よむよま

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舞台「道 La Strada」

2018-12-13 21:07:58 | 見る
「道 La Strada」日生劇場 12月13日
フェリーニの有名な映画、音楽も有名、高橋大輔がフィギュアスケートで使っていまでも知られている。

鎖を胸筋で切る芸を見せる大道芸人ザンパノ、粗野で乱暴な男。
貧しい家の少女ジェルソミーナを、助手として、女として、金で買って、連れている。
その日暮らし、旅から旅。
芸を見せて金をもらい、金があればあるだけ酒や女で使ってしまう。
無垢な少女ジェルソミーナは、ザンパノとの流れ暮らしに疲れ、希望を失っているが、
自分から逃げ出そうとはしない。

舞台上は円形舞台にしていて、奥に座席も作り、サーカスの形にしている。
アンサンブルも全員、サーカスの芸人の格好で、ほかの役もやる。
すべてはサーカスの世界の中なんだという作り方。
シェークスピアの「この世は劇場、人は役者」じゃないけれど、
この世はサーカスという設定のようだ。

ザンパノ:草彅剛
ジェルソミーナ:蒔田彩珠(まきたあじゅ)
クラウン(道化)のフィリップ・エマールさんは本職の道化師なのね、この役は映画にはなく、舞台のオリジナル。
この人がずっと、サーカスの世界であることを見せている。

蒔田彩珠ちゃんはまだ16歳で、初舞台だそうで、純粋な存在であることが無理なく見える。
もうちょっと女の部分があってもいいのかな。
暴れて逮捕されてしまったザンパノが釈放されて戻ってきたとき、
待っていてくれたジェルソミーナの膝に倒れこむ、二人だけのシーンは、
そこまでにない彼らの真実が、急に感じられるような感じがして、ハッとする。
でも、その後に、具合が悪くなった彼女が、
自分の思いどおりにならず、お荷物になってしまうと、
置き去りにして捨てていくというひどいことをするんだけど。

ラストシーン、数年前に自分が捨てていったジェルソミーナは、そのままそこで死んだのだと知ったザンパノは号泣する。
ここのザンパノは年を取っているのが、ちょっと時間経過がわかりにくい。
酒場の男たちが「なんだ、じじい」と言うので一応わかるけど。

ザンパノのつよぽんは、こういう役は初めてじゃないかな。
任侠のやくざはやってるけど、そういうのでもない、暴力的な、細やかな愛情のない男。
ジェルソミーナを失って初めて、自分にも情があったことを知る。

ピアノやバンドが舞台上に乗せてあって、音楽も、効果音的な音も、アンサンブルを含めた舞台上で生で奏でられる。

この同時期に三人三様の舞台だった。
慎吾くんはミュージカル、ベートーヴェンもこの「道」も音楽劇。
三つとも、音楽が重要な舞台、音楽で成り立っている舞台でしたね。
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