急な階段、要配慮者に不安 京都・向日、避難訓練で課題発見

2016-10-31 13:19:25 | 護 help

 京都府向日市寺戸町の大牧自治会がこのほど、大規模地震発生を想定した避難訓練を実施した。町内会単位での本格的な避難訓練は市内で初めてで、避難経路を歩いて確認した参加者たちは、高齢者や子連れ世帯など要配慮者の避難について成果や課題を口にした。

 鳥取県で地震があった翌日の22日昼、サイレンに合わせて住民が次々と戸外に出、13ある組ごとに避難を始めた。高台前で高齢者を車椅子から降ろし、脇を支えて階段を上る。「ここで滞留するかも」と参加者の声。墓地を横断し、避難所の第6向陽小へ向かった。

 同町大牧地区は昭和40年代に宅地開発があり、現在は急速に高齢化が進む。樫原-水尾断層地震による液状化現象や土砂災害の危険性が懸念されている。

 訓練は、熊本地震を踏まえて住民連携の重要性を実感してもらおうと企画。自治会長の佐々木和隆さん(64)は「円滑な避難や安否確認の仕組みを考えていく一歩としたい」と語る。住民約130人が参加し、組長らが事前に健康状態などを勘案して設定した避難経路を実際に歩いた。

 組長の1人、井古テル子さん(71)は「道中は坂がきつく、崖崩れの恐れもある。避難所にするのは困難だと思った」と指摘した。

 避難先では、各組長が引率人員数を報告し避難者の総数を把握。アルファ化米のおにぎりを受け取った参加者は、会場に設営された段ボールベッドや簡易テントを見て回った。

 普段は手押し車を使う林みきえさん(82)は「防災について考え合えて心強い。近所に安否確認を頼みたい。ただ、避難路の階段が急で、発生が夜だったらどうしよう」と不安ものぞかせた。4月に同地区へ引っ越し、子ども2人を保育所に預ける吉田亜希さん(32)は「子どもを連れて安全に避難できるか実際に確認したかった。年配の方が多い中で、避難所で私たちがどう過ごせるだろうか」と話した。

【 2016年10月27日 14時36分 】



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