日本の風景 世界の風景

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オランダ   Kingdom of the Netherlands

2007-08-12 | 世界地理
ベアトリクス女王
オランダは面積4.2万k㎡、人口1629万人の王国である。現在のオランダ王国女王ベアトリクスは1938年にバールンで生まれた。
1940年、ナチスの侵略により、祖母・母とともにイギリスへ亡命した。その後はカナダへ行き、初等教育をカナダで受けた。
1945年、戦争が終わると、母ユリアナがオランダ女王に即位し、ベアトリクスは王位継承者となった。
1966年、ドイツ人外交官クラウス・フォン・アムスベルクと結婚した。第2次大戦の敵国であったドイツの外交官と結婚することが政治問題になった。
1967年には、王家では百年ぶりの男子を出産した。その後も男子を出産。3王子の母親となった。
1880年にベアトリクスはオランダ女王に即位した。

オランダ領アンティル諸島は租税回避地
オランダ領アンティル諸島は、ABC諸島ともいわれる。Aアルバ島(人口7万人)、Bボネール島、Cキュラソー島(ボナール島と合わせて人口22万人)が大きな島である。産油国ベネズエラが近く、石油精製業が発展している。他に観光、海運もあるが、最も重要な産業は国際金融業である。
世界各国の大手銀行、金融専門の国際弁護士、公認会計士、投資顧問会社、多国籍企業などが集まって、いくつもの投資ファンドが設立されたり、解消されたりしている。
アンティル諸島ではファンドや法人組織の設立認可手続きが簡単迅速で、しかも税率が低い。世界各地の投資家や金融機関からの資金が集まりやすい。他の租税回避地と異なり、配当収入には課税しないし、貯蓄課税制度もない。アンティル諸島は、アジア・EU・北アメリカから、ラテンアメリカなどへの投資や輸出などに、理想的な立地条件が整っている。
オランダなどの富裕層は、持て余した資金を、租税回避地のファンド経由で投資し、さらに大きな利益を得ることができる。
先進国では富裕な法人・個人からの税収が減り、その分を一般消費税で補っている。オランダの一般消費税率は19%、食料は6%である。


オランダの国名表記
オランダは、The Netherlands (低い土地)が正式国名であり、オランダ本国だけを示す。
Kingdom of the Netherlands と表記する場合には、現在のオランダ植民地を含むオランダである。つまり、ヨーロッパのオランダ本国に加え、カリブ海のオランダ領アンティ ル諸島、オランダ領アルバ島を含めた総称である。
オランダHollandは北海沿岸の地方名に由来する、俗称あるいは愛称である。
オランダの低地は、15世紀から干拓事業が行われ、20世紀までに1万k㎡を干拓し、浅海を農地に変えた。干拓事業は政府・国民の信頼関係があって完成したものである。
オランダの労働組合は、労使協調が最優先され、ストライキのような労働争議はない。企業の生産性は高い。オランダの企業・労働組合の信頼関係は、ポルダーモデルといわれる。
日本では御用組合といわれ、労働組合が弱体化し、労働条件悪化の最大原因といわれる。しかし、オランダのポルダーモデルでは労使の信頼関係が強く、企業が収益を上げるために労働条件を悪くするとは、考えられない。

 


オランダ政府公認「飾り窓の・・・」

オランダのエネルギー一人当たり消費量は、日本よりも多い。
オランダ北部(陸上)にはフローニンゲンガス田、北海(海上)オランダ領にはプラシドガス田がある。オランダでは天然ガスの占める割合が高い。
また、一人当たり年間エネルギー消費量は、石油換算でオランダ4.83トンである。日本4.06トン、アメリカ7.97トンである。
天然ガスはパイプラインを通して、ベルギー、ドイツに輸出される。
原油は中東諸国とイギリスから輸入される。最大の輸入港は、ライン川河口のロッテルダム(ユーロポート)である。原油のままパイプラインでドイツ・ベルギーに輸出される。また、一部はロッテルダムの石油化学工場において石油製品化されて、国内外に供給される。

オランダの一次エネルギー供給の内訳(2002年)
石炭:838万トン(10.8%)
石油:2,980万トン(38.2%)
天然ガス:3,583万トン(46.0%)
原子力:102万トン(1.3%)



ポルダー(干拓地)の排水用風車。