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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

いのちの食べ方

2009年02月13日 | ネタバレなし批評篇
中国産食品の毒物混入や賞味期限切れ食材の提供など食品産業の不祥事が日本で注目を集めているが、このドキュメンタリー作品は我々が毎日口にしている食材の生産加工過程をたんたんと追いかけているだけで、ことさらスキャンダル性を煽るような演出もしていない。

鶏・豚・牛などの家畜を電気棒でショック死させるシーンなどがそのまま登場しているため、モンド・ムービーかなんかと勘違いしている人もいるらしいが、DVDにおさめられている監督のインタビューを聞く限りいたってマジメに撮影に取り組んだ作品のようだ。

仮にも生きとし生ける者を殺して、食べられる部分と食べられない部分にオートマチックに分別する作業は、ドイツ映画だけに一見ナチスの人体実験を想像して残酷に思えるかもしれないが、その死肉を食らって生き延びているのは紛れもなく我々人間であることも忘れてはならないだろう。

有機的な生物を無機的に扱う食品加工作業が、倫理的に是か非かを問うような映画ではないと頭ではわかってはいるのだが、あまりにもシステム化された一連の流れ作業を見ていると食欲が減退してしまうのも事実。マイケル・ムーア作品のようにテーマに則した都合のいい事実だけを並べてはいないので、この映画を見てどう感じるかはあなた次第だと思う。

いのちの食べ方
監督 ニコラウス・ゲイハルター(2007年)
〔オススメ度 

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