初海外 5

2012-04-17 | 過去の仕事(アラスカ)
その現場は、

* アラスカにある、鮭の加工工場と
* 日本の商社が契約し
* 工場の一部を間借りして
* 出てくる魚卵を独占で引き受けていた

という感じだったと思います。

残念ながら、自分が実際携わっていた、「筋子」の生産に関する写真は一枚も残っていません。 初海外で写真(といっても、当時はデジカメもなく、おもちゃのようなカメラを持っていったのを覚えています)をたくさん撮りたかったのに、テクニシャンの方々から、生産に関する写真は機密事項なので、絶対に撮るな、と、しつこくしつこく言われたため、怖くて自分の現場の写真は全く撮れませんでした。

私が受け持っていたのは、撹拌 という作業だったと思います。
鮭加工工程からでてきた内臓から魚卵だけを分け、写真のような青色のバスケットに入れます。
それを私が取りに行き、筋子エリアまで持ってくるところから仕事はスタート。

撹拌機とかいう、大きな樽のようなものにこの魚卵を入れ、塩水+亜硝酸で揉むわけです。(撹拌用の羽が樽の底についていて、スイッチをオンすると、ゆっくりと羽が回りだし、水流が発生し、魚卵が揉まれるわけです。旧式の洗濯機のでかいやつみたいなイメージでしょうか。たしか、樽は4つあったと思います。
水温を「電熱ヒーター」で規定の温度に上げ、適量の水を入れ、そこへ食塩を入れ、亜硝酸を入れます。
一定時間経ったら揉まれた魚卵を樽から出し、箱詰めの作業の方々が待つ作業テーブルへ渡す、というものでした。

鮭に種類があることなど知らなかったので、はじめは複数の魚種の卵を混ぜて怒られ、水温の調節が上手くいかず怒られ(というか、魚卵を入れたら水温が下がるのは当たり前なんですが。。まあ理不尽なことで怒られるのは大学の寮や数々のバイトで慣れてましたかので・・w)、 魚卵の水切りが悪いと怒られ、塩が少ないと怒られ、なにやっても怒られる割にはなんだかんだと用事を言いつけられ。。。

あとで知ったのですが、その現場は、初めてアラスカに来た若い「テクニシャン」が現場放棄をして帰国してしまったらしいのです。その後釜で回されたのが私だったものですから、現場の方々は同じように私を使うわけですね。まさか私がテクニシャンの方々の日当の半額以下、5000円で働いているとは知らず。。ww

なにせ私以外の方は皆箱詰めテーブルに居るだけで、私だけそこらじゅう走り回っていた記憶があります。私も魚卵の箱詰め作業をやりたかったのですが、「お前は手先が不器用だ」、ということで、ずーっと撹拌作業員でした。初対面で手先の器用不器用を見切るのは、さすがテクニシャンの方々です。今だからいえますが、皆が魚卵詰めをやっているテーブルの後ろから魚卵ごとバスケットを投げつけてやろうか、と思ったことも何度か。。。 やりませんでしたけど・・w

つづく


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2 コメント

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「拡販」ではなくて (魚銀三代目@築地)
2012-04-21 11:34:44
洗浄するために、かき混ぜるという意味の「撹拌」だと思います。おせっかいながら・・・。
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魚銀三代目@築地さんへ (tare@)
2012-04-21 13:41:20
ありがとうございますっ。
拡販は、営業で私たちが日頃使ってる単語でした。。
訂正しておきました。

今後とも、宜しくお願いします。
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