ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

『ザ・空気 ver3 』残念ながら!

2021-03-08 09:47:44 | 音楽

 あっ、『ザ・空気 ver3 』見て、良かったなぁ、って心地よさに浸ってる人、昨日の公演でスタンディングした人、この先は読まんでくれ!ひねくれジジイの気まぐれ、言いたい放題だから。

 半ば期待、半ば不安で出かけた二兎社公演。千穐楽をこちとらの地元で、やってくれるなんて感激!だったんだがぁぁぁ、

 ひねくれ者のジジイだからかなぁ、どうも入り込めなかった。メディアの忖度、を問う連作、3作目。うーん、ネタ出尽くした!の感強しだぜ。題材としても、政権の怒りを買って飛ばされるプロデューサーとかって、NHKの有馬さんとか武田アナとか、日ごろ見慣れた光景だしな。

 かって反骨派で鳴らしたものの今じゃ政権べったりのコメンテーターが、自殺した元同僚の怨念に付きまとわれて、若き日の正義感を取り戻すが・・・って筋立て、どっかで見たよな、聞いたよな。まっ、よくあるパターン、ってえか、この自殺部屋?って設定、たしかver1になかったか?

 せっかくの特ダネ生放送が、ADの粗忽メールでしっちゃかめっちゃか、ってのもなぁ。その前でもっとハチャメチャやっておかんと、唐突であり得ねぇって引いちまった。

その特ダネも、学術会議任用拒否の証拠データだっていうんだが、学者たちの政権批判の点数表、なんて、杉田和博が作ってたのは、見え透いた事実だし、一コメンテーターがそれに関わったなんて証拠指し示しても、それほど驚天動地じゃないよな。杉田の直筆メモならいざ知らず。

 現場の猛反対に、チーフディレクターとADが、腹据えて啖呵切るシーンは、唯一グッと来るものだったけど、頭冷やして考えると、あれって、年寄り世代の若者への淡い期待、ないものねだり?じゃねえか。Ver1のラスト、冷たく裏切って行く部下の方が、辛かったけどリアルだった。

 逆に、自身の担当番組最終回を起死回生の仕掛けで、イタチの最後っ屁を企んだ中堅プロデューサーが、最後、あっけなくころっと転んじまう方が、なんだよ、意気地なさすぎだろ!って茶々入れたくなった。

たしかに、世の中は、手強いから、壁にぶち当たって、ノックダウン!そりゃそうかもしれないが、そんな現実の二番煎じ見たかないよ。そこをなんとか一矢報いるのが、芝居じゃないのかい。

 ストーリー、筋立てだけじゃないぜ、欲求不満は。せっかく、Ver2で取り戻した笑い、今回また、ほぼ、不発だった。笑えたのは、コロナ検温で上限ぎりぎり37.4℃を上手く使っていたところと、文春ネタと、コメンテーターが爆弾発言の練習するシーンくらい。首相の答弁マネも客席に届かなかったしなぁ。そこは、安倍じゃなく地味ぃぃな菅だってところも災いしたかも。菅で笑いは取りにくい。あの暗澁顔と活舌最悪、抑揚無縁の原稿読みだからなぁ。

 役者にも責任はある、って思うんだ。何か所か、せっかくの笑いを滑らせてたもの。主役、佐藤B作、なんか年取ったなぁ!体も縮んだし、持ち味の図々しいすっとぼけ感も影を潜めてた。声もキンキンして、心地よくなかった。神野三鈴さんも、男社会でバリバリ働くチーフプロデューサーの切れ味が感じられず、アットホームな役作りだった。ピリピリ感ゼロ、語尾とか柔らかいし。衣装も、えっ、それなの!?って違和感あった。若い衆もなんかゆとりがなくて、どうもなぁ、味わい不足。

 最後に、ホール入って装置見て、えっ、ちょっと手抜きじゃね?つて。緞帳上げっぱなしの作り方の場合、開演前に見える装置で、興味惹きつけないとね。進行とともに、紗幕扱いで工夫を見せて、ああ、それなら、まぁ許せるか、とは思ったけど。

あと、音楽、敢えて違和感のあるものを選んだんだろうけど、どうもなぁ、って、これはただの好き嫌いの話しだけどさ。

 

 いいのかなぁ、こんなにくさしてしまって。大好きな永井愛さん、二兎社の芝居なのに。多くの観客は至極満足して、スタンディングまで出てたってのに。

まったく、ジジイてのは、これだから嫌われんだよ。好き勝手言いやがって、ってね。

コメント
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