2012年2月8日、シングル作品「櫻」Aタイプとhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16554.html
「櫻」Bタイプhttps://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCA-16555.html
がリリースされました。
Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=MEOVpFXY-iY
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/125353/
なかにし礼先生、平尾昌晃先生という巨匠お二方による、命の喪失と再生をテーマにした壮大なバラードです。
長良会長は2006年に奥様を亡くされ、その鎮魂の歌をとなかにし先生に依頼されていたと伺いました。
奥様はご結婚前「藤木の実」という芸名で映画女優をされていましたが、長良会長が水原弘さんのマネージメントを引き受けて事務所を興してからはスナックを経営してご家庭を守ったと伺いました。水原さんが亡くなった後も会長は多額の債務を肩代わりされていましたから、奥様にご苦労をかけたというお気持ちが会長にはあったのでしょう
優しい方で、Kiinaも「東京のお母さん」と慕っていたそうですね。
個人的にはそういった動機であっても、この曲は大切な人を亡くしたすべての人の寄り添おうとする作品です。
なかにし先生も平尾先生も「東日本大震災で亡くなられた方への追悼の作品。大切な家族や恋人の命を亡くした方々にこの歌を伝えたい」とおっしゃっていたそうですし、Kiinaは「頑張れ!と言わない応援の仕方もある。愛する人を永遠に忘れないという主人公のひたむきな愛が勇気や希望をくれると思う」とお話ししています。
Kiinaの歌声にその想いが込められているのが、しっかりと伝わってきます。
MVは月の下の満開の桜と薄い桜色のスーツで歌うKiina。そして一筋の涙。桜の花があれば、余計な演出は何も要らないのでしょう。
「櫻」発売の前日には、東京ドームのラクーアガーデンステージ(野外)でリリースイベントが開催されましたね。
私はその日どうしても仕事が休めなくて駆けつけられなかったのが、悔しくて悔しくて仕方なかった記憶が。
確か当日は雨が降ってきて、イベント主催者から全員に雨ガッパが配られたのではなかったでしょうか?
「櫻」はその後も写真や絵のコンクールなど様々な企画がありましたね。
個人的にも桜にちなんだグッズを集めるのがマイブームでした。陶芸家の友人に頼んで、桜のぐい呑みとお湯呑みを作って貰い、今でも愛用しています。
年末の話になりますが、この年の日本作詩大賞でなかにし先生は「櫻」で見事に大賞を受賞されました。先生にとっては「風の盆恋唄」以来2度めの大賞になりますが、レコード大賞を始めこれまで数々の輝かしい受賞歴をお持ちの先生が、この日の受賞をKiinaと一緒にとても喜んでいらしたのがテレビ画面からも伝わってきました。
Kiinaが年に2曲新曲を出した時は、その年の後半の勝負曲を紅白歌合戦で披露するのが通例になっていましたが(2008年は「きよしのズンドコ節」で大トリ)、この年は黒のスパンコールビッシリのタキシードで「櫻」を歌い上げました。
「櫻」は、Kiinaの歌手歴の中でも特別な存在になったと思います。
余談ですが、はっきりと「死」をテーマにしていたからでしょうか、あるKiinaのファンサイトでこの曲が「嫌い」と明言した書きこみを目にしました。
私はこの歌がとても好きだったので、何だか大切な絵にシミをつけられたような気持ちになりました。その一点のシミはどんなに時間が経っても消し去れません。
そのことがあってから、自分はKiinaの作品に対して否定的な言葉は決して使わないでいようと決めました。