おさびし日記

たのしい作文練習帳

おさびし十首選 塔9月号①

2020-09-16 15:26:04 | Weblog
9月16日(水)

【おさびし十首選 塔9月号①】

 舌の上にチョコが溶けゆくそれはもうマスクのなかのチョコのお話 (江戸雪)

 女三人指輪のことなど語らひて梅雨の食卓華やげるかな (小林信也)

 水乾くように真昼のベンチから立ち去りゆけり背広の人が (福西直美)

 卓上に黄の薔薇ありて ごはんよ 呼びてゐるなりばらの向うへ (千村久仁子)

 ここは雨の止まない場所だ快晴の空の下ゆく我のずぶぬれ (山尾春美)

 夫と子をおとうとのごと叱りつつわが背いよよ燃ゆるごとしも (永田聖子)

 高く高くソフトクリームを巻きあげる技のわれにはありて、あるだけ (沼尻つた子)

 ピーピー豆のぴーの辺りに座りつつ懸命に漕ぐ人でありたし (橋本恵美)

 パンツ干しつつアラフィフと気づくときサルスベリから突然の蜂 (吉田達郎)

 スーパームーンとは知識にて遠きもの叶はぬことのこんなにも多くて (吉田達郎)

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (吉田達郎)
2020-09-23 00:19:32
今回二首も選んで下さり、ありがとうございます。以前も載せて下さいましたね。とても励みになります。何かと大変な時期ですが、お互い乗り切りましょう。
Unknown (グミコ(小川ちとせ))
2020-09-23 22:03:47
こちらこそコメントありがとうございます。
うろ覚えで申し訳ないのですが、10年ぐらい前に「渡辺真知子が迷い道までを暗く、くねくねだけを明るく歌う」というような一首をお作りになりませんでしたか。衝撃的に感動したのですが、記憶違いでしたらご容赦ください。これからも楽しみに読ませていただきます。この時期を乗り越えて新しい感じを生きてゆきたいですね。
Unknown (吉田達郎)
2020-09-24 00:43:01
コメントに書いて下さった短歌の件ですが、よく覚えていて下さいましたね。これです。
「迷ひ道」までは悲しく「くねくね」を明るく歌ふ渡辺真知子
2011年5月号で選んで頂きました。塔を読む会のブログにも載せて下さり、思い出深い一首です。歌謡曲が好きで、それに関する短歌を多く詠んでます。
Unknown (グミコ(小川ちとせ))
2020-09-24 22:19:41
それです!時々思いだしては古い「塔」誌をめくって探していたのですが、見つけられずにおりました。嬉しいです。書きとめました。ありがとうございました。

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