映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

フライト

2013年03月14日 | 映画(は行)
すばらしい判断力と技術を持ったパイロットが、実は・・・



            * * * * * * * * *

フロリダ州オーランド発アトランタ行き旅客機。
この飛行中に原因不明のトラブルで、機体が急降下を始めます。
機長ウィトカー(デンゼル・ワシントン)は、とっさの判断で背面飛行、
そして奇跡的な緊急着陸を成功させ、多くの人命を救いました。
一躍英雄となるのですが、彼の血液中からアルコールが検出されるのです…。



と、まあ、ここまではTVの予告編でも流しているので、ネタばらしにはなりますまい。
背面飛行、宙返りではなくて、かなり長い間本当に逆さまのまま飛んでいたので、
これは乗客は怖いですよね・・・。
宙吊りです。
しっかりベルトをしていないと落っこちます。
と言うか、本当にあのベルトだけで落ちないのだろうか・・・?
いやいやそんなことは問題ではないのでした。



私は、始めに予告編を見た時にこれは、もしや何かの陰謀とか、間違いとか・・・、
濡れ衣の話かと思っていたのです。
しか~し、検査は正しかったのですよ。
ウィトカーは完全にアルコール依存症でした。
そのための判断ミスで事故が起きたわけではありませんが、
多くの人命を預かる機長がアル中では、やはりまずいです。


すばらしい判断力と技術を持ったパイロットが、
実はどうしてもお酒を断ち切ることができない弱い人間であった。
・・・今作はこういう人間の二面性の物語なのです。
彼は自らの飲酒のことを隠そうと、関係者に偽証を頼んだりします。
奥さんからは見放され離婚していて、
息子にも相手にされません。
要するにダメ男です。
はてさて、それで結局本作の行き着くところは・・・?と
次第に不安になってくるのです。
ハッピーエンドはあり得ないし・・・。



ところが、最後の最後に大逆転。
何がどう逆転するのかは、やっぱりご自分で確かめて頂きたい。
思いもよらない感動が待っています。
ダメ男が見せる、最期の正義とでもいいましょうか・・・。
一人の人間でもいろいろな側面を持っている。
どんなダメな奴でも、絶対に崩せない一つの芯のようなものがあって・・・
だから人間っていいな。
そう思うんですよ。
名機長ウィトカーが、期待を裏切り墜落寸前。
しかし見事なアクロバット飛行で軟着陸。
今作は旅客機の件こそが象徴で
実はウィトカーの内面の物語だったように思います。



「フライト」
2012年/アメリカ/138分
監督:ロバート・ゼメキス
出演:デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、ブルース・グリーンウッド
ダメ男度★★★★☆
予測不能度★★★★★
満足度★★★★☆

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2 コメント

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こんにちは ()
2013-03-19 07:15:59
こんにちは。たんぽぽさん

なるほど!な、感想です。
自分のラストのところは、好きなのですが、
それまでに溜まりに溜まった不満を解消するまでには至らなかった・・・ んです。
特に、自分の場合は、予告編を観て、丸っきり違う想像をしていたので、その落胆が大きかったかな。

この映画、DVDになったら、もう一度観てみようかなと思います。
不満は不満のままでいい (たんぽぽ)
2013-03-19 20:25:30
>亮さま
個人の思いによって、受け入れられる映画、受け入れられない映画、というのがあって当然なのだろうと思います。
実は一番最近見た「愛、アムール」という作品で私は当惑しています。病で脳の機能が低下し、体も動かなくなってしまった妻を介護する夫・・・というストーリー。ラストがちょっとショッキングなんですが、以前の私なら、すごく納得できたと思うのです。でも今身近に同様にほぼ寝たきりの人がいて・・・切なくて見るのが辛かったし、ラストも釈然としません。
無理になんでも受け入れようとすべきではないし、やはりそれはできないのだな・・・と、思った次第。

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