映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

リンドグレーン

2020年02月03日 | 映画(ら行)

自分の思う道を貫けば・・・

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「長くつ下のピッピ」や「ロッタちゃん」等、名作児童文学を描いたスウェーデンの作家、
アストリッド・リンドグレーンの若き日々を描きます。



スウェーデンの農家で育ったアストリッド。
自由奔放な彼女は、教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりに息苦しさを覚えています。
あるとき、その文才を認められ、地方新聞社で働くことになります。
ところがそこの妻子ある社長と愛し合うようになり、妊娠してしまいます・・・。



その社長は妻とは離婚協議中。
まあ、アストリッドとは全く遊びというわけでもなさそう。
そもそも作中では、誘惑したのはアストリッドの方。
さてしかし、当時(1925年頃?)未婚で子どもを産むというのは、
ほとんど社会的な自殺行為。
アストリッドは、デンマークにそのような母子を救済してくれる人がいるということを聞き、
デンマークで密かに出産します。
表向きはタイピストの養成所に通う、ということで。
彼女は無事男子を出産しましたが、赤子を連れて帰ることはできず、
そこに預けたまま単身で故郷に戻ります。
そんな頃に彼女と相手の男が会うシーンがあるのですが、
男は妻から姦通の罪で訴えられ、実刑を受けるかもしれない、と戦々恐々の体。
そんな男をアストリッドが優しく抱き留める・・・。
ああ、ここで私は思いました。
すっかり年齢的に逆転している。
単身外国で出産し、我が子と離ればなれになるというつらい経験が、
彼女を一気に老成させたのです。
そして、男への愛は、多分ここで覚めたのではないでしょうか。



その後アストリッドは子どもを引き取り(そこまでの道のりが実は困難)、
別の会社でタイピストとして自立した生活をするようになるのですが、
そんなときに彼女のことを気にかけるハンサムな青年登場。
彼の名前が「リンドグレーン」だったのです。
作中、そのラブストーリーは語られていないものの、
彼の名前だけで、私たちはその後の二人のことがわかるという仕組み。
しゃれていますよねえ・・・。

結局のところ、私は思います。
世間の偏見や嫌がらせがあろうとなんだろうと、自分の思う道を貫くこと。
それを続ければ、いつか周りの方が諦めるというか、打ち解けるというか、
知らずしらずのうちに、それを認めてしまうものなのかもしれない。

何やらじんわりと感動・・・。

<シアターキノにて>
2018年/スウェーデン、デンマーク/123分
監督:ペアニル・フィシャー・クリステンセン
出演:アルバ・アウグスト、マリア・ホネビー、トリーヌ・ディルホム、
   マグヌス・クレッペル、ヘンリク・ラファエルソン
女性の自立度★★★★★
満足度★★★★☆

 

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