フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

虔十公園林

2008-12-31 21:43:36 | Weblog
年の暮れは大変だったけど、僕の一番好きな童話「虔十公園林」をラジオで朗読してくれた。宮沢賢治のごく短いお話なんだけど昔からこれが大好き。杉の苗700本買ってけれと言うと親父さんが買ってやれという場面とか平吉に杉の木を切れと言われて切らねえと逆らうところとか、ハァハァと声を殺して笑う仕種とかそれで最後に博士がやってきて「あの杉林を虔十公園林と名付けて町で保管するよう」と提案する場面とか当時の社会がそのまま映し出されているようで面白い。キャッチャーインザライのピュアな部分を取り出したらこうなるんじゃないかな。サリンジャーはこれを読んでいるんじゃないだろうかと思っている。博士がね「まったく、誰が賢くて、誰がバカなのかわからない」というくだりは、喝采だ。人は、現実だけでなく未来も見据えないといけないんだね。さァ、来年はどんな年になるのでしょうか。ブログを借りてご挨拶申し上げます。
皆様、良いお年を。
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