ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

その一言が差別へ一歩!

2020-07-18 16:36:16 | 世の中へ

 しどろもどろのGoToキャンペーン、東京除外、年寄り排除、若者集団お断りってことで、こけつまろびつ走りだしそうだ。期待してる人たちもいるんだろうが、せっかく感染者ゼロ更新を続けてきた地方としちゃ、今さら、厄介者放り込まねでよ、ってのが多くの人の本音だろうな。困ってるのは観光関連の人たちばかりじゃないんだし、医療関係者にはなんのお礼もなしにまたまたご苦労をかけそうな勢いだし、他に金の使い道はいくらだってあるぜって不満もくすぶってる。

 ただ、それはそれとして、感染したからってその人責めたり、その仕事に眉ひそめたりすんのはダメだよな。感染者追及の話しがあちこち聞こえてくる。自粛警察がリンチにまで行きつきそうで、恐ろしい。SNSの威力凄まじいからなぁ、よっぽど気を付けないと。

 中でも細心の注意を払ってもらいたいのが、公的に発言の場を持つ人たちだ。特に、テレビ!関わる人たち、迂闊な発言は禁物だぜ。

 一昨日の新たな感染者、ある民放ニュースのアナウンサーのコメント。

 「山大生は一人で東京に出かけ、クラブに繰り込みました。・・・・」

 待て!ちょっと待てよ。「繰り込みました」って表現、おかしくないか?繰り込むのは神輿とか、二次会とか、威勢よく多数で押し掛ける、それもちょっと羽目を外して、の意味だろ。一人で「繰り込む」はないだろ。若者が一人で、クラブに「繰り込む」か?

 いや、言葉が相応しくないってことだけじゃない、気になるのは。この言葉には刷り込まれたマイナスイメージだ。図に乗って、とか調子こいて、とか。アナウンサー、「まったく若い者は浅はかなんだから、こんな時期にクラブなんか行って」と言いたかったんだぜ、この言葉使って。

 おいおい、そんな、勝手に自分の感想忍び込ますなよ。

 外出制限とか東京ロックダウンとかイベント自粛なんて出てない時期だぜ。どこへ行こうと彼の勝手だろう。たまたま、その出先に陽性者居て、うつってしまった、ってだけのことだ。その会場の感染対策が万全だったかどうか、そこは問題にされるところだろうが、参加者の落ち度ではないだろ。そういう理性的にして公正な判断を差し置いて、自分の中の「困った若者だ」意識をにじませた。そして、多分視聴者の多くもその感覚に頷きつつ受け入れていたんじゃないか。

 これが怖い。たった一言、何気ない、罪もない一言が、感染者責任という差別意識に視聴者を一歩押しだしたってことなんだぜ。感染するような行動をした人間が悪い。まさに、自粛警察じゃないか!

 ついつい忍び込むんだよ、こういう自分の判断が。発言力などほとんどない巷の人間なら、少しくらい偏った意識持ってたってかまわない。でも、テレビの人や政治の人たちはそうはいかない。言葉が伝える意味だけじゃなく、それが醸し出す雰囲気やら、相手に与える衝撃まで、ち密に感じ取れる感性を持っていなけりゃならんのさ。

 都知事が多用した「夜の街」だってそうだ。対象は曖昧だし、風俗業の人たちへの言外の差別感を前提にしていて不快だし、結局適切な対策に結びつかなかった意味でも不適切だった。上に立つ者、多くの人に言葉を伝える人、もっともっと、言葉に対する感性を磨いてくれ。

 あっ、ついでにこのローカル局の人たち、川西、白鷹のイントネーション違ってるから!

 

コメント
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