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建具伝記~画竜点睛への道のり~ 弐之章

ふくしまの建具職人列伝!!

技をあみだすということ

2012-07-10 12:51:29 | 組子細工
第46回全国建具展示会福岡大会、盛大に開催されました!!

出品作品は、その目的により第1部~第4部に種別されます。




要領が今一よくわかりませんが、私の造った建具は第2部で出品しました。



大任(おおとう)町長賞をいただきました。よかったです!
他に比べると小さく、シンプルで目立たない作品ですが、わざわざ福島から車でもって行くに値するもの。

と、自負します。
今回のイチオシ技術は、欄間の組子「塵返し三ツ組手」(ちりがえしみつくで)

では塵返し(ちりがえし)とは何?
一概にいえば、格子の組み方・見せ方の技を言います。

塵はそこらへんでいつも舞っているホコリのこと。
障子の横格子の上端にたまってしまうのをある程度緩和させるために、昔の建具職人があみだした高度な技術です。

まず、だれでも見たことがある自宅にある「障子戸(しょうじと)」
その格子を見ていただくとわかりますが、普通だと交差角・断面がすべて90度になっています。

横格子に勾配(斜め上)をつけることにより、日々の生活でたまっていく塵ホコリをたまりにくく・払いやすくするため。
たったそれだけのこと。

昔の家庭では、家の中の掃除はお嫁さんの仕事、それが当たり前の時代。
愛する妻が苦労してる姿を見て、いつぞの時代の建具職人があみだした技。

はたまた、昔(明治時代頃まで)の建具職人は指物大工(さしものだいく)と呼ばれ、現代でいう大工さんの仕事の中の一部と考えられていました。
今でもそういう事業所もありますけど。
大工さんが必ず覚える仕事として、指金の使い方・指金術というものがあります。
ただ単に指金を使って横格子に勾配をつけただけ。

建具・組子格子の塵返し技術が生まれた訳は、そんなとこじゃないかと私は実際やってみて思いました。
ちょっと説明がむずいので、画像も。

 普通の三ツ組手

 
普通の三ツ組手は断面が長方形です。

 塵返しの三ツ組手


塵返しの三ツ組手は断面が平行四辺形、その上に勾配の分流れて(のびて)います。

 
今回の作品の塵返しの三ツ組手は見付き(見た目の細さ)1㎜と1.13㎜でやりました。見込み(奥行)は10.5㎜です。

とても難しく、それ以上に楽しかった!

次はもっとうまくできる。

が~んばろ。

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