ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

置農『どんがら山奇譚』最優秀!!

2007-09-24 20:44:46 | 演劇

 置賜地区の高校演劇の大会が終わってもう一週間たっちまった。菜の花座の公演を一週間後に控えて、連日夜10時まで稽古でしたからね。さらに、パンフレット作りや、次回公演のポスター制作など、帰ってからも仕事山積み、とってもブログを更新するひまなんてなかったもの。

 もう、一週間も前のこと今さら、って感じ無きにしもあらずだけど、やっぱり書いておかなくちゃ、置農『どんがら山奇譚』最優秀!ってね。いざ、決まってみると、まあ、当然かな、なんて、嘯いたりしてしまうんだけど、審査の間はもうどきどきでしたね、正直なとこ。これまでも、絶対だ!って思ってたのが、何度も蹴落とされてきてるから、結果を聞いてみないことにはわからない。

 だいたい、演劇大会の審査って、もう審査員次第だから。生徒にはよく言うんたけど、演劇の大会てのは、言ってみれば、演歌、クラシック、ジャズ、Jポップ、童謡、民謡、なんでもありの世界だからね、ありとあらゆる芝居が登場するってこと。それをどうやって比較するっていうの?まっ、根本的に無理があるんだよ。とは言っても、結果は出るのでね。

 役者の演技に重点置く人もいれば、脚本を重視する人もいる。テーマの時代性を云々する人やら、舞台の完成度を大切にする人、中には、高校演劇はかくあるべし!なんて、勝手に決めつけてる審査員にもお会いした。これ、劇作家・演出家の高橋いさおさん。演劇大好き歌人の林あまりさんには、高校生の芝居には年寄り役作らない方がいいって、貴重な!アドバイスいただいたものね。

 だから、どんなに自信があっても、怖いのよ、審査結果は。で、今回の審査結果について言えば、これで正解!ってのが僕の感想だ。つまり、僕の審査とまったく同じだったってこと。

 置農のミュージカルは、様々ミスはあったものの、やっぱりやってることの質が高かった。歌があり、生バンドがあり、装置は手が混んでるし、衣装は手作りだし、台本は創作で、役者、特に主役の技量が抜きん出ていた。これだけそろうと、いかに馴染み薄いミュージカルでも、まあ、勝てるよね。

 二位の米沢中央は、既成作品だけど、台本選びがまず成功の鍵だ。いじめられっ子の逆襲ってテーマ、時代性あるし、作者が鴻上尚史だもの、抜群に面白い台本だ。それと、鴻上のテンポと勢いのあるセリフと思いがけないストーリー展開は、米沢中央の劇風にぴったりだもの。ぐんぐん突っ走る演技で、観客を引きつけていた。ちょっと、物足りないところはあっけど、それについてはコメントに詳しく書いたので、興味のある人は読んでほしい。こういう笑いと勢いのある芝居では、もう絶対に中央に敵わないね。

 そして、三位は新興:高畠高校演劇愛好会だった。お見事!まず、部員の創作台本だってことが、実に立派!何カ所かどきっとするようなセリフが散りばめられていた。今どきの高校生は、こんなこと考えてんのか、って、ちょっと驚き、ちょっと付いてけませんって舞台だった。台本も装置も演技も独りよがりのところは多々あったけど、何よりも、自分たちで創るんだという意欲が激しく感じられる熱のある好舞台だった。

 ということで、地区大会の結果は、置農と中央が県大会出場となった。まったく異質な二つの芝居が県大会で他地区と鎬を削る。今回は米沢の伝国の杜置賜文化ホールが会場、地の利を生かして二校そろって東北大会出場といきたいもんだね。

 置農は11月3日午後2時30分から、中央は4日午前11時頃の上演だ、ぜひぜひ、どちらも見に来てくださいね。でも、二日は無理って時は、やはり、3日だよ、断然ね。

 

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『おもかげチャンチキ』めでたく終演!

2007-09-24 18:58:06 | 演劇

 『おもかげチャンチキ』の2回目の公演が終わった。いやー、厳しい!アマチュア劇団にとって、同じものを日にち隔てて二度打つってのは、思いの外辛いもんだ。連続してやるなら問題ないんだ。2ヶ月あいだおいて再演てのは、とっても微妙。セリフも演技もそこそこに入っているから、どうしても稽古に身が入らない。かといって、高校生みたいに暗記力バンバンの年頃じゃないから、結構、抜けてる。盆明けからの1ヶ月で仕上げるって計画も大幅に変更、結局、本場前一週間の追い込み稽古でどうやらこうやら様になった。やれやれだ。

 さて、前回と比べて出来の方はどうだったか?これがまるで違う芝居になったような変わりようだった。二回とも見てくれた人からは、台本手直ししたの?って質問が飛び出したほどだから。笑いはずっと押さえられて緊張感がびりびりと伝わってくる舞台になった。役者一人一人が、前回を越えようと必死で取り組んでいたからね。特に、稽古も中盤を過ぎて、一人が画然とレベルアップすると、他の役者たちの目の色も変わってきた。負けてられない、って競争意識が上手に働いて、結局、全体に心のこもった演技になった。

 幕間のチンドン屋はさらに宣伝希望のお店が増えて、5割増しになった。セリフの増えた分は若いさおりと絵美にふった。菜の花座のエンターテイナーさおりの人気は、これで急上昇だね。チンドンメンバーが楽しくできたって言ってたことが何よりだ。あっ、そうそう、僕のサックスも無難にできたから。

 前回の課題、シリアスなシーンで笑われた!あのリベンジ戦では、一勝一敗ってとこかな。熟年幸司が共感した泰枝に抱きつかれるシーンは、泰枝役の摩衣が気持ちの入った演技でしっかりと雰囲気を作って、見ている者がぐっとくる場面になった。

 一方、青年幸司が教え子の千晴の苦し紛れの嘘に付き合ってしまうシーン、これはやっぱり笑いがおきた。で、その時に思ったのは、ああ、これってドン・キホーテなんだ。だから笑われて当然なんだってことだった。少女の窮状に心動かされて、お腹の子どもは自分の子だ、なんて言い切っちゃう男ってどう考えても、まともじゃない。突拍子もない正義感とか同情心で、一線を越えてしまうわけなんだから。だから、ここは笑われてもいいの!大切なのは、その笑いにこもった優しさなんだって考えた。嘲りだったら、これはストーリーそのものが失敗だったってことだ。でも、そうじゃなかった。馬鹿な奴だな、と笑いながらも、そんな風に言い切れる幸司を、お前いい奴だね、って暖かく見守ってくれている、そんな空気が流れていた。

 プラザ演劇祭の一環ということで、前後を他の公演に挟まれて、ゲネプロさえまともにできない公演だった。装置の全取っ替えが2度、パネルは20枚以上、照明の色作りはわずかに1時間半、場転練習もほとんどできない状態で、よくあそこまで仕上げてくれたと思う。キャスト、スタッフ一人一人が全神経を集中させて取り組んだ成果だ。

 無事幕が降りて、いよいよカーテンコール!拍手が続く。でも、始まらない。イライラ!おい!なにしてんだよ、お客さん拍手止めて帰っちゃうよ、と気をもむこと1分超!拍手は最初の勢いのまま続いて、ようやく幕が上がった!暖かい拍手が役者一人一人に送られた。

 ありがとうございました、観客の皆さん!フレンドリープラザの皆さん!!

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