流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

自由表面流れ解析によるクロスフロー水車性能流体解析

2019年02月15日 | 流体解析シミュレーション

自由表面流れ解析手法を使ったクロスフロー水車の性能を求める流体解析の事例です。

流量が比較的少なく落差が20~30mぐらいでの標準的なクロスフロー水車羽根廻りを設計して流体解析シミュレーションを行っています。

クロスフロー水車は回転動翼であるランナ羽根が空気中で回転しますので、空気と水の境界面がある自由表面流れ解析手法を使うことで正確な流れシミュレーションを行うことが出来ます。

次の解析計算途中図では、クロスフロー水車の入口から圧力水が流入し始めた段階の解析図であり、水が自由表面膜を持って流れてくる様子が見られます。

このような回転動翼を持つ状態での自由表面流れ解析は、動翼回転スライディングメッシュに水が流入して羽根と同時に回転する計算をすることから多大な解析計算時間を必要とするシミュレーションとなってしまいます。

この解析計算でも羽根に水が入って下方に流れ落ちるまで計算を進めるには1週間ほどの計算時間を必要とします。

このシミュレーションで求める最も重要な解析値は、回転動翼であるクロスフロー水車ランナの回転トルクを求めることであり、さらに回転数と解析値トルクをかけることでランナ軸動力を計算して、水の流量と落差から水車効率を求めることが出来ます。

クロスフロー水車の設計点効率は80%を超えることが半衝動タービンとしてなかなかに難しいことから、このような性能流体解析を行うことでクロスフロー水車の高効率設計を確立しようとしています。

<今日の流れ>

今日は一日、基本的な設計計算を行って開始となるプロジェクトを進めます。