ステージおきたま

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笑いと拍手と手拍子と!菜の花座公演『ディスタンス』

2020-11-30 10:40:24 | 菜の花座

 いやぁぁぁ、出来ちゃったねぇ。都会を中心に一気に広がるコロナ感染、いつ、山形にも襲い来るかと気が気じゃなかった。この置賜でクラスター発生したら、公演強行はまず無理だろうなって思ってたから、ウィルス跳梁の中、わずかに1人の単発感染で済ませているこの地の人たちの自制心の強さに改めて感心、感謝だな。おかげさまで、200人超のお客様を集めて、無事公演が終了できた。おっと、まだ安心はできない。観客、団員の誰にも感染者が出なければ、って話しだぜ。

 さて、公演の反応だ。前半は客席の空気も固く、ほぐれず、乗ってきちゃいないなぁ、って感じだった。理由としては、若者向けの話題を数話集めたってことかな。菜の花座の観客、圧倒的にシルバー層なんでね、もし、若い人たちに見てもらえれば、リモート婚活とかキャバクラ感染とか感染女子大生へのバッシングとか、共感してもらえたんじゃないか。

 雰囲気が変わったのは、第5話「自粛警察」!これは、もう役者のハチャメチャな衣装、演技、小道具で、一気に笑いを巻き起こした。

 誰もがうんざりしている自粛警察の存在をとことん笑いのめした設定もすんなり入り込めた題材だったんだろうな。意外だったのは、大正期スペイン風邪猖獗の時代の衛生講演会の話しだった。ただただ7分近くも、演壇から語り掛けるってだけの芸のない設定だったが、講演終了時には熱い拍手が送られた。

 100年前の人々の苦難と今とを重ね合わせて感じる部分が大きかったんだろう。役者も時代を感じさせるキャラ、失礼!を生かし切って、昔にありがちの権高な医師を演じ切っていた。

 後半の構成は、政局パロディ3本と、コロナ禍で苦しむ人々3連作ってことで、客の途絶えた居酒屋の女将、コロナで死んだ男の恨みつらみ、それを送る葬儀社の社員のぼやきと続くので、これはまず手堅く観客の心をつかんでいた。想定内ってところでぜ。予想外の反応に沸いたのが、アベノマスの話しだった。舞台にアベノマスクの幟が登場しただけで、クスクス笑いがあちこちに。続いて登場、アベノマスクを必死で配る高齢女性に客席は大爆笑、は、ちとオーバーだが、大いに沸いた。

 もう賞味期限をとっくに過ぎたと思ってたし、安倍ちゃん応援団を徹底的に茶化す内容だったので、反発もあるかと思っていたのだが、なんのなんの、嘲笑のツボとしてのアベノマスクは健在だった。モリカケ・桜とともに、アベノマスクを安倍政治の伝説として歴史に残そうって企ては、まずは成功したんじゃないか。

 続く政局ものは、安倍昭恵さんの秘書を務めた谷査恵子さんのイタリア生活と、拘置所の中の案里さん。ちょっとマニアックな政治ネタだったが、これも一部かもしれないが、楽しんでもらえたようだった。権力とそれにしがみ付く人たちを笑いのめすジョークって、みんな待ち焦がれてるんだぜ、ってこともよぉーくわかった。

 前半の途中から、一人芝居1話終わるたびに拍手が送られ、随所で笑いが巻き起こった。意表を突いたダンスも手拍子で応援してもらえた。コロナ蔓延のさ中、アマチュア劇団のために劇場まで足を運んでもい、こんなに暖かく見守ってくれて、本当に感謝しかない。でも、わざわざ来てもらった分、おもてなしはできたってことでもあるな。客出しで透明パネル越しにねぎらいの言葉を掛けてくれたたくさんのお客さん、来て、見て、良かった!の思いを抱いて帰って行く姿が印象的だった。

 

 

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