泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

「インビクタス」に感動

2011-07-09 10:22:50 | 丹下一の泡盛日記
昨夜、ハリウッド映画の「インビクタス」をかみさんと観る。
南アフリカのマンデラ大統領就任とその直後のラグビーの南アチームのワールドカップでの優勝を描いている。
ハリウッドだけどクリント・イーストウッド監督。
彼が監督する映画、好きだなあ。

1983年秋から2000年まで毎日新聞の縮刷版のインデックスを作成していた。
国際(最初の3ヶ月は政治担当だった)関連の記事を全て読み、もくもくとインデックスを作成していくという実に自分の性分にあった仕事で。
そしてそれは現代史、国際政治・経済・文化を勉強し続けた18年でもあった。
なので当時の国際情勢は(裏側も含めて)詳しいのだ♪
その中でも南アフリカ共和国の大きな変化、ネルソン・マンデラ大統領の就任は本当に感動したストーリーの一つ。
大統領就任後も、彼が27年間ベロン島の独房に入れられている間ANCの留守を守っていた夫人(彼女は若い頃本当に美しくて素敵だった)との離婚。隣国モザンビークの元大統領夫人との再婚(大統領の死後数年経って)など、彼の選ばれてしまった人生とそれを引き受けて行く姿に驚嘆していた。
もちろん先日「引退表明」をしたツツ大主教のことも忘れてはならない。

南アフリカのアパルトヘイト政策を知ったのは手塚治虫の「鉄腕アトム」でがはじめてで、続いて中学生の頃、ロッド・スチュワートのバンド「フェイセス」の当時のベースが日本人のテツ山内で(ちなみにギターは今ストーンズのロン・ウッド)、有色人種が参加しているので南ア公演ができないという記事を読んでだった。
そして、日本人が「名誉白人」とされていることに強い不快感を覚えた。
すぐに相手のレベルに落ちてしまう自分は、白人を「名誉黄色人種」としてあつかってはどうか? とアジアを侵略した日本人と同じような考え方をしてしまい、すぐにその事も恥じた。
(ちなみに中学生の時、カナダに出かけて「白豪主義」ということばを初めて知った)
以来「なんだこの国は?」と気にしつつ、新聞などで「私は親南アです」という日本人の記事を読んで強く「!?」と思ったりしていた。

そして、この国に大きな変化が訪れてほしいと強く望みながらも、どこか信じていなかった。
それが東欧に劇的な変化がもたらされ、最後にソ連が崩壊して、世界中に衝撃と希望が渦巻いた。
当時のことを思い出して涙が出た。新宿のアパートで自分は一人テレビに向かって祝杯をあげていた。
未来を信じる力をもらったのだ。
かみさんも映画に感動して泣いている。
「自分の魂は自分が支配する」。
苦しいときこそそうあらねばならない、と強く思った。
しばらく映画から遠ざかっていたが、かみさんのおかげで素敵な作品に立て続けに出会えて感謝だ。

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