ギリギリ探偵白書・73

 ギリギリ探偵白書
 「浮気怪獣・第1話」




 事務所で田中とプロレスごっこをしていると、チャイムが鳴った。


サザビー 「ん、なんじゃ?」

田中   「誰か来ましたよ、出てください」

サザビー 「お前出ろよ」

田中   「このコーヒーまみれの顔でですか?
      誰が、コーヒー吹きかけたと思ってるんですか?」

 (・・・私です)

 田中の顔は、私の毒霧攻撃でコーヒーまみれだった。


サザビー 「ちっ、どなたでっしゃろ?」

女性   「あの、昨日電話で相談の予約をした者ですけど」


 私は田中を見る。田中は聞いてないとジェスチャーで答える。
 
 (またあべちゃんか、ホウレンソウがなっとらんわい!)

 とりあえず、女性を面談室に通した。
 顔を洗った田中がコーヒーを持っていく間に、
 私はあべちゃんに電話をかけた。


阿部   「すいませ~ん、今向かってます」

サザビー 「今、どこよ?」

阿部   「池尻大橋(事務所の最寄り駅)だ。
      実は電車とホームの間に落ちたオバチャンがいてよぉ」

サザビー 「もう来てるぞ」

阿部   「え、オバチャンがっ!?
      いやぁ、引っ張り上げてやったんだけど
      怪我がなくて良かったよ、ははは」

サザビー 「そのオバチャンじゃねぇよ!相談の電話あったろ?」

阿部   「んん?・・・うおぉ、そうかそうか」


 事務所のドアを開けあべちゃんが入ってきた。


阿部   「予定より早いなぁ、まったく」

田中   「ずいぶんキレイな人ですね、ストーカーですか?」

サザビー 「何言ってんの。人妻だろ、浮気だよ」

田中   「そうなんですかっ!なんで知ってんの?」

サザビー 「指輪してたし」

田中   「よく見てますねぇ・・・。
      僕なんて見とれちゃって気付きませんでしたよ
      あれ?代表、来てたんですか?」

阿部   「いやぁ、オバチャンがホームと電車の・・・」

サザビー 「それはいいから、面談行けよ」

阿部   「お、おうよ」


 相談の内容は、旦那さんの浮気調査だった。
 旦那さんは、仕事上、出張が多かったが
 最近はそれにもまして出張の回数が増えていた。

 さらに、旦那さんは帰宅後も携帯を肌身離さず持っていて
 お風呂に入る時も、湯船にまで持っていくそうだ。


サザビー 「水入って壊れるんじゃねぇ?」

田中   「袋に入れるんじゃないんですか」

わたぼん 「タ○ブクロにですか?」

阿部   「・・・・・」


 旦那さんは、出張前日は必ず会社御用達のホテルに泊まるらしい。
 今回は、そこを狙う事にした。


田中   「それもウソかも知れないですよね」

阿部   「いや、結婚当初かららしい」

サザビー 「その頃から浮気してたとか?」

阿部   「う~ん、どうだろうな」

サザビー 「シティホテルだろ」

阿部   「そりゃそうだろ、会社でラブホと契約しねぇだろ」

田中   「厄介ですね」



        続く



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