映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

バツイチは恋のはじまり

2014年12月01日 | 映画(は行)
いくらなんでもこの仕打はひどい・・・、でも。



10年間同棲を続けた恋人と
いよいよ結婚しようとするイザベル(ダイアン・クルーガー)。
しかし、問題がひとつ。
「一度目の結婚は必ず失敗する」というジンクスが、彼女の家にはあるのです。
これまで結婚をためらっていたのもそのため。
しかし、誰とでもいいからとにかく一度「結婚」して、
すぐに別れてしまえばいいのだ、
と思いついたイザベルはすぐに実行に移します。



彼女は飛行機の隣席に座ったジャン=イヴ(ダニー・ブーン)に目をつけます。
彼はチョッピリお調子者で女っ気のない旅行雑誌の編集者。
まずは色仕掛けで結婚する気にさせようと四苦八苦。
しかし、問題はその後の「離婚」だった・・・。
彼女の理不尽な仕打ちも、笑って全てを受け入れるジャン=イヴに
いつしかイザベルは心動かされていく・・・。





デンマーク→ケニア→モスクワ→パリ・・・
ライオンと遭遇したり、無重力飛行を楽しんだり、
それは、ジャン=イヴが観光地を紹介する記事を書くためでもあるのですが、
なかなかステキな舞台背景となっていて、楽しめます。
しかし、ストーリー的には、初めから予想がついてしまいますし、
なにより、「嫌われるため」ではありますが、
イザベルが繰り出すジャン=イヴへの仕打ちがあまりにもひどくて、
嫌になってしまいます。
テレビだったらここでスイッチを切ってしまっていたかも・・・。
すべて自分の都合で、男の気持ちをもてあそび振り回す。
こんなことがあっていいわけがない!!と
憤りをも感じ始める。



だがしかし! 
ラストが良かった。
イザベルは十分に自分を反省します。
いきなり彼の元を訪ねて「ごめんなさい」と、
ちゃっかり胸に飛び込んで泣いたりしない。
彼との旅の思い出が十分に生かされて、
そして神聖な感じすらする感動的なラスト。
これにはジャン=イヴのみならず、私達もまいってしまいます。
このラストで、全て許せてしまいます。
イザベルに捨てられた元カレのその後が見られるのもイキです。
ダニー・ブーンはフランスで人気のあるコメディアン。
エンドロールのNG集も楽しめます。



「バツイチは恋のはじまり」

2012年/フランス/104分
監督:パスカル・ショメイユ
出演:ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル、ジョナタン・コアン
コメディ度★★★★☆
ロードムービー度★★★☆☆
満足度★★★★☆