おさびし日記

たのしい作文練習帳

おさびしだいたい十首ぐらい選「塔」6月号②

2018-06-28 22:04:22 | Weblog
6月28日(木)


【おさびしだいたい十首ぐらい選「塔」6月号②】

 吹き矢の会に誘われて出て行きし夫は昼を過ぎても戻って来ない(宇野千代子)

 生菓子が好きなりときに焼き菓子をほろほろくずし食べるのも好き(西村清子)

「白ネギ」を白ギツネと読み違えいよいよわれはおばあさんなり(西村清子)

 ふるさとの一キロほどの焼き牡蠣を食べてほとりと眠くなりたり(入部英明)

 名を呼んでほしいと言えば驚いて私を見る遠いあなたは(高松沙都子)

 山焼きのけむりのなかの月赤く無口な鳥が帰つてゆけり(新井蜜)

 春の陽の等しく降れり屋根やねに、サドルに、小鳥の薄きまぶたに(魚谷真梨子)

 ポケットに鶫ぬくめてぢやあ俺は洞を持つ樹になつてしまへよ(有櫛由之)

 春潮の引きてなほ引く奈落など思ひつつ喰ふ若布さみどり(有櫛由之)

 さっきまでスピカと歩いたほろ酔いのぼくの右手に麦の穂のこる(永野千尋)

 古りてゆく家族しづけしあんもちの羹の話題となるカー・ラジオ(篠野京)

「殺いだつて根はのこるんだ」革命家めくおとうとよ黴餅捨つる(篠野京)

篠野さんのはガーンと沁みる連作「去年今年」から。2首だけ引いてごめんなさい。
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