、経済特別区(SEZ)内のルール等に従う必要がありますので、全体のコスト計算や事業戦略に照らし合わせてどちらに進出するか検討する必要ではないかと思います。

以上
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