夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

2011-06-12 21:41:47 | 日記・エッセイ・コラム

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ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

澱みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しく留まりたるためしなし。

世中にある人と栖と、又かくのごとし。

方丈記

鴨長明  1155~1216

鴨長明の生きた時代は、平安時代の末から鎌倉時代の初め、十二世紀の後半から、十三世紀初めにかけて、政治の実権が、貴族から、武士へと移ってゆく、歴史の転換期です。

方丈記は、亡くなる四年前に書かれました。解りやすい文章で、『人はどんな心を持って、万事思うに任せないこの世を生きていったら良いのか』ということを私たちに伝えています。

1185(元暦げんりゃく二)年には大地震が起きたと記述があります。

地震に伴う津波や、液状化現象、長く続く余震まで、実に的確に記述しています。

800年も前の文章、感性、教えとはとても思えない程、新鮮で、的を得ています。

現在の日本ととてもよく似た社会情勢ということもあります。

朝に死に夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似りける。

知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来りて、いづかたへか去る。

また、知らず、仮のやどり、誰が為にか心をなやまし、何によりてか目を悦ばしむる。

方丈記は、読みやすい古典ですので、皆様にお薦めいたします。


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1 コメント

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生きる周りの環境は変わりますが (たんぽぽ)
2011-06-13 06:20:25
生きる周りの環境は変わりますが
昔も今も人としての生き方は変わらないのでしょうね。
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