鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第893回】 やさしさや思いやりが社内に溢れていたとしても・・・

2013年06月11日 | 住宅コンサルタントとして
「休みを必ず取りなさい」
「早く帰りなさい」
「好きなことだけやりなさい」
「ミスなんて、誰にでも起こるから、気にしなくていいよ」

こういう会話が社内で頻繁に起こっている会社は、非常に良い会社に思えます。

また、岐阜県の未来工業さんや高知県のネッツトヨタ南国さんなど、
業績も社風も素晴らしい、日本の中小企業を代表するモデル企業さんでは、
実際にこういう会話が社内で起こっているのかもしれません。
(私は未来工業さんには視察に行ったことがありますが、
社内を見学させていただいたり、スタッフの方のお話を聴かせていただいただけで、
実際に社員さん同士のリアルな会話を聞いたことがありません)

でも、どれだけ経営者の人間性が素晴らしく、社風が良くても
会社が維持できなくなっては全く意味がありません。

会社が倒産してしまっては、社員さん自身も家族を守ってはいけないのです。

だから、企業経営者は、まずは会社を存続させ、
お客様や社員さんとそのご家族、仕入れ先さんを守っていかなくてはならない、
ということが、最優先だと個人的に思っています。

しかしながら、最近、いろんな本やメディアで、

「夢は思い続ければ、必ずかなう」
「残業がほとんどなく、休みが多い会社の業績が上がる」
「まずはやりたいことをやろう」

と、一見耳触りの良い言葉を多く目にするようになりました。
そして、そういう言葉尻だけを信じる人も増えているような気がします。

また、

「朝礼をしっかりやれば、社員はやる気に充ち溢れるようになる。業績も上がる」
「とにかく社員のモチベーションがそのまま業績に直結する」

というような意見も耳にすることが割と多いです。

世の中、いろんな考え方や意見があります。
だからそういう考えをする方が居てもいいのですが、個人的な意見を言わせていただければ、
私は非常に違和感を覚えてしまうのです。

ネッツトヨタ南国さんや未来工業さんがそこに至るまでに、どういう採用・教育をされてきて、
経営者がどれだけ人間的にも能力的にも優秀か、ということは脇に置かれ、
休みが多いとか、社風が素晴らしいということだけを取り上げられ、
その部分さえやれば、どの企業も業績が上がるという、
安易で危険な考え方を信じている人がちょっと多いなぁ・・・、と。

働くことについて、私なりの意見をまとめていきたいと思っています。
コメント
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