バングラデシュブログ/東京コンサルティンググループ

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TCFのバングラデシュ駐在員より、現地から生の情報、声をお伝えします。

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バングラデシュにおける自主退職と雇用主側の契約解除の事前通知期間

2018年08月08日 | バングラデシュの労務

バングラデシュでは、労働者側からの退職通知(Termination)と雇用主側からの解契約解除通知(Termination by an employer otherwise than by dismissal)期間が定められています。

 

①  労働者側からの退職通知(Termination)

②  雇用主側からの解雇通知(Termination by an employer otherwise than by dismissal)

について紹介します。

 

①  労働者側からの退職通知(Termination)

正社員が退職する際には、書面にて60日前までに雇用主に退職の旨を伝える必要があります。(労働法第27条)

契約社員も書面にて退職の旨を伝える必要性については同様ですが、契約社員が月額給与支払の場合は退職日の30日前までに、契約社員がそれ以外の雇用形態の場合には退職日の14日前までとなっています。(図1参照)

 

<図1>

雇用形態

退職日までの通知期間

正社員

60日前まで

契約社員(月額給与支払)

30日前まで

契約社員(月額給与支払以外)

14日前まで

 

バングラデシュの労働法上、労働者が雇用主へ知らせることなく辞職することも可能です。労働者が、本来定められた期間<図1>にあたる給料を雇用主に支払えば辞職が可能となっています。

 

 

②  雇用主側からの解雇通知(Termination by an employer otherwise than by dismissal)

雇用主が雇用主側の都合で月額給与支払の正社員を解雇する際には、書面にて120日前までに解雇の旨を伝える必要があります。(労働法第26条)

月額給与支払以外の正社員も書面にて解雇の旨を伝える必要性については同様ですが、解雇日の60日前までの通知が必要となっています。(図2参照)

月額給与支払の契約社員については、解雇日の30日前まで、それ以外の契約社員の場合は14日目までです。政府プロジェクト等で一時的な雇用契約を結ぶ社員について、月額給与支払の契約社員に分類されます。

 

<図2>

雇用形態

退職日までの通知期間

正社員(月額給与支払)

120日前まで

正社員(月額給与支払以外)

60日前まで

契約社員(月額給与支払)

30日前まで

契約社員(月額給与支払以外)

14日前まで

 

バングラデシュの労働法上、雇用主が通知期間中に労働者を解雇することも可能です。

雇用主が、本来定められた期間<図2>にあたる給料を労働者に支払えば即日解雇が可能となっています。

 

上記のように、労働者側からと雇用主側からの通知期間が異なるため、社員の退職時には、注意が必要です。

また、上記どちらの場合でも社員が退職する際には退職金を支払う必要があります。

退職金の計算方法は下記の通りです。

【勤続年数6カ月以上10年未満】

退職金=30日分の基本給×勤続年数

【勤続年数10年以上】

退職金=45日分の基本給×勤続年数

 

バングラデシュでは、就業規則や雇用契約書等で自主退職もしくは解雇通知期間の日数を記載しないケースが少なくありませんが、これらを整備することで退職時に社員との間で起こりうるトラブルを軽減することにも繋がります。

以上

 

Tokyo Consulting Firm Limited

 

齋藤かおり

 

Tel: +880-1777-961437

 

E-mail saito.kaori@tokyoconsultinggroup.com

 


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Provident Fund(積立基金)の会計上の処理について

2018年08月08日 | バングラデシュの会計

 バングラデシュにおいてはProvident Fundと呼ばれる積立基金が存在します。福利厚生の一環で導入することもできますが、従業員の3/4以上の要求があれば、会社はProvident Fundを導入しなければなりません。

 Provident Fundを運営する際は、会社とは別の口座を開設し、従業員と会社とで同額を毎月拠出していきます。この拠出額は労働法上、毎月基本給の7~8%と定められていますが、実務上は一年間で1ヵ月分の基本給(8.3%=100÷12ヵ月)と設定されているケースが多くなっています。

 

 会計上、このProvident Fund運営口座は、会社の口座とは切り離されて管理されるため、この口座で積立ている金額について、会社の決算書に出てくることはありません。従業員給与からの拠出額は会計上“給与支払(Salary)”、会社負担分は積立基金費用(Provident Fund Expense)として処理されることになります。

また、このProvident Fund運営口座は、会社の年次法定監査とは別に、独立して監査を受ける必要もあります。現状、会社決算書にProvident Fund Expenseの記載があった場合でも、Provident Fund運営口座監査書類を提出するよう指摘されるケースは稀ですが、近年の従業員給与に焦点が集まる傾向の中で、今後指摘の対象となってきそうです。

 

(以上)

 

 

Tokyo Consulting Firm Limited

渡邊 忠興

Tel: +88-017-99842931

E-mail watanabe.tadaoki@tokyoconsultinggroup.com

 


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税務コンプライアンスの傾向(2018-2019年度)

2018年08月01日 | バングラデシュの投資環境・経済

バングラデシュの事業年度は7月~翌年6月末となっており、毎年6月初旬に予算案が発表され、6月下旬に新年度予算が確定します。

2018-2019年度バングラデシュ予算案も2018年6月7日に発表されました。GDP成長率7.8%を目指しています。

2018-2019年度予算規模は約4兆6,457億BDTとしています。これは、2017-2018年予算(約3兆7,149億BDT)の25%増という事になります。これに対して、2018-2019年度税収は3兆3,928億BDTで設定されており、これは2017-2018年税収予測(2兆5,945億)の30%増という計算となります。

 

これに伴い、税収の取締りも強化されていきそうです。具体的には、国際取引にかかる税務、税務申告不備・遅延・不履行に関する取締りの強化、及び従業員所得税に関するコンプライアンスについて焦点が当てられていきそうです。

 

【国際取引にかかる税務】

ビジネスのグローバル化に伴い、税制もグローバル水準にしていくと予算案発表の際に言及されていました。バングラデシュでは、移転価格税制が2015-2016年度税務申告時より導入されていますが、現状、国際関連会社間取引を行っている企業でも、移転価格申告を行っていない企業が多く存在します。今後は国際取引に対して、バングラデシュにおいて適正価格で取引・申告されているかの取締りが強化されていく風潮になっていきそうです。

 

【税務申告不備・遅延・不履行】

現在の税法でも、遅延や書類不備に関する罰則規定は設けられていましたが、それに対して実際にペナルティを計算し、支払を行うケースは殆どありませんでした(納税不備による指摘、納付要請はありますが、それに対し遅延料金を支払うケースは殆どありませんでした)が今後取締りが強化され、税務署より細かく指摘が入るケースが出てきそうです。

 

【従業員個人所得税に関するコンプライアンス】

2017-2018年度より、税務署より個人所得税について指摘されるケースが多く発生していました。また、税務署からの大きな指導内容として、個人所得税の納付時に、会社の納税コードで納付するよう変更があり、会社が適切に従業員給与から個人所得税を源泉しているかどうかを把握できるようになってきました。2018-2019年度予算案でも、明確に従業員個人所得税に係るコンプライアンスについて強化していく旨発表されていますので、コンプライアンスを再確認し、月毎に適切に運用していく必要があります。

 

 

 

(以上)

 

Tokyo Consulting Firm Limited

渡邊 忠興 (わたなべ ただおき)

Tel: +88-017-99842931

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バングラデシュで青年(Adolescent)を雇用する際の留意点について

2018年08月01日 | バングラデシュの労務

バングラデシュでは、労働法上、満14歳~18歳未満の青年の労働が認められています。

14歳~18歳未満の労働者は、労働法上、「青年(Adolescent)」として扱われ、成人労働者(満18歳以上の労働者を指す)よりも保護されるべき対象として、別途規定が設けられています。

18歳未満の人口の多いバングラデシュでは、特に工場や農村部において、青年が貴重な労働力となっています。しかし、一般的に青年(Adolescent)の労働規定に関しての認知度が低いために、労働法に遵守した形で雇用管理がなされていないケースも少なくありません。

今回は、①労働時間、②有給休暇(Annual Leave)の2点について紹介します。

 

①  労働時間

 

・成人労働者の場合、1日8時間、週48時間の労働が認められているのに対し、工場勤務の青年の場合は1日5時間、週30時間に制限されています。(労働法第41条1項)

残業については、労働法で定められている週の総労働時間36時間を超えない範囲内で可能ですが、予め残業開始の2時間前までに従業員からの同意を得る必要があります。

 

・19:00~翌7:00の時間帯の労働は労働法上認められていません。(労働法第41条3項)

 

・青年の副業は認められていません。(労働法第41条8項)

 

②  有給休暇(Annual Leave)

 

・入社時に、すべての労働者に与えられる臨時休暇(Casual Leave)と傷病休暇(Sick Leave)とは別に、勤続1年以上の青年労働者には成人労働者と同様に有給休暇(Annual Leave)が与えられます。(勤続1年未満で与えても問題ありません。) 

成人労働者は、18日に1日与えられるのに対して工場勤務の青年は、15日に1日と定められています。(労働法第117条2項)

(例)週6日勤務の青年の場合の有給休暇は、年間約21日となります。

 

・有給休暇(Annual Leave)は、翌年に繰り越しすることが可能です。工場勤務の青年労働者の場合、年間60日までの繰り越しが認められており、成人労働者のそれよりも20日多くなっています。(労働法第117条5項)

 

バングラデシュで青年労働者を雇用する場合は、雇用契約書や就業規則に青年の場合の労働時間や有給休暇について記載しておくことをおすすめします。労務管理を正しく整備することで、社員満足やコンプライアンスにも繋がります。上記の違反が発見された場合は、ペナルティが課せられる可能性があります。(労働法第284条)

 

 

以上

 

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齋藤かおり

 

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バングラデシュ有給休暇について(Casual Leave, Sick Leave, Annual Leave)

2018年07月25日 | バングラデシュの労務

バングラデシュの有給休暇には、いくつか種類がありますが、中でも一般的な①臨時休暇(Casual Leave)②傷病休暇(Sick Leave)③有給休暇(Annual Leave)の3つについてご紹介します。

有給休暇の種類によって、バングラデシュ労働法上、取得資格や取得可能日数が定められています。

 

 

 

対象者

日数

繰越の可否

①  臨時休暇

(Casual Leave)

労働法第115条

全ての労働者

10日

×

②  傷病休暇

(Sick Leave)

労働法第116条

全ての労働者

14日

×

③  有給休暇

(Annual Leave)

労働法第117条

勤続1年以上の労働者

労働日数18日に1日

 

 

 

【有給休暇(Annual Leave)の対象者】

有給休暇(Annual Leave)の対象者については、勤続1年以上の労働者とされていますが、勤続1年未満の労働者に有給休暇を付与しても問題はありません。

 

【有給休暇(Annual Leave)の日数】

有給休暇の日数は、「年間労働日数18日あたり1日」とされています。ただし工場の場合は6日(週休1日)、工場以外は5.5日(週休1.5日)営業することが可能であるため、会社の営業日数によって有給休暇の日数計算が異なります。多くの会社は14~16日と設定されています。

 

【有給休暇(Annual Leave)の繰越】

 バングラデシュ労働法では、有給の繰越は、工場の場合は40日まで、工場以外の場合は60日までと定められています。この上限以上の繰越は行えません。 (労働法第117条4.5.6項)

 

 

バングラデシュでは、採用の際の従業員との交渉や、個別に相談されるケースが少なくありません。従業員が気に掛けるポイントを押さえ、また会社のHRポリシーと合わせながら、会社の規則を伝えていくことが重要です。

 

 

以上

 

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齋藤かおり

 

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バングラデシュにおける個人所得税コンプライアンスについて

2018年07月25日 | バングラデシュの税務

 バングラデシュの課税年度は7月から翌年6月末までとなります。個人所得税の課税対象期間も7月から翌年6月末までとなります。個人所得税の確定申告期日は11月末までとなります。

(外国企業、外国支店、駐在員事務所は事業年度を親会社と同じものに合わせることができますが、個人所得税の課税期間は変更ですることはできません。)

 

 

近年、個人所得税に焦点が集まっており、個人所得税について税務署から指摘されるケースが多くあります。特に、個人所得税の納税対象者(源泉対象者)は年間課税所得が250,000BDT(一般男性の場合)を超える者とされていますが、個人所得税の確定申告対象者及びE-TIN(納税者番号)取得対象者が月額基本給16,000BDT以上の者と設定されていることには注意すべきです(月額基本給が16,000BDTの場合は、通常、納税対象者ではありません)。

 

現状、従業員の確定申告は会社の義務ではありませんが、従業員が確定申告を行わなかった場合、当該従業員給与が損金不算入(費用否認)となるため注意が必要です。

 

 

(以上)

 

 

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渡邊 忠興

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バングラデシュの従業員給与構成が個人所得税と人件費に与える影響

2018年07月18日 | バングラデシュの労務

バングラデシュでは、従業員の給与構成によって個人所得税額が変動します。

個人所得税額を考慮した上で、給与構成されているケースは稀です。従業員の給与構成次第で、個人所得税の節税対策だけでなく、企業の人件費を最低限に抑えることも可能です。

 

今回は、下記2点についてご紹介します。

①  バングラデシュで個人所得税を最少額に抑える給与構成

②  給与構成が従業員給与に及ぼす影響

 

 

①    バングラデシュで個人所得税を最少額に抑える給与構成

 

最終的に従業員に支払われるグロス給与の構成要件は企業によって異なりますが、今回はバングラデシュで一般的に用いる構成要件の課税範囲を紹介します。

 

【課税範囲】

1)  基本給(Basic Salary)全て課税対象。通常グロス給与の60%で設定。

2)  家賃手当(House Rent Allowance)基本給の50%もしくは300,000BDT/年のいずれか低い方を超える額。

3)  医療手当(Medical Allowance)基本給の10%もしくは120,000BDT/年のいずれか低い方を超える額。

4)  通勤手当(Conveyance Allowance)年間30,000BDT以上(月額2,500BDT以上)。

 

年間250,000BDT以上の場合が納税対象者となり、個人所得税の源泉及び納付義務が発生致します。ただし、地域によっても異なりますが、最低納税額は年間5,000BDTとなります。

 

【課税範囲を最小限に抑える給与構成】

月額グロス給与=60,000BDTの場合

 

1)  基本給(Basic Salary)=60,000×60%=36,000BDT

2)  家賃手当(House Rent Allowance)=36,000×50%=18,000BDT

3)  医療手当(Medical Allowance)= 36,000×10%=3,600BDT

4)  通勤手当(Conveyance Allowance)=2,400BDT

 

給与構成例一覧

 

 

②    給与構成が従業員給与に及ぼす影響

 

人件費には、毎月従業員に支払う給与やEID休暇前に支払うEIDボーナス(Festival Bonus)の他に『残業手当』や『退職金』等が含まれます。

 

残業手当や退職金の計算は、基本給に基づいて計算されることになっています。(それぞれ労働規則102条、労働法27条)

 

・残業手当の計算方法

 

【1か月分の基本給(Basic Salary)÷208=残業手当(1時間分)】

(労働規則第102条)

 

・退職金の計算方法

10年以下の場合

【退職金=30日分の基本給(Basic Salary)×勤続年数】

10年以上勤続の場合

【退職金=45日分の基本給(Basic Salary)×勤続年数】

 

残業手当や退職金は、毎月固定で発生する人件費ではないので、あまり注目されていないのが現状です。しかし、退職金に至っては従業員の人数分いずれ発生するものであり基本給額の設定額が人件費に影響する可能性があります。

 

 

会社側の立場から見れば、毎月給与として支払う額は同じ金額で、給与構成の変更が節税となるのは、従業員のみです。

しかし、会社側としては、給与構成を変更すると退職金・残業代の負担が軽減されることで人件費を抑えることができます。一度、既存従業員の給与構成の見直しと、新たに雇用をする際には、給与構成を検討することをお勧めします。

 

以上

 

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齋藤かおり

 

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バングラデシュにおける損金不算入に関する規定

2018年07月18日 | バングラデシュの税務

バングラデシュデシュにおいても損金不算入となる(費用否認される)費用が規定されています(所得税法30条)。税務申告時に指摘を受け、課税の対象となるため注意が必要となります。

以下が、損金不算入に該当する例となります。

 

・      ロイヤリティ、技術支援費、技術ノウハウ費で年間売上の10%の超える費用

・      15,000BDTを超える従業員給与もしくはその他手当において、口座振替もしくは小切手での支払いができていないもの

・      インセンティブボーナス支払いで年間売上の10%を超える費用

・      海外旅費交通費で年間売上の1.25%を超える費用

 

 

近年、バングラデシュにて税務に関する指摘が益々強化されていく中で、今後注目していく必要がありそうです。

(以上)

 

 

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渡邊 忠興

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NBR(National Board of Revenue:内国歳入局)について

2018年07月11日 | バングラデシュの税務

バングラデシュにも日本でいうところの税務署が存在します。これはNBR(National Board of Revenue)と呼ばれます。このNBRに多くの役職が存在し、それぞれの分担が割り振られています。
 

日々税務の対応をしていると、「DCT」という言葉が税務署担当員という意味合いで使用されますが、これはDeputy Commissioner of Taxesの略語となります。DCTは税務署の中でも末端の担当員となり、日々多くの企業をモニタリングしています。通常は、税務申告について大半のケースがDCTで対応されることになりますが、最近では税務について特に注視され、DCTの上のAdditional Commissioner of TaxesもしくはJoint Commissioner of Taxesにおいても審査を受けるケースが多くなっています。

 

 近年までは、所得税法(ITO:Income Tax Ordinance)が存在するにもかかわらず、法の基準ではなく、DCT担当官の個人の裁量で曖昧な処理で済まされてしまっているケースが多かったですが、税務署の中でも審査基準が上がったことで、法に則った対応が今後強く要求されていきそうです。

 

(以上)

 

 

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渡邊 忠興

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バングラデシュの様々な場面における給与計算方法

2018年07月11日 | バングラデシュの労務

バングラデシュでは、従業員と給与の金額でトラブルになるケースが少なくありません。

バングラデシュでは、①社員の欠勤時の給与控除②残業手当③月の途中入社、もしくは途中退社の場合の給与計算方法が労働法上、定められています。

それぞれ異なる給与計算方法をご紹介します。

 

 

①  社員が欠勤した際の給与控除の計算方法

社員が欠勤した際は、入社時に与えられる、病気休暇(Sick leave)や臨時休暇(Casual Leave)、もしくは勤続1年以上の社員であれば 有給休暇(Annual Leave)として扱うのが一般的ですが、それらを超えて欠勤する場合は、欠勤日数分の給与を控除することができます。(労働法第126条) グロス給与とは、基本給とその他の手当を含めた、実際に労働者に支払われる金額を指します。

 

1日当たりの欠勤控除額計算方法は、以下の通りです。(労働規則第115条)

1日当たりの欠勤控除額=グロス給与÷30(日)

 

当月日数が、29日もしくは31日の場合でも30(日)で計算します。

欠勤日数分の給与額を超える控除は、労働法上、認められていないので注意が必要です。

 

 

②  残業手当(Overtime Allowance)の計算方法

1日の労働時間は、8時間と定められていますが、労働法では、1日最大2時間の残業(合計10時間の労働)が認められています。労働者に残業させる場合には、予め労働者に残業の許可を取った上で、残業手当(Overtime allowance)を支払うこととなっています。

 

1時間当たりの残業手当の計算方法は、下記の通りです。

 

1か月分の基本給(Basic Salary)÷208(時間)×2=残業手当(1時間分)

(労働規則第102条) 

 

 

③  月の途中入社、もしくは途中退社の場合の計算方法

バングラデシュでは、ジョブホッピングが盛んで社員の入れ替わりが少なくありません。転職の際は、給与期間の途中で入社もしくは退社するケースがあります。

 

1日当たりの給与額の計算方法は、下記のとおりです。(労働規則第114条)

1日当たりの給与額=グロス給与÷当月日数

給与額=1日当たりの給与額×労働日数(休日も含めた日数)

 

バングラデシュでは、入社時に試用期間を設けるのが一般的です。試用期間中の給与が異なる場合は、試用期間中のグロス給与を基に計算することが可能です。

 

 

バングラデシュでは、給与調整は行っているが、給与調整の基準が曖昧なところが多いというのが現状です。労働法に則った労務管理を行うことで、社員満足や会社のコンプライアンスに繋がるので給与管理の整備をすることをお勧めします。

 

以上

 

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齋藤かおり

 

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