おさびし日記

たのしい作文練習帳

おさびし十一首選 かばん5月号

2018-05-12 22:14:33 | Weblog
5月12日(土)

【おさびし十一首選 かばん5月号】

 いくら私が打ちひしがれても夜になる森のなぜ枝にさされない(藤本玲未)

 冷え切ったうすあげを買うわれは狐、でもなく赤の他人でもなく(とみいえひろこ)

 琥珀のなかにとぢこめられた蜘蛛だから死んだつてすごいはづかしい(久保茂樹)

 結局はなにを食べても身体中たちまちよごれてしまうのだろう(東こころ)

 血は巡る 季節も巡る 生きたいと願えば願うほどぎこちなく(田中ましろ)

 家々のなかそれぞれに森のあることおとうとが説くトンカツ屋(土井礼一郎)

 炊き立てのごはん結べばたびびとよ あなたの指紋の谷を彷徨う(村本希理子)

 明日は、といいかけたまま真夜中のコーヒーからもれる真夜中の色(戸田響子)

 莫斯科の騾馬飼ひならす焦月【せうげつ】の十七歳【じふしち】はかくもひりひりとして
                                   (佐藤元紀)
 父の手をのがれて牛は牛となるそのぎんいろの角もあらわに(木村友)

 たらちねの睡眠不足の母の目に吸収されてゆく万華鏡(木村友)
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