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カンボジアへの進出をコンサルティングしている駐在員が、カンボジアの旬な情報をお届けします。

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カンボジアの食料品に関わるVAT免除

2018年06月19日 14時48分39秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「食料品に関わるVAT免除」についてお話しします。

付加価値税(VAT:Value Added Tax)とは、カンボジア国内における物品、 サービスの消費に対して課される間接税であり、税金の負担者は最終消費者です。

 

VATの負担者は最終消費者ですが、納付義務を負うのは、VAT課税対象物品の販売あるいはサービスの提供を行う事業者(VAT登録事業者)等であり、個人・法人を問わず納税義務が発生します。

 

したがって、物価や人件費といった原価の上昇により、商品価格が上がり、10%のVATも影響し最終消費者の負担となります。

 

そのため、経済財政相は基本的な食料品の価格を抑え、カンボジア国民の生活基準の引き上げを目的として、基本的な食料品のVAT免除に関するPrakas 361を公布しました。

 

このPrakasは、申告納税方式を採用しているカンボジア納税者(小規模、中規模、大規模納税者)によって販売される基本的な食料品に対して適用されます。

 

Prakasに規定されている基本的食料品は以下の通りとなります。

・牛、水牛、山羊、羊、豚、鳥などの肉類(生、調理済み、乾燥肉を含む)

・ロブスター、エビ、甲殻類などの海産物(生、調理済み、乾燥肉を含む)

・あらゆる種類の砂糖

・塩

・魚醤、醤油などの調味料

 

注意点としては、レストラン等で提供される食品にはこのVAT免除の適用がされません。

 

しかし、仕入れの価格を抑えられることにより、結果的にVAT免除の恩恵を受けられる

可能性はあります。

 

このPrakasについては2019年末まで適用されます。

 

このような免除はカンボジアだけではなく、他国でも見られます。例えばオーストラリアでは、免除を受けられる食品をデータベース等で検索することが可能です。しかしカンボジアの場合そういったものはありません。

 

このようなPrakas等が公布される度に、何が規定の範囲に含まれるのかが非常に曖昧になります。

 

納税者がこのPrakasの基本的な食料品の範囲に含まれない食品に対して10%のVATを

徴収・納付をしなかった場合、罰金・遅延利息等の追徴の対象となります。

 

そのため、それぞれの食料品について、このPrakasに従いVAT免除の適用を受けられるかどうか事前に経済財政省、税務局等に問合せ、確認することが必要となります。

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


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カンボジア移転価格税制 その6

2018年05月29日 09時58分38秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「カンボジア移転価格税制 その6」についてお話しします。

これまで5回に渡りお送りしてきたカンボジア移転価格税制についても、これで最終回となります。今週は、カンボジアにおける移転価格文書の要件を、ASEAN諸国と比較してお話しします。

 

日本を含むグローバルでの移転価格税制の動向として、移転価格文書化の3層構造アプローチが挙げられ、以下の3種類の文書が必要となります。

 

国別報告書(CbCR)

マスターファイル

ローカルファイル

 

国別報告書とマスターファイルは通常親会社が用意するものとなります。カンボジアにおいては、現在のところローカルファイルのみの作成が求められていますが、今後国別報告書とマスターファイルの提出を求められる可能性もあります。

 

カンボジアにおけるローカルファイルの作成に当たり、現在のところまだ細かい規定などもありませんが、ASEAN諸国の要件と比較することによりある程度は予測することができます。

 

・文書化の金額等要件

カンボジアにおいては明示がありません(取引額や会社規模等による免除規定なし)。一方、シンガポール等免除規定のある国もあります(全関連者からの棚卸資産の購入販売が15百万SGD以上の場合等に文書化義務)。

 

・言語

カンボジアにおいては明示がありませんが、ベトナム等現地語が求められる国もあるため、今後クメール語での作成が必要となる可能性もあります。

 

・準備期限

カンボジアにおいては明示がありませんが、フィリピン等税務申告書の提出期限までに文書化義務のある国もあります。

 

・適用初年度

カンボジアにおいては明示がありませんが、マレーシアでは2012年の移転価格税制導入時に2009年から遡及適用されている例もあります。カンボジアでの省令発効日が2017年10月10日で、過去に遡って適用される可能性も十分にあり得ます。

 

このように、不明瞭な部分の多いカンボジア移転価格税制ですが、現状でも文書を準備することにより、リスクの低減が可能となります。

 

移転価格調査の際、移転価格文書がなければ、税務当局のシークレットコンパラブルの使用による推定課税のリスクが非常に高くなります。税務当局しか知りえない他社の情報を元に課税が行われるため、反論も極めて難しくなります。

 

一方、移転価格文書を用意することで、独立企業間価格等を説明することができ、推定課税を受けるリスクを軽減できます。

 

 

これまで話してきた通り、カンボジアにおける移転価格税制の動向にはまだまだ不明瞭な部分も多くありますが、動き出していることは事実です。特に海外関連会社と取引のある企業にとっては、無視できないリスクとなります。まずは関連会社とどれだけ取引があるかをみてリスクの確認を行い、その上で移転価格文書を準備し、リスク対策を行うことが重要となります。

 

移転価格税制についてのご質問、ご要望等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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カンボジア移転価格税制 その5

2018年05月22日 11時02分46秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「カンボジア移転価格税制 その5」についてお話しします。

今週は移転価格算定方法としてよく使用される、独立価格比準法(CUP法)と取引単位営業利益方(TNMM法)についてお話ししたいと思います。

 

CUP法では、取引に関わる価格を第三者間ベースの価格と直接比較することにより移転価格設定します。CUP法には以下の特徴がみられます。

・関連者間の取引価格と非関連者との取引価格、又は非関連者間の取引価格を直接比較するため、信頼性が高い

・完全に一致する比較対象となる取引が存在しないことが多く、適用要件を満たすことが困難である

 

一方TNMM法においては、どちらか一方の関連者の営業利益率を第三者間ベースの営業利益率と比較することにより移転価格を設定します。TNMM法には以下の特徴がみられます。

・検証対象者及び比較対象企業等のデータの入手可能性が高く、分析が用意である

・多くの税務当局により受け入れられている

 

CUP法は、カンボジア子会社と日本親会社との関連者間取引で用いられている価格と、カンボジア子会社と第三者企との価格、比較可能な非関連者間取引で用いられている価格と比較することによって独立企業間価格であるか否かを評価します。両取引の比較可能性を評価するにあたり、関連者間取引と比較可能取引で取引される商品の類似性による影響が大きく、契約条件や経済条件に係る類似性に大きく左右されるため、厳格な類似性が求められます。

 

TNMM法では、営業利益率等を比較対象会社の営業利益率と比較します。一つ一つの製品取引について比較するのではなく、会社全体の営業利益率で比較します。データベース等を使用し、比較対象会社を選定しますが、カンボジアの場合は国外企業と比較されることもあります。比較対象会社の選定するにあたり、取引、機能、契約条件等を分析します。比較対象会社を選定し、財務数値(一般的には3年の平均値)を把握します。そして会社の実績値と、比較対象会社の財務数値を比較し、比較対象会社の実績値のレンジ内に会社の実績値があるかどうかを検証します。

 

次回は、カンボジアにおける移転価格文書の要件を、ASEAN諸国と比較してお話ししたいと思います。

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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カンボジア移転価格税制 その4

2018年05月15日 10時01分10秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「カンボジア移転価格税制 その4」についてお話しします。

今週は移転価格文書(ローカルファイル)と文書化要件を見ていこうと思います。

 

移転価格文書とは、グループ企業との取引価格が独立企業間価格(ALP)であることを証明する文書で、その準備責任、説明責任は納税者側にあります。この文書作成により当該説明責任を果たすことになります。移転価格文書を作成・保管することにより、過去及び現在の実績・リスクに対応し、移転価格文書の分析結果を利用し、将来のリスクを軽減することができるため、移転価格文書の作成は重要となります。

 

移転価格文書には記載する内容としては、主に下記の項目が挙げられます。カッコ内は含めることもある項目となります。

 

事実分析(企業概要・取引フロー)

・      会社概要、資本関係、事業概要、決算状況、取引関係図、主要製品セグメント概要、主要セグメント別販売高、主要顧客、主要仕入れ先等

・      国外関連取引の概要

・      財務データ

・      移転価格設定方針

・      (沿革)

 

産業分析

・      販売市場の動向分析、シェア、競合他社、政府による規制、製品ライフサイクル、販売流通チャンネル等の価格に営業を及ぼす産業全体又は市場の情報

・      (マーケットレポート)

 

機能分析

・      法人及び国外関連者の研究開発活動の概要、製造活動の概要、マーケティング活動の概要、

・      各関連者が負担しているリスク

・      機能・リスクの分担状況と法人及び国外関連者の経済的位置付けの分析

 

独立企業間価格算定方法

・      独立企業間価格算定方法を選択

 

経済分析

・      比較対象企業の選定

・      財務データのセグメンテーション及び分析、会計基準の差異に対する調整

 

移転価格文書において使用される移転価格算定方法として、OECD移転価格ガイドラインにおいて次の5つの移転価格算定方法が定められています。

・      独立価格比準法(CUP法)

・      再販売価格基準法(RP法)

・      原価基準法(CP法)

・      取引単位営業利益方(TNMM法)

・      利益分割法(PS法)

 

多くの国において上記の方法が採用されており、選定に際しては、国外関連取引の内容、当事者が果たす機能、負担するリスク、比較対象取引データの入手可能性など様々な要素を検討する必要があります。

 

次回は、移転価格算定方法としてよく使用される、CUP法とTNMM法についてお話ししたいと思います。

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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カンボジア移転価格税制 その3

2018年05月08日 09時57分08秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「カンボジア移転価格税制 その3」についてお話しします。

前回、新興国においては、利益率の低い企業、さらには赤字の企業から税金を取るための手段として使われている傾向があるというお話をしました。例えば、税率を日本40%、カンボジア20%とした場合、通常であれば税率の高い日本に多くの利益を移すことは、常識的にはあり得ないことですが、それでもカンボジアの税務当局は日本に多く利益を移し、カンボジアでの課税を逃れているという主張をします。

 

リスクの確認として、まずは自企業が関連会社とどれだけ取引があるかを確認します。ここでの取引とは、損益計算書に影響を与えるほぼすべての取引が対象となります。特にロイヤリティに含まれる製造技術やノウハウといった無形資産、貸付や債務保証にかかる利子や保証料などの金融取引、役務提供などのサービス取引などが注目されやすいものとなります。

 

また、移転価格税制においては、移転価格文書の準備義務や説明責任が納税者側にあるため、税務当局側に有利なものとなっています。税務当局より移転価格について説明を求められた際、独立企業間価格等を説明する移転価格文書を準備できておらず、関連者との取引価格の妥当性について税務当局に対して説明ができない場合、推定課税に基づき課税が行われてしまします。推定課税とは、実際の取引価格を税務当局の指定する取引価格に引き直し、追加で所得があったとみなして追加の法人税等を課税することです。

 

移転価格リスクを少しでも回避するためのチェックポイントを上げてみます。

・企業単体の利益率が連結に比べて低すぎる

・同業他社の利益率と比較して利益率が低すぎる

・関連者との利益率が事業年度によって大きく変動している

・ロイヤリティの支払額が高すぎる

・役務提供を受けているが、支払対価が高すぎる

・役務提供を行っているが、受取対価が低すぎる、又は受け取っていない

・第三者からの購入価格と比較して、輸入価格が高すぎる

・第三者への販売価格と比較して、輸出価格が低すぎる

 

また、関連者に関しては、「国外」に限定されておらず、国内関連者にも適用される可能性は十分にあります。

 

次回は、カンボジアにおける文書化の要件等を見ていきたいと思います。

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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カンボジア移転価格税制 その2

2018年05月01日 11時17分35秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「カンボジア移転価格税制 その2」についてお話しします。

先週は、移転価格税制の概要についてお話ししました。今週は、カンボジアにおける移転価格税制の関連法令等とこれまでの経緯についてお話ししたいと思います。

 

カンボジアはこれまで移転価格税制について明確に定めた法令等は存在せず、類似した税法の規定があるのみでした。

 

税法第18条

20%以上の共同資本関係にある企業間について、税務長局は収益及び費用の再配分について幅広い権限を有する。

税法第92条第8項

関連者間の取引について、税務当局は取引の再決定についての権限を有する。

 

2017年10月10日付で、経済財政省よりPrakas No. 986「関連者の収入及び費用の配分に関する規定及び手続」が公表、同日より発効され、OECD移転価格ガイドラインに基づく制度が導入されました。しかし、このPrakasがどの会計年度から適用されるかについては、明確に言及してはいません。

 

カンボジアにおいては、政府、企業ともに手探りの状態ですが、今後の運用の予測として、アジアでの運用の傾向を見てみます。数年前に移転価格税制が始まり、当初は大企業に対し、そして次第に中小企業に対して、調査・追徴を行っていくという流れになっています。前回もお話ししたように、移転価格税制とは国家間の税金の適正な配分を目的としています。

 

しかしながら、新興国においては、利益率の低い企業、さらには赤字の企業から税金を取るための手段として使われている傾向があります。

 

次回は、カンボジアにおける移転価格税制のリスクや文書化の要件等を見ていきたいと思います。

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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カンボジア移転価格税制

2018年04月24日 10時31分16秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「カンボジア移転価格税制」についてお話しします。

そもそも移転価格とは何でしょうか。移転価格とは、端的に言えば国外関連者(グループ企業)の取引価格であり、移転価格税制は、その国外関連者との所得の国外移転の防止を目的とした制度です。

 

カンボジアの子会社「S社」が50のコストで自動車を製造します。次にS社が日本の親会社「P社」に販売します。P社は200で自動車を顧客に販売します。このとき、S社からP社へ販売される自動車の取引価格が、「移転価格」です。

 

ここで2つのケースを見ていきます。

ケース①

移転価格を70に設定します。このとき、S社の利益は20、P社の利益は130、グループ全体の利益は150となります。

ケース②

移転価格を180に設定します。このとき、S社の利益は130、P社の利益は20となりますが、グループ全体の利益は150と変わりません。

 

これだけ見ると、70でも180でも問題ないように思えますが、「税金」が関わってくると大きな問題となります。グループ全体の利益は150と変わりませんが、S社とP社のそれぞれの利益は変化します。そして、企業への税金は利益に応じて増減します。

 

カンボジアの税率を20%、日本の税率を40%とした場合を考えてみます。

ケース①

S社の利益は20、P社の利益は130なので、S社がカンボジアで支払う税金が4 (20×20%)、P社が日本で支払う税金が52 (130×40%)となります。

ケース②

S社の利益は130、P社の利益は20なので、S社がカンボジアで支払う税金が26(130×20%)、P社が日本で支払う税金が8(20×40%)となります。

 

グループ合計の利益は150で変わらないので、支払う税金が減れば、手元に残るお金が増えることになります。

では、移転価格を自由に設定しても良いのでしょうか?

 

仮にS社が移転価格を120と設定して取引しており、グループとは関係のない第三者であるA社に対しては同じ自動車を170で販売していた場合、カンボジアの税務当局は、S社は移転価格を120にすることにより、50の利益を日本のP社に移転していたとして、P社への販売価格は第三者への販売価格と同じ170とみなし、課税します。

そうなると、S社の実際の利益は70 (移転価格120-コスト50)で、企業が支払うつもりの税金は14(70×20%)であるにもかかわらず、120 (みなし価格170-コスト50)の利益とみなされ24 (120×20%)もの税金を支払わなければならなくなります。

 

問題はこれだけでなく、カンボジアで支払う税金が増加した代わりに日本で支払う税金が減少するわけではありません。これが二重課税になります。

 

まとめると、移転価格税制とはグループ企業ではない第三者との取引価格(独立企業間価格:ALP)と移転価格が異なる場合、独立企業間価格で取引したと見なして課税する制度です。

 

これまでお話ししてきたように、移転価格の設定次第で、企業のグループ内での利益配分が変わり、それぞれの所在国での納税額が変わります。一方の国で利益が増えれば、他方の国での利益は減ります。移転価格税制とは、国家間の税金の取り合いということになります。

 

次回以降、カンボジアにおける移転価格税制の状況を見ていきたいと思います。

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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輸入品にかかる流通税(Specific Tax)及びVATの決定要領の変更

2018年03月20日 10時21分33秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「輸入品にかかる流通税(Specific Tax)及びVATの決定要領の変更」についてお話しします。

自由貿易協定(FTA)下でカンボジアへの輸入品にかかる輸入関税の減税の恩恵を受けていた輸入業者において、流通税(Specific Tax)、VATの計算方法が、通達11825(2017年12月18日公布、2018年1月1日施行)により変更されました。

この通達以前は、流通税はCIFを含む輸入品の価格に、VATを除いた輸入関税額を加算して計算されていました。したがって、輸入業者がFTA下で軽減輸入関税率の適用を受けていた場合、流通税の計算に大きな影響を与える可能性がありました。

しかし通達11825により、軽減輸入関税率を受けていた輸入業者は、流通税・VATの計算時に標準輸入関税率を適用しなければなりません。結果、この通達以前より高い流通税が課せられることになりました。

また、流通税の対象となる輸入品にかかるVATの計算にも影響が及びます。輸入品にかかるVATは、CIFに輸入関税及び流通税を加算された額を基に計算されるからです。

例えば、タバコの輸入を考えてみます。ここでは仮にタバコのCIF価格は$100ドル、標準輸入関税率を50%、流通税率20%とし、減税輸入関税率を0%とします。

流通税は、

通達適用前

(CIF価格+減税輸入関税(0%))×流通税率=流通税

(100+0)×20%=20ドル

通達適用後

(CIF価格+標準輸入関税(50%))×流通税率=流通税

(100+50)×20%=30ドル

 

VATは、

通達適用前

(CIF価格+減税輸入関税(0%)+流通税)×VAT率(10%)=VAT

(100+0+20)×10%=12ドル

通達適用後

(CIF価格+減税輸入関税(0%)+流通税)×VAT率(10%)=VAT

(100+50+30)×10%=18ドル

となります。

この税負担は、輸入業者の直接コストになり、利益率の減少又は消費者の負担増となってきます。

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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縫製業の前払法人税免除期間の延期

2018年02月20日 10時07分57秒 | カンボジアの税務

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「縫製業の前払法人税免除期間の延期」についてお話しします。

経済財政相は2017年10月27日、縫製業界の持続的な発展及び縫製業界より恩恵を受ける市民保護のため、大臣令 No.1130を発令しました。詳細は以下の通りです。

 

縫製業の前払法人税免除期間の延期

(大臣令 No.1130, 2017/10/27, 経済財政省)

経済財政省は適格投資プロジェクト(QIP)として認められている繊維・縫製業界の企業に対する1%の前払法人税の2022年末までの免除延期に関する大臣令を発令しました。この大臣令では、輸出用の衣類、繊維製品、靴、鞄及び帽子を製造する企業を、繊維・縫製業界の企業と定めています。

この延期を受けるためには、以下の項目が必要とされています。

・税法及び会計法の規定に従った適切な会計記録

・期日までの申告、納税

・税務当局への年次監査報告書の提出

 

今週は以上になります。

 

西山 翔太郎

 


 

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「ビジョナリー会計コンサルティング⑥-税額を安くしたいという心理」

2017年08月15日 09時51分32秒 | カンボジアの税務

皆様、こんにちは。カンボジアオフィスの公認会計士の熊谷恵佑です。今日は、税金を安くしようとする心理は本当に正しいことなのか、という点についてご説明させていただきます。

会社は税金を安くしようと税理士を雇い、節税のコンサルティングを受けることがあります。確かに節税を行うならば、会社に現金が多く残ることになり、経営上、有利に進めることができるでしょう。

しかし、そればかりを考えてしまうならば、小さな経営を行うことになってしまいます。

大事なことは市場に多くの付加価値を与え、対価としてたくさんの売上を得て、利益を得ることではないでしょうか。そこに着目することが大事です。利益をたくさん得るのであれば、結果的に税金がたくさんとられたとしても、まだ十分の利益を手元に残すことができます。大事な事柄はたくさんの利益を確保することであり、節税することではありません。この重要性の違いをしっかり認識して業務に取り組むことは大事なことかと思います。

 

今週は以上です。

上記の点でご質問ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   

 


 

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