「原発と映画」プロジェクト準備ブログ

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原発に関する映画その73「シロウオ~原発立地を断念させた町~」

2016-07-01 21:55:19 | 原発と映画

「シロウオ~原発立地を断念させた町~」

公式HPはこちらです。

http://www.kasako.com/eiga1.html

かさこ監督 2013年 104分

 

原発立地計画がもちあがったけれども、それを住民の力でとめることができた自治体は日本に31け所あるそうです。

そのうちの二つ

海をはさんで向かい合った徳島県阿南市の「蒲生田原発」と和歌山県日高町の「日高原発」の闘いをおいかけたドキュメンタリーです。

1.話がおきて、すぐ先に原発ができている町にみにいったこと。

1.学習を重ねたこと。

1.条件闘争にしなかったこと。いやなものはいやと貫いたこと。

1.政治にもかかわっていったこと。

様々な人の話を紹介しながらどんな闘いだったのか、どうして原発立地をとめられたのか

をだんだん明らかにしていきます。

二つの地域のたたかいはそれぞれ違ったわけですが、特に印象に残ったのは次の二つのエピソードです。

☆徳島の蒲生田原発立地の話がもちあがったときに、周辺住民(主に漁師たち)で、先に原発ができているところを見学にいったそうです。その時、電力会社の人の説明で、「原発ができても海はかわりません。釣りをしている人もいます」という説明があったそうです。

漁師さんたちは、その釣り人に近づいたら、なんとさおだけあって、糸がなかったそうです。見学者のために、見せかけの釣り人だったのです。それで、一気に「こんなうそまでついてあやしい」という話になったようです。

また漁師さんたちは、「平常運転をしている原発周辺の海の色が変だ」と見学に行って思ったそうです。「温排水を出すことによって海の生態系がくずれてしまう」とわかったそうで、「事故がおきるかもしれないから反対」ではなく、「事故がおきなくても温排水ができるから絶対反対」という気持ちで頑張ったそうです。

☆和歌山の日高原発の方は、本当に地域が分断されつくす闘いだったそうです。

中心になっていた20代の漁師さんは、漁にでないで、長い間反対のためにかけずりまわっていたそうですが、農民からは「お前ら漁師は信用できない」といわれたり、同じ漁師にも「今月はアジがいっぱいとれて、○○万円もうかった」といわれたり、家にかえったら父親から「お前はばかか」と怒鳴られたりということもあったそうです。

どんな闘いでもやはり究極の孤独な場面があるのだと、教えらえた気がします。

その漁師さんは、父親に「原発さえなくなれば、あとからいくらでも漁にでて取り戻してやる」と言い返したそうですが、最後は個人のそんな思いがものをいうのだと描かれていて、今分断の中孤独な思いで頑張っている人の励みになる映画と思いました。

分断されつくした和歌山の闘いが、最終的に立地断念につながったのは、市長が変わったことだったそうです。

結婚式にも影響がおきるほどになってしまったのをみた役所の人が、このままではまずいと考えて、原発立地反対を訴えて市長選に立候補して、市長になって、計画にNOといったことで、この計画に終止符を打つこととなったそうです。

まさかこのような展開になろうとは、当初から頑張っていた人にも予期せぬ展開だったと思いますが、反対だったらたとえ周りに味方がいなくても、勝てる展望がもてなくても、頑張っていればこのような予期せぬ展開ということがありえるのだと

いうことも、希望を感じられる映画でした。

 

映画としてのできがどうのという以前に事実の重みに圧倒させられる映画です。

 

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「あのときたたかって本当によかった」と頑張ってこられた人たちは今は皆さん笑顔で、農業や漁業を守って、あとつぎとともに大家族で暮らしている幸せそうな様子もていねいに描かれています。

福島の原発事故で奪われてしまったものが何なのかもあらためて気づかされてくれる映画です。

映画をとるのははじめてというかさこ監督のこだわりもそこにあったのかなと想像します。

和歌山の日高原発反対の闘いをずっと応援されていたという小出先生も登場しますが、「この原発立地反対の闘いが勝利できたのは、この地域が、漁業だけでやっていける展望を描ける地域だったこともあると思う」という言葉も印象にのこりました。

同じように必死で闘ったけれども、原発立地にいたってしまった地域のこともご存知の先生だからこその重い言葉と受け止めました。

 

 

 

 

 

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