ステージおきたま

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見てる人は見ている:国際ソロプチミスト南陽クラブ賞

2013-01-14 10:59:04 | 地域文化
 置農演劇部はこれまでいろんな賞をいただいてきた。『こころを育む活動』全国大賞や『ボランティア・スピリット』全国賞、『やまがた公益大賞』など毎年のように大きな賞を頂戴している。食育子どもミュージカルの活動や演歌ショーの広範な公演活動を評価していただいたものだ。部員にとっても顧問にとっても大きな励みとなっている。

 多くの賞でそうなのだが、これら全国や県レベルの大きな賞は、こちらから応募をし、提出した活動内容の審査書類により受賞が決まる。全国で様々行われているたくさんの活動を自力でくみ上げ評価することなどできるわけはないから、これは当然のシステムだ。ただ、賞によって審査の仕方も異なっていて、『こころのを育む活動』全国大賞などのような大きな賞になると書類審査の後にめぼしいグループに対して実地聞き取り調査が実施されたりする。針小棒大、活動を過大に記述したり、筆先三寸、やってもいないことをいかにも風に記載したりしている可能性もあるからだ。

 たしかに、提出書類の書き方には気を遣う。特に書類審査一つで決まる賞の時にはなおさらだ。いくら、活動内容が勝負!と言ってみたところで、文章で伝える以上、上手下手は当然ある。活動の様子が十全に伝わるような書類作りに苦心している。忙しいさなか、2000文字とか3000文字の作文は容易でないが、生徒たちの活動が目に見える形で評価されるためには避けて通れぬ苦労と割り切っている。

 グループによっては、それは売名行為で本来の活動趣旨に反すると考える人たちもいることだろう。それはそれで潔い態度だと思う。でも、置農演劇部としては、ものごとはもっと簡単だ。人間だれだって褒めてもらいたいじゃないか!僕だってそうだし、生徒たちはもっとそうだ。褒められ、認められて、自分たちの活動の価値を確信できるのだ。自分に自信が持てるのだ。勉強でもスポーツでもその他特技でも、およそ自慢できるものなど持たない置農演劇部生徒たちにとっては、大きな自信回復、一発逆転の手段だと言える。だから、積極的に応募する。日本全国素晴らしい活動は五万とあるから、落ちてもともと落ち込むことはない。次の別口を狙えばいい。こんな風に置農演劇部は数々の受賞を手に入れてきた。

 しかし、今年、それとは違う受賞が二つあった。一つは『サントリー地域文化賞』。これは地元新聞社がサントリー文化財団に推薦し、その中からこれぞとおぼしき活動が選ばれ現地調査を経て受賞団体が決定する。置農の場合、山形新聞の推薦を受けたわけだが、その際の推薦項目は以前山心3P賞を受賞した「MOTTAINAIグループ」や「「えき・まちグループ」の活動が中心だったに違いない。おそらく推薦の時点では、演劇部も紅大豆本舗もほとんど考慮されていなかったと思う。

 ところが、実際の聞き取りでは、それら二つのグループと同じ、いやそれ以上に演劇部、紅大豆本舗の活動が印象つけられたのではないかと感じている。特に証拠があるわけではないが、演劇部の活動に対して、それだけで地域文化賞に値する、と言っていただけたことからの感触だ。だから、堂々と胸を張って受賞団体の一つと言っている。

 もう一つ、目立たないが大切な受賞があった。国際ソロプチミスト南陽からいただいた『国際ソロプチミスト南陽クラブ賞』だ。ソロプチミストはロータリークラブの女性版のような組織で、各地でボランティア活動や、地域支援活動を行っている。その活動の一つに地域団体の顕彰制度があり、今年は置農演劇部が対象に上げられた。応募のシステムはあるにはあるが、会員の方たちが地域を見据えてこれぞと思う団体に声をかけてくださる。演劇部の場合、その方たちと特別な関わりがあったことなどまったくない。会に呼ばれたこともなければ、活動のお手伝いをしたこともない。置農演劇部の評判を聞きつけ、陰からその活動を見つめてきた結果、授賞に値すると判断してくださったということだ。

 全国レベルの著名な賞も嬉しいが、このような地域密着型の賞もとても名誉なことだと感じる。学校や各種団体の活動をしっかりと見つめ、その意義を評価しての表彰だ。演劇部の活動を関心を持って追っていてくださった証だ。それも、女性たちがご自分の私財を持ち寄っての顕彰だ。賞状の大きさは一回りも二回りも小さくとも、その暖かさと確かにおいては、全国賞に匹敵する、あるいははるかに上回る受賞だと思う。

 見ている人は、どこかにいる。見ている人はしっかり見ている。これがすべての基本だな。

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