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劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん

2019年06月25日 | 映画(は行)

旅してみたい、ファイナルファンタジー世界

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原作者マイディさんが実話をブログにして大評判となったものが
書籍化、テレビドラマ化され、ついに映画化に至ったという作品です。
でもそんなことも何も知らなかった私ではありますが、
ファイナルファンタジーと坂口健太郎さんにつられて見てみました。

仕事一筋だった父(吉田鋼太郎)がある日突然仕事を辞め、
単身赴任先から家に帰ってきました。
そして父は何をするでもなく一日中ぼーっとテレビを見ています。
これまで父とまともに話したこともなかったアキオ(坂口健太郎)は、
父の本音を聞きたいと思い、あることを思いつきます。
父をオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」の世界に導き、
自分は正体を隠したままで父と共にゲームの世界で冒険の旅に出ようと。



ゲーム機のつなぎ方もわからない父に、アキオは実際に手助けをしながら、
ゲーム世界ではマイディー(父はメーデーと呼ぶ)として
親しく会話を交わすようになっていきます。
そして、アキオはこれまで知らなかった父の意外な一面に気づいたりする。
しかし父にはある秘密があったのでした・・・。

私がドラクエやファイナルファンタジーにはまっていたのは
せいぜいがスーパーファミコンの時代までなので、
オンラインゲームのことはよくわかりません。
けれども、桁違いに美しく緻密になったゲーム世界をたっぷり楽しませていただきました。
アキオが仕事に行き詰まっていたときに父からアドバイスを貰ったりするのもいいですね。



実際に会ったこともないどこの誰かもわからない人とつながるのは、
そう悪いことではありません。
けれど現実世界を置き去りにして、ゲームの中だけが自分の居場所になってしまうのは怖い。
本作は現実とゲーム世界のバランスが絶妙にうまく釣り合っています。

光の戦士、ならぬ光のお父さんとして、現実世界に踏み出す勇気を、
チームの皆が与えたのでした・・・。
そしてこの家のお母さん、夫がいきなり仕事をやめても
どーするの!!とヒステリーを起こしたりもせず、鷹揚なのがいいです。
アキオくんの人の良さはお母さん譲りだなあ・・・。
意外と楽しめました。
ゲームなんかくだらないと思っている方も、
本作で少しその世界観に触れてみるのも良いかもしれません。

<シネマフロンティアにて>
劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
2019年/日本/114分
監督:実写パート 野口照夫  ゲームパート 山本清史
原作:マイディ
出演:坂口健太郎、吉田鋼太郎、佐久間由衣、財前直見、佐藤隆太
ゲーム世界の美しさ★★★★★
満足度★★★★☆



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