東京コンサルティンググループ・ブラジルブログ

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ブラジルへの進出をコンサルティングしている駐在員が、ブラジルの旬な情報をお届けします。

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e-Socialについて④

2016年09月29日 | ブラジルの労務

こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週は前回に引き続きe-Social(ブラジル労務)について記載いたします。

 

ブラジル労働局Ministério do Trabalho e Emprego管轄のe-social発行のガイダンスManual do Empregador Doméstico – Versão 1.6.1則して、e-Socialに関する情報を提供していきます。e-Social Websitehttp://www.esocial.gov.br/conheca.aspx

 

3 – CADASTRAR/ADMITIR EMPREGADO(従業員登録)について

ブラジル企業は、全ての従業員を雇用時においてe-Socialへ登録する義務があります。ちなみに、過去に採用し、現在勤務している現従業員(e-Social適用前に採用した従業員)についても、漏れなく登録している必要があります。Trabalhador→Gestão de Trabalhadores → Cadastro/Admissão do Trabalhadorと進み、Cadastrar/Admitirの機能において、従業員の登録を行う事が可能です。

 

留意点として、従来の労働手帳と企業従業員名簿への記入と同様に、雇用登録は、原則、採用した従業員が就業を開始する日(雇用開始日)までにe-Socialにて完了する必要があります。

従業員登録にe-Socialに入力が必要となる採用した個人の個人情報は、以下の通りです。

n  CPF(個人納税者)番号:Número do CPF;

n  生年月日:Data de nascimento;

n  親族(両親)情報:Pais de nascimento;

n  NIT(労働者登録)番号:Número do NIS (NIT/PIS/PASEP/SUS);

n  民族:Raça;

n  学歴:Escolaridade.

n  CTPS登録州コード:Número, série e UF (Estado) da CTPS

n  電話番号:Número do Telefone (preferencialmente celular)

n  E-mailアドレス:E-mail de contato

n  住所(CEP・住居番号):Endereço de Residência

n  扶養家族情報(氏名・CPF・生年月日):Dependentes

n  契約日:Dados do Contrato

n  契約内容、職位:Tipo de contrato (determinado ou indeterminado), Cargo;

n  給与情報:Salário, Periodicidade de salário (mensal, semanal, quinzenal etc.)

n  職場住所:Local de Trabalho

n  就業時間:Jornada de Trabalho

 

上記情報の入力において、雇用開始日を設定する必要があり、設定する日付は、従業員の労働手帳(CTPS)に記入される雇用開始日と同じとなります。年齢、性別、住所登録地(所在州・市)などの情報については、通常はCPFおよびNITに紐づいており、該当フィールドに自動入力されるシステムとなっています。(以下、サンプル図)

 

給与情報については、雇用契約上のベース給与を登録します。また、給与計算の期間区切り(月次、週次、隔週など)を登録する必要がありますが、当該区切りは、ブラジル労働法規定における月2回の給与支払いは該当しない点に留意が必要です。

就業時間については、以下の3通りが予めシステムに設定されています。

(※Jornada 12 X 36、その他のJornadaについては、別回ブログ「ESCALA DE REVEZAMENTOについて」をご参照ください)

 

通常の定時勤務(例えば、月-金、9時-18時、休憩1時間など)については、Jornada Semana (segunda a domingo) com apenas um horário padrão por dia da semana e folga fixaを選択し、「Opção Simplificada」のタブにてそれぞれの曜日毎に設定が可能ですが、ブラジル統一労働法の規定により、週間の就業時間は44時間以内である必要があります。

これらの登録情報において、如何なる変更やイレギュラーな事象があった場合においても、適時にe-Socialへの反映が必要となります。情報の入力漏れがあった場合等においては、情報の修正と効力発生日(Effective date)を入力することによって、遡及適用することになります。また、誤って入力してしまった従業員については、e-Social「Gestão de Trabalhadores」機能の「Excluir」において削除することができますが、退職の際の除名とは区別しておくことに留意が必要です。

 

次回は、4 – FOLHA/RECEBIMENTOS E PAGAMENTOS(給与情報登録)について記載致します。

 

 

 

 

以上

 

 

 

Tokyo Consulting Firm Limitada

Av. Paulista, 2444 - 18° andar – 01310-300 – São Paulo – SP - BRASIL

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金内 陽

TEL +55-11-3218-7790 (KSI Brasil内線番号:213)

Mobile +(55)-(11)-9-4867-1316

 


 


e-Socialについて③

2016年09月23日 | ブラジルの労務

こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週は前回に引き続きe-Social(ブラジル労務)について記載いたします。

 

ブラジル労働局(Ministério do Trabalho e Emprego)管轄のe-social発行のガイダンス(Manual do Empregador Doméstico – Versão 1.6.1)に則して、e-Socialに関する情報を提供していきます。(e-Social Website:http://www.esocial.gov.br/conheca.aspx

 

2 CADASTRAR EMPREGADOR(企業登録)について

まず、e-Socialにアクセスすることによって、アクセスコードに関する情報(アクセス者の氏名やCPF等)が要求され、また、企業情報として、電話番号と告知などの連絡先となるe-mailアドレスの入力が要求されます。これによって、e-Socialにおけるアカウントの作成が完了します。また、追加情報のオプションとして、企業が使用する(e-Social以外の)外部ソフトウェアの使用の有無などを登録することができます。

登録した企業情報の変更に関しても同ページで対応が可能となっており、適時アップデートが要求されています。

 

先のブログでの記述の通り、e-Socialはブラジル政府管轄のSPEDシステムの一部であり、あらゆる事業活動を管理する目的で設計された統合システムです。そのため、e-Socialのアカウントの情報は、国税庁(Receita Federal)と統合され、また、FGTSを管理する政府系銀行のCAIXAや、INSSを管理する社会保険庁(Previdência Social)の情報とも統合されます。つまり、この情報の統合によって、所得税、FGTS、INSS等の情報が全て整合されることになります。

 e-Socialの目的は、上述にある情報の統合管理だけではなく、企業による労務コンプライアンス順守の監視と、人件費(費用)の精緻な管理による正確な利益および法人所得税の算出が考えられます。昨今、主に製造業に導入が義務付けられているSPED Fiscal Block Kと同様に、企業の事業活動における費用(原価)をシステム上で国税庁が正確に把握することで、既にSPED Nota Fiscalで把握している売上を基に利益を算出し、大まかな利益及びそれに課される法人所得税等の算出が可能となります。しかし、これらの理論は、SPEDに情報が入力されることを前提としており、本気で脱税を考える企業に対してどれ程有効に機能するかは疑問が残ります。また、意図した脱税ではなく、企業の成熟度が低いことから結果として税務コンプライアンス違反を犯してしまう小規模企業にとっては、高度なオペレーションに対応できず、更に違反の可能性が高くなることが予想されます。e-Socialへの順応というテーマにおいて経営者の関心が高まっていますが、SPED全体への順応というより広いテーマに取り組んでいく必要がありそうです。

 

次回は、3 – CADASTRAR/ADMITIR EMPREGADO(従業員登録)について記載致します。

 

 

 

 

 

以上

 

 

 

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e-Socialについて②

2016年09月15日 | ブラジルの法務

こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週は前回に引き続きe-Social(ブラジル労務)について記載いたします。

 

ブラジル労働局(Ministério do Trabalho e Emprego)管轄のe-social発行のガイダンス(Manual do Empregador Doméstico – Versão 1.6.1)に則して、e-Socialに関する情報を提供していきます。(e-Social Website:http://www.esocial.gov.br/conheca.aspx

 

1 – ACESSO(アクセスについて)

e-Socialへのアクセスは、政府管轄のWebsite(http://www.esocial.gov.br)より行うことができます。アクセスの際には、アクセスコードの入力か、後述するCertificado Digital(デジタル認証機器)が必要となります。

アクセスコードの使用によるアクセスについては、Certificado Digitalを保有していない場合の方法となります。一般的に法人管理上はCertificado Digitalの保有しているため、当該デバイスによるアクセスが通常のオペレーションとなると思われます。

 

アクセス権限については、然るべき担当者への付与へ行う必要があります。企業におけるCertificado Digitalは、(個別の権限のみ他のデバイスに付与しない限り)SPEDへのアクセスが可能となり、政府登録上の企業活動の全ての操作が可能となります。そのため、対応を行う従業員については、職務に必要となる権限のみを使用することを規定し、それ以外の対応は行わない様に、厳重に管理する必要があります。ちなみに、個別の業務を会計事務所等にアウトソースする場合、例えば、Nota Fiscalの発行のみ自社で行い、その他のSPEDを使用するコンプライアンス対応(会計・税務等)については会計事務所にアウトソースする場合は、Certificado Digitalの各アクセス権限を、他のCertificado Digitalへ付与することが可能であり、物理的に企業の1つのCertificado Digitalを移動させることなく、遠隔でアクセスすることが可能となっています。

 

次回は、2 – CADASTRAR EMPREGADOR(企業登録)について記載致します。

 

 

 

 

以上

 

 

 

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e-Socialについて①

2016年09月08日 | ブラジルの労務

こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週はブラジル労務について記載いたします。

 

現在ブラジルでは、政府主導による法人管理のシステム化が進められており、Nota Fiscal等を含む、SPED(Sistema Público de Escrituração Digital)の構築と運用が実施されています。この「システム化」は、単に企業がERP等の管理ソフトを活用する様に推奨しているというものではなく、あらゆる企業活動を政府が適時に管理すべく、政府管轄によるシステム(SPED)を通して実行させるという、極めて大規模な取り組みです。例えば、金銭取引以外の事業取引(移動や無償支給)等を含む、取引の記録であるNota Fiscalや、税務コンプライアンスを管理するSPED Fiscal(総称)、会計全般を管理するSPED Contábil(総称)などが実際に運用されています。

今回は、最新のSPED追加システムであるe-Socialについて、解説致します。

e-Social は、Decreto nº 8.373/2014によって正式に採択されたSPEDシステムであり、税務記帳・社会保障・労務義務に関するデジタルシステム(Sistema de escrituração digital das obrigações fiscais, previdenciárias e trabalhistas)という正式名称があります。

 

DECRETO Nº 8.373, DE 11 DE DEZEMBRO DE 2014

Art. 2º O eSocial é o instrumento de unificação da prestação das informações referentes à escrituração das obrigações fiscais, previdenciárias e trabalhistas e tem por finalidade padronizar sua transmissão, validação, armazenamento e distribuição, constituindo ambiente nacional composto por:

I - escrituração digital, contendo informações fiscais, previdenciárias e trabalhistas;

II - aplicação para preenchimento, geração, transmissão, recepção, validação e distribuição da escrituração; e

III - repositório nacional, contendo o armazenamento da escrituração.

e-Socialは、情報の伝送、確認、保管および配信、以下の機能で構成される統一システムである。

I – 税務、社会保障、雇用情報に関する情報のデジタル記帳

II – 記入、構成、伝送、受領、確認、配信と記帳の処理

III – 記録の貯蔵(リポジトリ)

 

e-Socialの主な構成は以下の通りです。

【全般フローチャート】

※Manual de Orientação do eSocial para o Empregador Doméstico(Versão 1.6.1)参照

 

企業は、それぞれe-Socialのシステムが要求する情報を適時登録し、それによって正確な雇用状況と労働状況をシステム上で把握することが可能です。今後のブログにおいて、e-Socialが要求する主な登録情報について解説致します。

 

私個人の意見としては、現在ブラジル政府が進めているSPEDによるシステム化は、企業に対して過度に負担の大きい取り組みであると考えます。もともとのシステム化促進の背景は脱税の防止であり、政府による管理・統制機能及びその能力の欠如を補完するために構築されたシステムです。確かに、SPED全般における目的や構成は合理的であり、理論上は有効に機能するでしょう。しかし、そもそも能力の欠如を埋めるシステムであるにも関わらず、該当法規や関連した規定への理解が困難であるため、正しい解釈とオペレーションを行うスタッフが不在となり、正しいシステムの運用が困難となり、結果、誤ったオペレーションを行うことに対する罰則規定(罰金)が適用されるという事態に陥ります。

企業にERP等の大規模な管理システムが導入されている企業にとっては、モジュールのアップデートによってe-Socialに比較的容易に順守することも可能であると考えられますが、そのようなシステムを有さない比較的小規模な企業にとっては、常にコンプライアンス違反を行うリスクを負いながらのオペレーションとなります。

これらのリスクを回避するためにも、e-Socialの対応事項整理やマニュアル作成を計画する際は、該当法規の確認と専門家の意見をもとに対応されることをお勧め致します。ご不明点・ご質問等が御座いましたら、是非弊社までご連絡下さい。

 

 

 

以上

 

 

 

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従業員の労働者登録について

2016年09月01日 | ブラジルの労務

こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。

今週はブラジル労務について記載いたします。

 

ブラジル企業における従業員の採用は、採用リスク(ミスマッチや必要要件の欠如)や、労務リスク(採用後に発生するあらゆるコスト)が高く、小規模や従業員の少ない企業にとっては、重要な経営判断であり、大きな課題といえます。検討の結果、正規従業員としての雇用を決定した場合、ブラジル統一労働法(以下CLT)に基づき、然るべきプロセスに準拠して企業への従業員が必要となります。従業員の定義は、同法3条の規定の通りです。

 

Consolidação das Leis do Trabalho (CLT)

Art. 3º - Considera-se empregado toda pessoa física que prestar serviços de natureza não eventual a empregador, sob a dependência deste e mediante salário.

Parágrafo único - Não haverá distinções relativas à espécie de emprego e à condição de trabalhador, nem entre o trabalho intelectual, técnico e manual.

賃金を対価とした恒久的な性質の労働を雇用主に提供する全ての自然人は、従業員とみなされる。

単項:知的労働、技術労働という点において、雇用形態や雇用条件に差を設けてはならない。

 

正規雇用従業員を採用するブラジル企業は、CLT41条に基づきRegistro de Empregadoという労働者帳簿、もしくは労働局管轄の電子システムに採用した従業員を明記し、登録する必要があります。

 

Consolidação das Leis do Trabalho (CLT)

Art. 41 - Em todas as atividades será obrigatório para o empregador o registro dos respectivos trabalhadores, podendo ser adotados livros, fichas ou sistema eletrônico, conforme instruções a serem expedidas pelo Ministério do Trabalho.

Parágrafo único - Além da qualificação civil ou profissional de cada trabalhador, deverão ser anotados todos os dados relativos à sua admissão no emprego, duração e efetividade do trabalho, a férias, acidentes e demais circunstâncias que interessem à proteção do trabalhador.

 

※ちなみに、当該CLT41条は、労働局(MTE:Ministério do Trabalho e Emprego)規定及びDECRETO Nº 8.373, DE 11 DE DEZEMBRO DE 2014に基づき、e-Socialへの登録が必要となります。

(※e-Socialに関する情報は、別回ブログ「e-Socialについて」をご参照ください。)

 

また、労働者が保有する労働手帳(Carteira de Trabalho)においても、CLT29条規定の項目を明記する義務があります。

 

Consolidação das Leis do Trabalho (CLT)

Art. 29 - A Carteira de Trabalho e Previdência Social será obrigatoriamente apresentada, contra recibo, pelo trabalhador ao empregador que o admitir, o qual terá o prazo de quarenta e oito horas para nela anotar, especificamente, a data de admissão, a remuneração e as condições especiais, se houver, sendo facultada a adoção de sistema manual, mecânico ou eletrônico, conforme instruções a serem expedidas pelo Ministério do Trabalho.

労働手帳(社会保障含む)は、労働者が企業に提出し、企業は受領した手帳に48時間以内に、雇用した日付、給与、個別の採用条件を記載する義務がある。手書き、機械式での記載については労働局の規定に従うが、採用の可否には関係しない。

 

また、同条1項において、支給給与および便益については、支給方法に限らず、金額を特定することを義務づけているため、恒久的な支給となる手当て等の便益についても、可能な限り特定する必要があります。

 

従業員の採用時において留意すべき点は、上記採用時における登録事項について、労働者に不利となる変更が原則できないという点です。つまり、一度採用した従業員については、上述の通りに明記した条件を下げることが不可であるため、企業の財政状態が悪化した状況下においては、柔軟な対応ができず、企業都合により解雇とするという選択肢が待っています。また、採用後に当初想定していたパフォーマンスをあげられない従業員に対しても同様のことが考えられ、仮に解雇しない場合、毎年訪れる法定昇給によって、当該従業員ですら昇給させる必要がでてきます。従業員を雇用する際は、将来的なリスクを考慮し、事業計画に沿った採用計画と、アウトソースなどのオプションを考慮した決断をお勧め致します。

採用計画や従業員の給与設計を計画する際は、該当法規の確認と専門家の意見をもとに対応されることをお勧め致します。ご不明点・ご質問等が御座いましたら、是非弊社までご連絡下さい。

 

 

 

以上

 

 

 

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