歌人・辰巳泰子の公式ブログ

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歌集『セイレーン』のことなど

2023-01-04 17:36:35 | 月鞠の会
久々の百首歌、ライブ中です。
ライブは、別ウインドで、いま30首ぐらいまで書きました。
作り溜めたものではなく、創作まっただなか。
推敲を兼ね、いったんアップしてから、遡って足したり直したりしてる歌があります。

いま、拙著『セイレーン』を超えられるだろうかと、立ち止まっています。
『セイレーン』は、2005年。毎日新聞の、上半期か下半期のベスト歌集3冊のうちの1冊に選ばれました。
中東戦争を背景に、個人の愛を書いています。


抱き合つて今日の疲労をしぼりきるこの重いみづはにんげんの水
悲しみが責める言葉を言はせるとあなた見てゐたいつかの駅で
月見草揺れてわたしも揺れて あれはいつか しんしん思ふ一人一人を
極悪人にされるとこまで引き受けて君を愛した底板もなく
沈丁花薫る闇からあらはれて平和を武器に殴打する人
皆さんこれが〈無辜の民〉です電源を切つた画面に映し出される


『セイレーン』はまさに、インターネット上で創作ライブを繰り返すなかで、生まれた歌集でした。

ところで、年末年始は体調不良だったのですが、きょうもろもろ検査を受けて、大事なし。そんななかで、歌を書き始めることができて、目に見えないものに、掌を合わせたいぐらいです。



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