パラオキサイドオレンジ -Peroxideorange-

希望と悪夢と記憶のフラグメント

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夜のピクニック 恩田陸

2006-09-13 | 読書①NOVELS
「夜ピク」、かなり面白いとのウワサだったけど、想像してた以上に、というか、はるかに面白かった。

北高の歩行祭っていう、全校生徒が24時間歩きっぱなしという伝統の学校行事。
その歩行中(休憩とかもあるけど)の高校生たちの会話と胸のうちだけで綴られるという、きわめて簡単な構成であるにもかかわらず、メチャメチャ面白いドラマになってる。

メインとなるのは三年生で同じクラスの西脇融と甲田貴子という異母兄妹。
彼らが兄妹であることは彼ら以外にはオープンになってなくて、お互い相手が自分を嫌ってるだろうと信じこみ、お互い相手を無視しあいながらも、気持ちをわだかまらせ続けた三年間。

しかし、高校生活もあと少し。
貴子はこの歩行祭という最後のチャンスに、密かに小さな賭けを実行することを決心した・・・。

個性豊かだけど厚い友情で結ばれた友人たち。
いいなあ、友情ってのはやっぱ最高だよ。
もちろん恋の話も百花繚乱。
うんうん、恋もするときにせにゃ、いつするんだい。

読み進むにつれて、足の痛みや筋肉の悲鳴、焦燥感なども疑似体験しているような、自分も歩行祭に参加してるような気分になってしまうってところがスゴイ筆力。

筋肉疲労に睡眠不足、極限状態の中では隠し事も何もかも、一切合切すべてをさらけ出してしまいそうだね。

そして、ホワイトアウトみたいなゴールへの達成感とともに、長年わだかまって胸の奥につかえていたデッカイ氷塊が、まさにスカッと消失したようなすがすがしい気持ちになる。

思わず、自分の高校生活を顧みるけど、なんだかもっともっとガキだったよ。
まあ、当時のレベルで精一杯のことをやってたのかなとも思うけど。

文中に「今を未来のためだけに使うべきじゃない」っていうフレーズがあるんだけど、俺の高校生活、ちょっと未来のために使う割合が多すぎたかもしれないって後悔は、あるな。

でもさ、いいなあ男女共学。あこがれるなあ。
俺の高校は、カトリック系ミッションスクールの男子校だったんだよね。
一言でいえば、むさ苦しい所だった。
校長はスペイン人の神父で、理解不能だったよ。
宗教倫理っていう科目があって、これもスペイン人神父の先生(日本語が読めないって噂だった)だったんだけど、ある時、宗教について小論文を提出しろって課題を出したんだ。
全然書けなかったクラスメートが、「どうせ日本語読めないし」ってイチかバチかの賭けに出た。
原稿用紙のマス目を、流行歌の歌詞でメいっぱい埋めた。
用紙が足りなくなって追加した。
結果、最優秀の点数を獲得。
やっぱり日本語読めなくて、字数だけで点数付けてた(笑)
まあ、それなりに楽しかったかな。

新潮文庫 2006年




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2 コメント

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Unknown (chiekoa)
2006-09-14 12:54:52
高校時代にこんな行事があったわけでもなんでもないんですが…なんでしょう!この懐かしさは!という、とてもすごい本でした。

これは現役高校生が読んでもきっと感じない気持ちなんだろうなぁ…と思います。年をとるってすてきなことですね(笑)。
Thanks! (hoy.)
2006-09-15 22:33:41
chiekoa様

ありがとさんです。

私の場合、懐かしいというよりも男女共学だったらこんな雰囲気だったのかなー、っていう憧憬のような想いも強かったですね。

中学校のときは、わりとわいわいきゃぴきゃぴやってたけど、高校となるとまた少し違うんだろうなって。

そんな共学の高校の雰囲気を、ちょっぴり擬似体験したような気分でした。

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