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1981年5月以前の建築物

2015-10-01 09:39:25 | 日記

今年も耐震改修を何件もさせて頂いておりますが、

ふと気づいたことがありましたので、久しぶりにブログに掲載しております。

耐震改修での診断だけでは見えてこない部分にこういうものがあります。

①建物の床下の状態
  地面がひび割れている(水脈の心配)
  沈下している
  湿気があり木材が腐食している(カビが生えている)

②基礎の状態
  ヒビ割れがある
  無筋コンクリート(鉄筋無し)である
  基礎が沈下している
  土台との緊結(金物等)が無い
  束石(床束を支える石)下部が沈下し、床束と束石に隙間が発生している(近年では鋼製束を使用し、調整が可能)

③躯体(柱、梁、壁、床、屋根、階段)
  柱が倒れている
  土台が入っていない
  白蟻の被害がある
  雨漏れしている
  床が傾いている(物が転がる)
  扉や引き戸の建付け(開き)が悪い
  浴室タイル周りや雨漏れしている部分(基礎などの濡れている部分)にせん断破壊(垂直方向、水平方向)ヒビ割れがある(白蟻の被害、水漏れ、壁体内結露が考えられる)
  柱と柱を梁(横架材)で繋いでいない(耐力壁となっている部分の上部)
  筋違いがほとんど入っていない

④断熱材の状態
  断熱材が全く入っていない

という部分が見え隠れする部分なんですが、
この項目④の断熱材の使用の有無。
これが、以外にもほとんどの耐震改修をさせて頂いたお客様の家に入っていませんでした。
現在、断熱材は様々な工法が出てきております。
昔はちょっと難しかったですが、今では住みながらにして断熱改修できる工法などもあるんです。
断熱改修をすると、やはり寒さ、断然違います。
床下、天井からの底冷え。
かなり軽減します。

日本の建築は室内に直射日光を入れないよう風雨にさらされないよう造られてきました。

近代の建築は少し変化してきて、軒が極めて短いか、むしろありません。
デザイン、スタイリッシュなどで建築屋さんなどは言葉を濁していますが、
軒ゼロの家は徹底的なローコスト、利益重視の日本の四季、季節、風土にはあまり向かない
事務所、店舗向きな家。これが今、建築の主流であり建売の主流であり、近年のブーム、流行です。

ではなぜそのようなことが可能なのか?

ですが、それに大きく関係しているのが、断熱材なんですね。
ここでいろいろ工法を述べるつもりはありませんが、一つだけ。
現在の住宅業界が目指しているのは、単純に言うと水筒の魔法瓶みたいな構造です。

高気密高断熱、外気を取り入れず機械で空気をクリーニング。
一定の湿度、温度に保ち高気密高断熱によりエアコン代もわずか。
ペアサッシ、トリプルサッシにより、外の音はシャットアウト。
外で雨が降っていても風が吹いても雪でも気付かないくらい静かです。
自然と共存どころか絶縁している感じがします。

話しをもどします。

それくらい断熱材の性能もよくなってきていますし、外壁材も進化しています。

昔は泥壁で雨風が当たると壊れていました。
室内に雨が入ってきては困るので軒もできるだけ伸ばしていました。
雨がかかる部分には木材を使い泥壁を保護しました。

夏を前提に造っていたから、開口も大きく、風を室内によく取り込めるように造ってありました。

なので冬はとても寒いにきまってます。

夏は暑い、冬は寒い。
この常識が少しずつ変わってきているような気がします。

弊社が行っている断熱改修がきっとあなたのお役に立てることでしょう。