たんぽぽクリニックのつぶやき

日々訪問診療に追い回されている”たんぽぽ”の憩いはいずこに?長久手発

診療報酬改定。 医療費が1/4になった!!!

2014年03月11日 22時48分33秒 | 健康・病気

寒い日が続きますね。

もう3月半ばなのに・・・・。

いかんですね。ブログの更新がなされていませんでした。

少し前にマメにブログを更新するように心に決めたのにもかかわらずお正月より更新していませんでした。

その間にも色々な動きがありました。

色々ありすぎて思い出せないくらいです。

最近の話題は・・・。

診療報酬改定ですよね。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039378.pdf

たんぽぽが関与する大きなところは

在宅時医学総合管理料等については、
① 在宅時医学総合管理料及び特定施設入居時等医学総合管理料について、訪問診療料と同様に、同一建物かどうかに応じた評価体系とする
② かかりつけ医機能の確立などの目的もあることから、現在議論している主治医機能のある医療機関の評価との連動を検討するなどが必要であると考えられる。

在宅医療を担う医療機関の量的確保とともに、質の高い在宅医療を提供していくために、保険診療の運用上、不適切と考えられる事例への対策を進める。

きれいな言葉ですが・・・・。

同じ建物に住んでいるかいないかだけで医療費が変わる!

これは以前より有りましたが今回の改訂で”同じ建物に住んでいると医療費が1/4に安くなる!!!

患者さんサイドにしてみれば支払いが安くなるので良い事なのでしょうが、逆の立場から見ると収益が1/4になってしまう。大変な事ですよ。

国が決めた金額で動くしかないのでどうしようもないのですが経営を考えると大変な事です。

同一建物(施設)のほうが細かい事までチクイチ連絡が来るのでそれにきちんと対応していると個人宅よりも大変なのですけどね。その為に施設を見ていた診療所が実労働が見合わなくて施設の訪問診療を止める所が出てきているようです。

気持ちは解るのですが寂しいところです。

住居によって医療費が変わるのも変な話で、現場をよく理解していない偉い様の考える事は解る様で解りたくないですね。

今後の高齢者に対しての健康保持は今後どうなるのでしょうか?悩ましいものです。


積極的な治療を希望しないと・・・。

2013年05月29日 16時30分57秒 | 健康・病気
最近、医療処置に対する悩みです。
何処まで治療を行うか?行わない時はどうするか?

① 心筋梗塞疑いで救急病院へ搬送した時の対応。
胸痛が有りニトログリセリンを使うもの症状改善しないたんぽぽに連絡あり。
既往歴に心筋梗塞が有る患者でニトログリセリンが効かない胸痛?心筋梗塞再発と判断し病院受診を薦めた。
救急病院へ受診。
そしたら、"過去に心筋梗塞疑いで入院した時に、認知症あり指示に従えない,高齢等で心臓のカテーテル検査が出来ない?しない?で、"治療法がないから病院には来ないように"と伝えたはず。"と言われたと。
家人は憤慨しながら帰宅。

②大腿骨頚部骨折で救急病院受診の高齢者
手術しないなら入院は出来ません。車椅子に載せても良いから帰って下さいと。

勿論、現場に居たわけではなく伝達された言葉で有り有り少し表現には違うかもしてませんが「処置をしないのに病院に来て如何するの?」です。
体調悪い時は救急車が運んでくれるので問題はさほど生じないのですが、受診後の帰路の事を考えると受診を薦めにくい事が少なく無く、何でもかんでも病院受診を薦める訳では無いのですが、在宅での診断・対応困難な時は病院受診です。

上記例は医者が希望する治療を受けないなら救急病院は看ませんよ。と感じです。
医者はベストな治療法を選択する訳ですが患者希望のベスト以外なテーラーメード的な治療戦略も考えてもらいたいと最近は思います。そう言うたんぽぽも病院勤務医時代はそれに近かったのだろうなと反省しながらも、救急病院の医師の考えを十分納得した上で、カテーテルをしなくとも専門医だからこそ出来る薬物療法や、専門家だから知っている除痛法生活の方法を提示してから帰宅させてもらいたいな~と思いました。

それ以上に知識をつけ在宅対応のプロになれば問題は生じないのですが・・・(^_^;)
日々勉強が必要な、未だ未だ発展途上のたんぽぽです。

大腿骨頚部骨折に対して手術を行わない場合の事が書かれています
http://www.hs.hirosaki-u.ac.jp/~pteiki/research/geriatric/conservative.html
たんぽぽも勉強になりました。

先日の記載内容に対して少し言葉が適切ないとの指摘がありました。
以後注意します。





目が痒いんです!!!

2013年03月15日 18時55分38秒 | 健康・病気

移動中の車中が暑く感じるようになりましたね。
で、患者宅に行くのをサボって遊びに行きたい気分の日が増えました。
でも、相変わらず仕事に追われ時間が中々作れません。
その為に庭の野良イチゴの移植が進まないのに雑草?がどんどん育っており一部が草に埋もれるようになり・・・・。
暗くなる前の時間で10株ほど移植したのですがまだまだ残っています。

救助を早々に行わないと・・・・。

今年こそはおいしいイチゴをたべるぞ~!!を合言葉に頑張ります。

問題があります。
野良仕事をしていると目が痒くなる!!!!
この時期、結膜炎が起こるんですよ。
辛くて、辛くて・・・・・。

薬、使えばよいのですが・・・・。
自らの薬は処方できない規則があり・・・・・。
たんぽぽは病院へ行く時間も無く  が ま ん  です。

誰だ!こんな法律作ったのは!!!




花粉症の漢方薬 たんぽぽの覚えですから当てにしないで下さいね。

水様性鼻水:19小青竜湯
アレルギー性鼻炎で19小青竜湯が弱い:19小青竜湯 2包+127麻黄附子細辛湯1包/3
鼻つまり:28越婢加朮湯
くしゃみ、鼻水、手足のひえが強い:127麻黄附子細辛湯
眼症状強い:28越婢加朮湯または19小青竜湯+N324併用
胃腸が弱く19小青竜湯飲むと胃が悪くなる:119苓甘姜味辛夏仁湯
通年性で鼻づまり持続:2葛根湯加川きゅう辛夷+N324併用
2葛根湯加川きゅう辛夷が無効、麻黄が胃にさわる:104辛夷清肺湯


呼吸困難感

2012年12月15日 06時49分29秒 | 健康・病気

呼吸困難感のマネージメントは難しい!!!

呼吸困難とは

 呼吸困難は患者による経験的な感覚であり、本来、主観によるものである。

それは、呼吸の不快感、呼吸の短縮、または十分な空気が取り込めない感覚として定義、患者はそれを、息苦しさ、窒息、または溺れるような感じと表現する。

この症状出現の確証を得るための診断方法はない

患者の自己報告こそがこの症状の出現と緩和におけるゴールドスタンダードである。

一般的に用いられる方法である呼吸回数、血中酸素濃度、血液ガスデータ、パルスオキシメトリーは、患者の息切れの程度とは相関しない。

呼吸困難の評価

 呼吸困難は主観的症状で、痛みの場合と同様で、その評価は患者自身の言葉によりおこなうこと、患者の訴えを信じることが基本である。

症状を評価する際のポイントは、

(1)量的評価どの程度息苦しいか?

(2)質的評価どのような息苦しさか?

(3)インパクト評価生活にどのような影響を与えているか?  

呼吸困難の治療のポイント

モルヒネ

・モルヒネは呼吸中枢の反応を鈍くし、呼吸数を減らす結果、呼吸困難を緩和する。頻呼吸の患者に対して、呼吸数を1220/分程度に減少させることで呼吸困難を和らげることを目的として使用する。

抗不安薬
・呼吸困難の緩和治療としての抗不安薬は、不安を軽減することによって呼吸困難を緩和することを目的とする。意識が低下した場合は、減量・中止を検討する。
ベンゾジアゼピン系の薬は、呼吸困難に伴う不安を緩和する。アルプラゾラム0.4 mg、エチゾラム0.5 mg、ロラゼパム0.5 mg、あるいはジアゼパム25 mgの就寝前1回投与で開始する。これらに効果があると、昼間の使用も患者に歓迎される。

 

モルヒネが効きそうな呼吸困難

【どんな人に効きやすいか?】
 (1)頻呼吸:頻呼吸の患者で効果が期待できる。
 (2)力強くしっかりした呼吸:呼吸筋力が脆弱で弱々しい呼吸の患者では呼吸抑制が前面に出てしまうことが多いので、「力強くしっかりした息づかい」の患者に効果が期待できる。
 (3)重篤な呼吸不全がない:重症の呼吸不全に起因する呼吸困難を緩和するほどのパワーはモルヒネにはない。

 (4)痰がらみがない。
【効きにくい人は?】
 呼吸回数が増加しておらず弱々しい呼吸で、痰がらみがあり、呼吸不全が重篤な症例では、効果が期待しにくい。

 

呼吸困難に対するモルヒネ投与の原則

 呼吸困難に対しモルヒネを投与する際には原則3つある。
1、呼吸困難感のみの場合は痛みに対するモルヒネ投与量の1/2で解消するということである。 

2、モルヒネ量の増量は細かく少量ずつ行うことである。

3は、副作用のコントロールをすることである。モルヒネによる副作用で重大視されるものにしばしば呼吸抑制が挙げられる。呼吸困難感の緩和のためにモルヒネを投与する場合には、呼吸抑制に先行して眠気が出るということに注意を要する。眠気が出た時点で投与を中止するか、減量する必要がある。もう一つ気をつけなければならないのが呼吸数である。健康人は1516/分呼吸をしているが、それより少し多い20回前後が目標。呼吸数が10回以下になってしまうと呼吸抑制を起こす可能性が高いので、20回前後にコントロールされた時点で投与量を固定したほうがよいと思われる。
 モルヒネを継続投与すると便秘が出現する。呼吸困難感が出現した場合、便秘は緩下剤だけでは解決が難しくなる。特に生命予後が週~日単位になってくると、自然排便はます無理である。したがって、週に12度は浣腸や坐薬を用いて排便をコントロールする。

フェンタニルの呼吸困難に対する効果

 フェンタニルの全身投与による呼吸困難感の緩和効果には明らかな高いエビデンスは示されていない(20103月現在)。一方、モルヒネには有効性が認められており、臨床現場においても効果の期待度はモルヒネ>>フェンタニルという印象である。予後が短く、急変の可能性がある症例にフェンタニルのみが使われて呼吸困難感が緩和されていない場合、モルヒネへのオピオイドローテーションより、フェンタニルにモルヒネを重ねるオピオイド2剤の併用療法の方が安全だと判断できる。

呼吸困難の非薬物療法

 口すぼめ呼吸冷風の送風なども有効とされている。冷気を患者の顔に当てることで息切れを訴える患者に酸素を投与するのと同じような症状の緩和をもたらすことができる。これは、第5脳神経の第2枝が刺激されて息切れの感覚を中枢において阻害するため、と生理学的には説明されている。

また夜間に不安が増強することが多く、夜間の不安を和らげることも重要である。呼吸困難は悪化すると患者は起坐位をとりやすく、不眠を訴える場合もある。体位の工夫と薬物療法が必要である。

息切れ(呼吸法の再訓練)

 ・緊張緩和療法ゆっくりとした規則的な深い呼吸を促す
横隔膜呼吸:吸気時の横隔膜が下がっている間に、腹壁を意識的にふくまらせる呼吸法を患者に教える。片手を腹部に、もう一方の手を胸にあてておくと、外へ向かって腹壁がふくらむのを感じることができる。

口すぼめ呼吸:鼻から息を吸って、吸気の2倍くらいの時間をかけて口をすぼめて吹くようにして息を吐く呼吸方法である。

【鼻腔からの酸素投与が症状緩和に有利・有用である理由:「□呼吸の迷信」を解く】
 進行がんでは、意識レベル低下、呼吸困難感、筋力低下で口をしっかり閉じることが難しいことが多い。そのため、鼻カヌラの酸素投与をオーダーしておいたら翌日に「患者さんが口呼吸(パターン)だからフェイスマスクに換えておきました」と報告を受ける症例によく遭遇する。まれに酸素2L/分程度で、翌日鼻カヌラからマスク投与に変更されていることもある。これは患者の分時換気量が極端に少ない場合を除いて、普通は酸素投与というより患者に再呼吸を強制して暖気とCO2を貯めるため、症状緩和とは真逆のケアである。
 また、「口呼吸パターンの迷信」については、鼻腔が閉塞していない限り、口を開けたままでも鼻から吸気が可能という生理学事実に反している(口を開けたまま指を自分の鼻前庭にあてて吸気すれば容易に確認できる)。ちなみに、鼻マスク式の人工呼吸管理が吸気トリガーするのも同じ理由である。
 さらに、フェイスマスクには閉塞感があり、患者によっては不安による呼吸困難増悪、および食事・会話・口腔清潔・痰喀出などの基本的ADL動作において不利であることもぜひ留意してほしい。モルヒネで症状を軽くして、フェイスマスクから鼻カヌラヘ変更を推奨する意見もある(UNIPAC)くらい、鼻腔投与の方が緩和ケアでは有利なのである。

  

 英国の施設型ホスピスの病室には酸素配管がない。
 ホスピス医いわく「酸素を吸入して、患者さんの呼吸苦感は改善するか?酸素飽和度が上がるので、家族や医療者が安心するだけではないですか?」
「我々は、窓を開けて涼しい空気を入れる。ファンで冷風を送る。安楽いすを用意する。そばに誰かがいるようにする。それだけでずいぶん楽になられますよ」
こんな考えもあるんですね。

 


 


アセトアミノフェン

2012年10月26日 18時56分04秒 | 健康・病気

解熱剤としてよく使われる薬剤ですが、癌疼痛コントロールにもよく使います。

先日と同じ、チョットした知識の再確認です。

”アセトアミノフェン”

 
まずは添付文書より

効能又は効果/用法及び用量 

1. 下記の疾患並びに症状の鎮痛
頭痛,耳痛,症候性神経痛,腰痛症,筋肉痛,打撲痛,捻挫痛,月経痛,分娩後痛,がんによる疼痛,歯痛,歯科治療後の疼痛,変形性関節症

 

通常,成人にはアセトアミノフェンとして,1回300~1000mgを経口投与し,投与間隔は4~6時間以上とする。なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日総量として4000mgを限度とする。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

 

添付文書によると結構な量を飲む事が出来るんですよ。

ちなみに重要な副作用は肝障害。

成人では、10~15 g (150~250 mg/kg)のアセトアミノフェンを一度に内服すると肝臓毒性が起こり、20~25gまたはそれ以上では致命的になる可能性がある。
一般に内服する量の20倍位の量ですね。
 

実際にはアセトアミノフェンの有効作用時間は4~6時間であり、適切な鎮痛には4~6回、4~6時間毎の投与が必要です。

欧米、中国、韓国などにおいては、1回500~1,000mg、1日最大4,000 mg程度、4~6時間毎となっており、某がんセンターでは、2,400mg(分3)または3,200 mg (分4)で使用しているとの事です。

色々な見解がありますので、添付文書を参考にして適正に使用してください。