ウクライナ人作家が死亡 「戦争とは…」攻撃受ける3日前、想い投稿
7/4(火) 1:04配信
亡くなったビクトリア・アメリーナさん=本人のフェイスブックから
ウクライナの著名作家、ビクトリア・アメリーナさんが亡くなった。37歳だった。所属先団体「ペン・ウクライナ」が2日に発表した。先月27日、ウクライナ東部クラマトルスクであったロシア軍によるミサイル攻撃で負傷し、今月1日に病院で息を引き取ったという。 【写真】クラマトルスクでがれきの中にいる人の救助にあたる人々 団体によると、アメリーナさんはレストランで食事中に攻撃にあった。「分析と目撃証言によると、ロシア軍が(短距離弾道ミサイルの)イスカンデルを使ったことを示している」という。この攻撃による死者は13人目となった。 アメリーナさんは1986年、西部リビウ生まれ。2014年に1作目の小説を出版し、注目を集めた。16年からは児童書も執筆。著作が国内外の文学賞の最終候補に残り、多数の言語に翻訳されていたという。 最近はノンフィクション作品の執筆に取り組み、戦時下の女性たちの生活をつづっていた。アメリーナさんと友人だというウクライナ人ジャーナリストは「書かれなかった本、語られなかったストーリー、生きられなかった日々があまりにも多すぎる」とツイートした。 「夜、私はキーウのバルコニーから空に浮かぶ火の玉をながめ、爆発音を聞く。ニュースを見ずに眠りについた」。攻撃を受ける3日前にそんなツイートをしたアメリーナさん。さらに言葉を続けた。 「戦争とは、すべてのニュースを追いかけたり、数キロ先で誰かの代わりに死んでいく隣人を思って泣いたり、もはやそうしたことができなくなるものだ。ただ、私は彼らの名前を、忘れずに覚えておきたい」 また、アメリーナさんは22年2月のロシアによる全面侵攻が始まって以降、人権団体「真実の猟犬」にも参加。活動を通じて、ロシアによる戦争犯罪を記録し、ロシア軍によって殺害されたとみられるウクライナ人作家の日記を発見していた。 ペン・ウクライナによると、首都キーウとリビウで近く追悼行事が催されるほか、アメリーナさんの取り組みを継ぐための方策を検討中だという。
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