泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

米を足蹴にして盗みとは

2015-03-04 16:04:28 | 丹下一の泡盛日記
今回の石巻訪問で震災当時、略奪があったという話をいくつか聞いた。
中でも地元の新聞にも載ったと言う話だが、泥で入り込めない店の中にビニール製の米袋を土嚢代わりに積み上げて侵入したのだそうな。
さすがに警察が動き逮捕されたと言うが、米を足蹴にして盗みを働くとはあきれた。
米は特別な食べ物だと思っているので、なんだか自分の中の何かが汚されたような気持ちになる。
同じような気持ちの人がいたので警察も動いたのだろう。
(逆に「警察は動かなかった」という話も聞いている。)
これで思い出したのは、日本軍が朝鮮半島を侵略した時に、朝鮮のある村人たちは集落の入り口に本を積み上げたと言う話。
村人にとって書物ほど神聖なものはなく、まさかこれを踏み越える事はしないだろう、と。
日本軍はかまわず戦車で踏みつぶして侵入してきたので、この点でも大いに驚いたとか。

石巻市雄勝では船が津波にさらわれて漁ができなくなった若者のほとんどが都会に出たと言う。
第一次産業に従事するものがいなくなったら、いなくなったらどうしたらいいのだろう。
都会の仕事の方がお金になる。
たとえば投資や金融業の方が儲かるのだからとそこに人が集中してしまったらそもそも人間は生きていけなくなる。
現在の経済システムそのものに致命的な欠陥があるとしか思えない。
人を足蹴にして自分の事だけを考えているのでなければ、こんなシステムを続ける気にはならないのだろう。



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