Parsley & たんぽぽ日記

おもいつくまま

私の好きな夏。

2005-08-15 21:14:39 | Weblog
 今日も暑かったですね。 蝉はガンガン鳴いていました。朝起きたら玄関に蝉が
三匹死んでいました。何でこんなところで死んでいるのかなぁ、蝉も生きにくい世の中なのかな、などと思いながら片付けました。
 私の小さかった頃の夏と、今の夏は随分と景色が違ってしまいました。
 私の好きな夏は、今よりもっときらきらしていたと思います。もっとクリアーで
まぶしくて・・・。
 
 夏休みになると、親戚のおばあちゃんの家に泊まりに行きました。おばあちゃんの家は山の中で、周りにあまり家もなく本当に自然の中にありました。
 朝早く起きた時はまだ空気も冷たく、草むらに足を入れると草にたっぷりとついた朝露がまだ寝ぼけている体をピッと引き締めてくれました。
 昼過ぎになると、山の下にある川まで泳ぎに行きました。家から川までの道のりは結構長く、山と山の間の一本道をひたすら歩いて行くのでした。
 ぎらぎらとした暑さの中を歩くのできつかったのですが、私はその時に見ていた自然が大好きで、何十年もたった今でも忘れられない景色になっています。
 幾重にも折り重なった山々は、少しずつ色を変えて遠くまで広がって、真夏の太陽の陽射しにあたった濃い緑の葉っぱは鏡のようにきらきらと輝いていました。
 頭の上に広がった空はどこまでも高く、青く澄み渡っていました。
 
 夕方近くになると、真っ白な入道雲が山と山の間から現われて、小さかった雲があっという間に空一面に広がるのです。どんどんんどんどん雲が厚くなって、周囲が暗くなると、ポツンと一滴水が私の肩をぬらしたかと思ったとたんに、ザーという音を立てて夕立が始まるのでした。
 昼間ぎらぎらに暑くなった道や、山や家を一気に冷やしてくれます。ぬれたての道は土ぼこりのにおいでいっぱいになりました。
 そして一度に降る強い雨の力で今日一日の汚れや、暑さをすべて浄化してくれるのでした。
 雨がやむと今度はすばらしい景色が始まるのでした。虹の橋がかかりはじまるのです。どこから始まって、どこに行くのかはわからないのですが、大きな大きな虹の橋がゆっくりゆっくりかかるのです。
 虹がかかると、すぐに夕方になります。遊んでいても暗くなるからもう家に帰ろうと思ったものです。
 
 そういえば最近、虹をみていないなぁ。夕立も、入道雲も・・・。
 私の大好きな夏はいったいどこへ行ってしまったのだろう。やっぱり自然がなくなってるってことなんだろうな。

 私のホームページの中に夏の景色を描いたものがあります。私が感じている夏を描いたものです。(これでも一応絵描きです)
 私が絵を描く原点になっているものだと思います。こういう景色を見て、色を見て肌で感じて、こういう中で育ったおかげで今の私の色があるのかもしれません。
 この時に感じたものが、今の私の中に残っていて、描く絵に入り込んでいるのだと思います。
 又、あの頃の夏を感じてみたいと思いました。どこに行けば感じられるのだろうな。
 あの頃の夏の色が取り戻せたら、地球はもっと生き返るのだろうな。子供たちにも本当の色を見せてあげたいですね。本の中ではなく、感じる色というものを。

 私は色を勉強したことはありません。でも私は小さい頃に触れたこういう経験が、私の好きな色になり、大好きなものになったのだと思っています。
 海外に行かなくても、素敵な色が見つかるようになたったらいいのにな。

  Parsley


 











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