いきけんこう!

生き健康、意気兼行、粋健康、意気軒昂
などを当て字にしたいボケ封じ観音様と
元気印シニアとの対話。

ヒツジグサに寄り添い、雨の慕情に入れ込むウシガエル

2008-06-12 23:38:17 | 散策
川村記念美術館敷地内にある睡蓮池で、2輪の花を咲かせていた紅色ヒツジグサは、何処かへ姿を消してしまった。

馴染みになった花屋の女将さんの話では、他の場所へ移植したか、白色ヒツジグサの中で2輪だけ咲く紅色ヒツジグサは駆除されたようです。

クマガイソウが咲き始め、満開になるのを楽しみに待っていると、いつの間にか採取されたことがあったようですから、心無い入園者に採取された可能性もありそうです。浅い睡蓮池に鉢植してあるヒツジグサは、その気になれば、簡単に鉢から採取できるように思います。

研究所構内は自由に出入り出来ませんが、白鳥池やアート広場周辺の散策、大賀ハス池と睡蓮池周辺、自然林の散策路は研究所構外として無料開放されています。
クマガイソウを採取した無作法者は、それを逆手に取って、クマガイソウが咲く場所へ何回も訪れ盗み出す時期を窺い、花屋の女将さんの楽しみを奪っています。これでは、研究所が「敷地内につき立入り禁止」に方針転換する手助けをしているだけです。

アート広場は、週末になると家族連れで賑わい、四街道市や千葉市に在住する人達の憩いの場で人気スポットのひとつになっています。駐車している車のナンバープレートからは遠方から訪れる人の多いことが推察されます。

研究所敷地に生息している植物は、千葉県条例で採取禁止になっています。敷地内には注意を促す立札が立っていますので、研究所で植栽した草花、樹林であっても無許可採取は犯罪行為に当たるのではないでしょうか。

クマガイソウを無断で採取する盗人行為は、即刻中止されんことを提唱します。

さて、睡蓮池に植栽されている白色ヒツジグサの葉に乗っかって休憩しているウシガエル(牛蛙)が撮れました。小雨降る6月7日の晴れ間に鳴声を聞き、10数分間の我慢比べをした成果です。
大賀ハス池奥の小さな池で鳴いていたあの蛙、牛の鳴声に似ているので牛蛙と呼ばれています。
  
食用としてアメリカのルイジアナ州ニューオリンズから十数匹持込まれ、皮を剥いた後ろ足はフランス料理や中華料理の食材に使われ、食用ガエルの別名で呼ばれることもあります。

♪♪
    一人で覚えた手料理を
    なぜか味見がさせたくて
    すきまだらけのテーブルを
    皿でうずめている私
    きらい 逢いたい きらい 逢いたい

貪欲で大型、かつ、環境の変化に強いため、大正7(1918)年に導入さてからは日本各地に定着してしまい、日本の在来種を捕食し尽くすことが懸念されています。そのために、外来生物法により特定外来生物指定第二次指定種に追加指定されたのは、平成18(2006)年のことです。コキーコヤスガエル、キューバズツキガエル、シロアゴガエルも同時に指定されました。

♪♪
     雨々ふれふれ もっとふれ
     私のいい人つれてこい

ウシガエルの養殖餌としてアメリカザリガニが輸入されていますから、ニホンザリガニにとっては、誠に迷惑千番な話です。

昭和2(1927)年、鎌倉市に20匹持ち込まれ、ウシガエルの養殖池から逃げ出したアメリカザリガニが生き残り、昭和35(1960)年頃には、九州にまで分布域を拡大しています。その影響を受け、先祖代々受け継いできた生息地を追われたニホンザリガニは、平成12(2000)年、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されるまでに激減しているのです。

♪♪
     雨々ふれふれ もっとふれ
     私のいい人つれてこい

ウシガエルにとっては、アメリカザリガニはいい人でしょうが、日本在来種であるところのニホンザリガニには、憎き恋敵です。

睡蓮池の底には、餌になったアメリカザリガニの死骸が、あちこちに沈んでいました。池の水が梅雨で濁ってアメリカザリガニが死んだのかと想像していたのですが、ウシガエルに手料理され味見された残骸だったのです。

ところで、池の周りに太い木材の円柱を打込んで造ったのが大賀ハス池、睡蓮池です。睡蓮池のヒツジグサに寄り添うウシガエルの約2m左側は歩道で、池に打ち込まれた円柱があります。そこに別のウシガエルが水面から頭だけ出したまま止まったのです。

暫くして、のそのそとヒツジグサの葉に上がったウシガエルは、下あごを太鼓腹状態に膨らませ息を吐き出すと、あの太い低音の鳴声を発したのです。先日、声の主が分からずじまいでしたが、その正体がはっきりしました。

すきまだらけのヒツジグサの葉をテーブルに見立てて、辛味炒めの手料理にしたアメリカザリガニを皿に盛って、頭だし蛙を呼んでいるかのように鳴き続けるのです。

 ♪♪
   グモーオオ~、グモオ~、
   グモーオオ~、グモオ~、

法螺貝を通して牛の鳴声を聞くような、太い低音の鳴声です。
それは、昭和55(1980)年にレコード大賞を受賞した八代亜紀の歌う「雨の慕情」のリズムに乗せて鳴いているようでした。

ウシガエルの正面を狙いたくなって、チョット動いた瞬間、シャポっと、水中に潜り込んだのです。それは予測していた事態ですから、ウシガエルとの我慢比べに再挑戦します。

カメラポジションを決めて待機していると、若い女性がハイヒールの音を伴って池の周りに近づき、池の中を覗き込みます。誰かさんが池の端でカメラを構えている姿を見て、興味を抱いたのでしょう。やんでいた小雨も落ち始めたので、ウシガエルと停戦協定を結んで帰宅したのです。

ウシガエルが雨の慕情に入れ込むスポットは変わらないと思うので、入園者が多い週末の撮影は避けて、平日の開園直後にウシガエルとの停戦協定は破棄して戦闘再開です。



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