映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

孤独な天使たち

2014年01月30日 | 映画(か行)
同じ魂の形で



* * * * * * * * * *

内向的な14歳の少年ロレンツォ。
彼は学校のスキー旅行に行くと親に嘘をついて、
地下室へ籠もり、1周間を気ままに過ごそうと計画しました。
しかし、そこへ予期せず現れたのが異母姉のオリヴィア。
彼女はヤク中となっており、
クスリを抜くためにここで過ごそうとします。
反発するロレンツォでしたが、置いてくれなければ秘密をバラすといわれ、
やむなく二人の密やかな隠遁生活が始まります・・・。



触るとトゲが刺さりそうな、ピリピリして人を寄せ付けようとしない少年。
ヘッドセットで音楽を聞き、外界を遮断すれば、
そこもある意味ひとりきりの地下室ではあります。
でも、本当に誰とも触れ合わないことを願っているのではないはず・・・・。
彼は一夜だけ1人で過ごすのですが、
なんとなく寂しくて、犬の置物を引き寄せたりするのがご愛嬌。
しかしその翌日、闖入してくる姉。
彼らの父がオリヴィアの母を捨て、ロレンツォの母と一緒になったという関係です。
子供の頃にあったきりだった二人。
反目する二人だったのですが、
共に生活するうちに互いの孤独な魂が引き合い、共感へと変わっていく。

 

同じ父を持つ姉弟の魂の形は、やはりよく似ているのかもしれません。
ヤク中の姉、引き籠もりの弟。
互いを憐れみながらも、口には出さず、
寄り添いながら次第に立ち上がる力をわけあっていく・・・。
少年のどこかうつろだった目が、
ラストシーンでは力がこもっているように感じられました。
世の中から逃げるのではない。
挑んでいく。
たった一週間で変わっていく彼の成長ぶりが、
非常に自然で説得力を持っています。
いいものを見たなあ・・・、と思える作品。



孤独な天使たち スペシャル・エディション [DVD]
ヤコポ・オルモ・アンティノーリ,テア・ファルコ
Happinet(SB)(D)


「孤独な天使たち」
2012年/イタリア/97分
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
原作:ニコロ・アンマニーティ
出演:ジャコポ・オルモ・アンティノーリ、テア・ファルコ、ソニア・ベルガマスコ、ベロニカ・ラザール

青春度★★★★☆
満足度★★★★☆

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孤独な天使たち (風に吹かれて)
青春の1ページ地下室の1週間公式サイト http://kodoku-tenshi.com原作: 孤独な天使たち (ニッコロ・アンマニーティ著/河出書房新社)監督: ベルナルド・ベルトルッチ 周囲に馴染