ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

目が離せないぜ!青学陸上部

2016-03-06 09:11:44 | 世の中へ

 新聞の記事絡めてブログ書くなんて、「わしのプライドが許せんのだ。」なんて、NHK木曜時代劇『ちかえもん』、(いやぁぁ、良かったあのドラマ、ああいう舞台を創りたいって羨ましくも妬ましくも思ったが、残念!終わってしまった)の締めのせりふじゃないが、どこか他人のふんどしみたいで気にかかる。が、やっぱり書いちゃおう。

 青山学院陸上部の活動紹介の記事だ。マラソンとか駅伝とかに少しでも興味のある人なら、今更なによ!って怒られるだろうけど、箱根駅伝でダントツ総合優勝を飾ったと思えば、今度は東京マラソンで実業団有力選手を楽々下して日本人2位3位をかっさらう。今や大学長距離界の革命児的存在だ。いやいや、学生スポーツなんて領域をどんどん乗り越えて、東京オリンピックに向けて、マラソン村を大いに引っかき回してくれそうで、頼もしい!

 監督の原晋さんなんてもう超有名人に仲間入り、なんせ本だって3冊も4冊も出して、うち2冊はアマゾンベストセラー第1位!『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝で優勝に導いた47の言葉』とか、『逆転のメソッド 箱根駅伝もビジネスも一緒です』なんて、手に取ってみたくなる本ばかりだ。そう、大学陸上部の指導経験ほとんどゼロ?、(ただし、ご自身は高校駅伝の名門世羅高校の主将として全国2位、中京大学、中国電力陸上部でも選手として活躍)の会社員が、監督を引き受けて10年、「3年で箱根出場、5年でシード権獲得、10年で優勝争い」のビッグマウスを劇的に実現してしまったわけだから、これは、もうどう見たって伝説の人だ。いや、これからかレジェンドになるのは。

 まぁ、異分野の人、でもないか、が素っ裸で飛び込んでばりばり成果を上げるってのは、今時売れ筋のサクセスストーリーなんだが、なんか、民間経験が万能薬みたいな使われ方にはちょっと引く部分もある。だって、大阪の公募校長の大失敗見れば、そうそう異分野参入が切り札たり得ないことはわかるはず。

 しかし、それでもなお、この人の発想力には、ほほーっ!なのだ。それが今日のテーマ。「青学大駅伝チーム 伴走者育成」=盲人マラソン 監督が意欲=(朝日新聞3月6日掲載)という記事だ。今や障害者がスポーツ分野で大活躍していることは、誰だって知ってる。パラリンピックが話題になり、選手たちの健常者を越える凄まじい打ち込みぶりがテレビ等で紹介されることもしばしばだ。

 マラソンもむろん例外じゃない。片足義足のランナーとか、盲人ランナーとか、大会でもよく行き会う。頑張れ!って声をかけようと思ったら、さっさと抜いて走り去られ、苦笑い、頑張るのオレの方か、なんて経験も大会のたんびにある。目の不自由なランナーには、伴走者が必要だ。なんせ周囲がまるで見えない中を走り続けるわけだから、当人の技量とともに大変な勇気も求められる。その目の役割を果たすのが伴走者だ。お互いにタスキの両端を握ったり、小さめの輪っかを二人で持ったりして走っている。当のランナーも大変だが、常にパートナーを気遣いつつ、周囲に注意を払いつつ走り続ける伴走者は、地味な存在ながら、とても難しい仕事をこなしていると思う。自分のペースやピッチで走れないってだけでも、僕には信じられないことだから。だから、ただ走力があるってだけで勤まる任務ではない。当然、事前のレクチャーと入念な訓練が必要だろう。

 その難しい役回りを、大学駅伝の選手たちにさせようというのだ。これは、凄い!これは素晴らしいことだ!レースを楽しみたい、あるいはパラリンピックを目指す障害者たちにとっても、若い学生ランナーが一緒に走ってくれれば、安心してゴールできるだろうし、記録更新にも挑戦できる。障害者ランナー側の期待はきっと大きいことだろう。

でも、監督が目指しているのは、そういう与える側のメリットだけではないのだと思う。ともに走る学生たちが得るものも実はとても大きいと計算しているのだ確信している。まず、そういう様々なハンディキャップを持ちつつも、挑戦を諦めない人たちの姿から学ぶものは大きいはずだ。そのショック、その感銘は学生たちの次の走りに大きく力となるに違いない。健常者とは違った世界の現実に目を開かれことにもなるだろう。パートナーへの気配りをすることの大切さとか難しさもわかるだろうし、周囲を常に見回し一緒に走るランナーのために判断していく瞬時継続的な判断力を養うことにつながる。

 この取り組みが、部員の走力アップにつながるかどうか、そこはわからない。でも、マラソンだけで卒業後の長い人生を渡っていける人などごく一握り、一つまみなわけだから、走ることでとことん自分を追い込んだ経験とともに、他者の役にたったこと、他者とともに手を携えて走った経験が、これからの実社会で大いに役立つのは間違いないだろう。

 そう、地域に飛び出せ!大学生ってことなんだ。僕が置農演劇部でしょぼしょぼとやり続けたこと、それを青学大陸上部はもっともっとハイレベルで実践しようとしているってことだ。ね、ついつい書きたくなってしまうでしょ。

 ちなみに、青山学院、実は高校受験で受けた学校。受かったけど、ほんと!受かったけど行かなかった。行ってたら、まるで別の人生が展開してたこと間違いなし、今ごろ、OB面して、おお、我が陸上部頑張るもんじゃなぁ!フレーフレー!なんていい気になってるかもね。と、言うことで、今回の画像は青山学院大学の校章をいただいて載せておこう。文句ないよね?

 

コメント
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