みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

ボリス・ペトルシャンスキーのピアノリサイタル

2005年07月02日 | ピアノ
ボリス・ペトルシャンスキーのピアノリサイタルに行く。
この前のプレトニョフに感激して、どうも、ロシア人の追っかけになってるなぁ・・・。
会場の「みのぎくホール」、こじまんまりとしたホールで、かつ、舞台が客席よりもかなり低い位置なので、目の前で、指の動きまで良く見える中、迫力の演奏を楽しむ。このホール、公開レッスンなどにうってつけですね。

前半のショパン、どれも、好感のもてる演奏。後半、超絶技巧と爆音が炸裂するスクリャービンとリスト、間近で見ると、迫力あって、ほんとうに、凄い。聴き応えあり。
今回、作曲家が変わるまでは、拍手しないようにとのことで、拍手したいのにできないのは、ちょっとストレスですね。前半のショパンに関すれば、曲と曲の組み合わせで、ソナタのような、効果を意図されていたんだろうな。即興曲で何気なく、スルスルスルっと始まり、幻想***で自在に展開して、フィナーレは英雄ポロネーズで締め、だ。

聴いていて思ったのは、美しさの基本は、やっぱりレガートだなぁということ。フレーズのかたまりを、もっと感じて、音がきれいに繋がることで、音楽に命が宿るんだなぁ~と。
非常に弾くフォームが美しくて、すくっと伸びた背筋、肘から手首から指先まで、きれいにしなった手の形、無理の無い丸い曲線を描いてる。そのフォームと奏でられる音は、相似の関係にあるように感じる。音の粒が、とても丸くまろやかに感じられたのは、テクニックもそうだけど、たいへん弾き心地の良さそうなベーゼンドルファーのピアノにもよるのだろうか・・・。

あとフィニッシュのフォルテシモを決めた後、左手をグルッと高速で回転させる、キメのポーズ、あの回転スピードは、イチローのバットよりも高速だろうなとか、馬鹿なことを考える、駄目そらみみでした。

自分が弾いたことのある曲は、非常に興味深く聴けるのだけど、アンコールの最後のワルツ7番、今まで聞いた中で、もっともゆっくりで、味わい深い。9番ワルツを思わせるような、おぼろげに、しっとりと歌われた7番。あぁ、こういうのもいいなぁと。弾き飛ばす人が多いから。

いい演奏を聴くと、自分の駄目・駄目さに、ため息ですね・・・。おい、空耳、君、人前で、弾いちゃちゃいかんよ・・・。何が楽しくて、この年になって、ピアノを練習するんでしょうね・・・。

プログラム
~前半(Allショパン)~
・即興曲第1番 ・幻想即興曲  ・幻想曲 ヘ短調 Op.49   ・ポロネーズ第7番 「幻想ポロネーズ」
・ポロネーズ第6番「英雄」
後半
・2つの詩曲 Op.32 ・ワルツ Op.38 ・幻想曲 ロ短調 Op.28  以上スクリャビン
『巡礼の年報第2年イタリア』への追加「ヴェネツィアとナポリ」
ゴンドラの漕ぎ手、カンツォーネ、タランテッラ 以上リスト
アンコール
超絶技巧練習曲「雪かき」、スカルラッティ「ソナタハ長調」、ショパン「ワルツ7番」

in羽島市文化センター みのぎくホール
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