歌人・辰巳泰子の公式ブログ

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婦人画報「花のことづて」

2014-04-02 02:56:05 | 日常
「婦人画報」5月号、巻頭連載「花のことづて」(第53回)にて、
拙歌のご紹介をいただき、花道みささぎ流の若き家元、片桐功敦さんが、歌をテーマに、桜の花を、活けてくださいました。

この歌です。



生け花の写真は、大川裕弘さん。
片桐様への取材と文は、星野眞理子さん。

「婦人画報」は、1905年創刊。今年、プレ110周年だそうです。

以下は、副編集長、桜井様に送信させていただいた、片桐様の生けられたお花についての、自分の感想です。

…………………………

嵐に折られた花であるという見立て……。
片桐様が、いかに花を愛しておられるか、感じ入りました。
そして、野にあるものを室内になじませるのでなく、室内をむしろ野外に変貌させようとする構想に、驚きましたし、
もっと驚いたのは、コーヒーを淹れようと席を立ち、振り返った瞬間でした。
写真を、手許から少し離してみますと、
花霞がまるで、寄り添う二つの魂のようでした。

拙歌が、女の気持ちを描いたものであるとするなら、
片桐様の生けられた桜に、「もっとそばにいてやりたい、もっと守ってあげたい」という、
男の気持ちが、こめられていると思いました。

愛の気配を、文章を書かれた方、写真を撮られた方が受け取り、
共有してくださって、ほかでもない花の生命が、
片桐様の手により、刻まれたのだと見えました。

とても感動しております。

皆様に、どうぞ、よろしくお伝えください。
本当に、ありがとうございました。

辰巳泰子

………………

片桐さんは、1973年、大阪の生まれ。
24歳でみささぎ流家元を襲名し、桜生け花の第一人者。現在は、福島県南相馬市にてご活動なさっています。

ところで、わたしは……。

写真に幻出している、肩抱くように寄り添うお花のコロボックルは、
東日本大震災の被災地・南相馬へ向かわれた片桐様の、
生きとし生けるものへの想いでもあるだろうと、
勝手なことも、考えました。

見えないだけで、守ってくれている存在が、わたしたちには、あるだろうと思えます。
一人でも、多くの方に、ご覧いただきたく。

婦人画報




(泰子んち、近所の桜)
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