つぶつぶタンタン 臼村さおりの物語

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読書日記:吉川トリコ『グッモーエビアン』 家族はいろいろ、生活感伝わる夢物語

2018-09-26 00:19:15 | 本の感想/読書日記
昨日は横浜美術館に初めて行きました。埼玉県に住んでいるので、横浜美術館はとても遠いと思い込んでいたのですが、最寄り駅の「みなとみらい」まで電車を乗り換えることなく一本で行けたのでとても楽でした。副都心線のおかげです。

あまりに快適だったので、いままで横浜美術館が遠いとおもっていたのがショックなくらい。。。調べてみたところ、副都心線が開通したのは2008年で、もう今から10年前です。10年前のことを当たり前だとおもっているのは、年を取ったからでしょう。

きっとこういう思い込み、いくつもあるのだろうな。積極的にいろいろとアップデイトしてまいろうとおもったのでした。

ふと気づくと、知らない小説家の方が活躍されていたりもします。

読書日記です。
吉川トリコさんの小説『グッモーエビアン』(新潮文庫)読みました。初めて拝読した、吉川トリコさんの小説でした。とても面白かった。

グッモーエビアン!
吉川 トリコ
新潮社


主人公は中学3年生の女の子。お母さんと、お母さんの恋人と3人で暮らしています。お母さんの恋人には定職がなく海外に遠征に行ったり、バンドやったり、バイトしたり。世間からみれば変わった家族です。経済的にも順風満帆とはいかないでしょう。

ところがこの家族、とてもしあわせなのです。しあわせとは別にあたしが決めるべきことじゃないのですが、うん、でもほんとう、意外なくらい幸せに暮らしている。誰のことを妬むでもなく、恨むでもなく、満足して前向きに生活している。失礼な考えですが、もしあたしが主人公の立場だったら、まわりを羨んだり妬んだりしていたかもしれません。

心底、家族の形はそれぞれなんだなとおもいました。

その家族が、あることを目指し、それを達成していく。よいことなのか、賢い選択なのかはわからない。と申しますか、枠にはまった考え方をしてしまうあたしは、いやそれは不幸を招くのではないかとさえおもってしまう。

けれども本人たちは満足していて、まわりも声援を送る。家族のメンバーは大人だからといって人間ができているわけではない。けれども主人公の女の子は、そのままの両親の姿を受け入れる。しかも彼女が我慢することなく、なんというか自然体な気がする。

この家族のすごいのはまわりの価値観にまったく振り回されていないこと。

この小説を読んでいると、あたしの抱いている感覚なんて、本当に偏ったものなんだなあとおもいました。と申しますか、あたしって世の価値観に振り回されるタイプだったんだなと。あまり自覚していなかったので、新しい自分に出会いました。

と同時に、心のどこかで標準的な生き方をしていないことを気にしているので、主人公たちの生きざまに癒されました。


と、ここまで書いて気づいたのですが、ほかの小説の家族だって、別に普通ではない。いや世の中には普通の家族なんていないでしょう。ただ小説だから現実離れしている気がして、そのことは特に気になりません。
吉川トリコさんのこの小説のすごいのは、家族が普通じゃないということが伝わりやすいこと。普通じゃないのに、生活感があるのです。

映像化もされているので、映像で見た方もいるかもしれませんね。誰が演じているのだろうと調べてみたら、母親役が麻生久美子さんなのですね。一昨年のNHKドラマ『奇跡の人』以来、麻生久美子さんがすごい好きです。そしてこの配役ぴったりだとおもったのでした。

今まで知らなかったタイプの小説なので、とらえどころのない感想になってしまいましたが、また吉川トリコさんの小説を読んでみたいです。

ではまた

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