泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

ぺこちゃん(西窪久仁子さん)、ありがとうございました

2016-08-05 08:07:25 | 丹下一の泡盛日記
6月にブータンから帰国した翌日に三重県津市に移動した。
日程の合間に京都の病院に入院中の天女神楽団の女優・ぺこちゃん(西窪久仁子)を見舞った。
彼女が最初に天女神楽に参加してくれたのは2009年の「その6」から。
翌年、2010年の「その7」から2012年の「その9」まで3年間、ぺこちゃんはイザナミ(と他も)で自分はイザナギ。
2人の場面からスタートさせる3年間だった。
彼女は、その間ずっと病と共存しながら、そして自身と闘い続けながらの日々。
2013年の「その10」は、体調が思わしくなくて「ごめん。でも絶対参加したい」と言われて役をスライドさせた。
それがご一緒した最後の舞台になった。
天女神楽も10年続けて一区切り。
天女座から1年休みたいとの申し出を受けて時間を置いたが、その間にメンバーそれぞれが大きく変化。
走り続けているバスから飛び降りた状態になったかも。
ぺこちゃんはその後も関西での太鼓打ちの活動はしっかり続け、ライブにも参加。
会うことはできなかったがFBなどでのやり取りはたくさん。
舞台はもちろん日常でも立ち姿の美しい人で、普段は至って礼儀正しい物静かな人なのだけど。
実は気合いも充分で。
怒り狂ったイザナミがヨモツシコメたちを呼び出す「お前たち、出ておいで!」の叫び声が耳の底に残っている。
病気が判明してから自らを律してこれだけ生きたのだから、という気持ちともう一度一緒に、という思いはめぐる。
6月に病室で話した時も苦しそうだったけど、ブータンの話に笑顔を見せたり、自然を大事にするかの国の姿勢に「ああ、やってはるんやなあ」と感心したり。
最後に別れるとき、打ち上げが明けた朝に天女座からそれぞれが旅立つ時と同じようにやさしくハグをした。
あの状態から40日以上も闘い続けたのだから驚きだ。
そして、痛みから解放された、ということだけが救い、か。
今日は本葬。
別れを告げるというよりも、遠い横浜から頭を下げて御礼を申し上げます。
ぺこちゃん、ありがとうございました。
合掌。
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仙台2日目。劇団短距離男道ミサイル公演に。

2016-08-05 07:25:19 | 丹下一の泡盛日記
仙台2日目はつらい知らせとともに明けた。
朝一番から色々と手配。
そして稽古場へ。
茅根さんと同じく旧知の絵永けいさんがゲストで遊びにきてくれた。
絵永さんは2015年3月の「Hamlets/ハムレッツ」ver.1に参加して下さった。
一緒に汗を流す。
前夜ブラッシュアップした音源で動いてもらう。
素晴らしかった、本当に。
このまま膨らませてソロパフォーマンスができる、とお勧めしたほど。
遊木理央さんも一緒にご飯。

そして、倉庫を改造した空間で劇団短距離男道ミサイルの「R.U.R」をみる。
カレル・チャペックの原作。総合演出は澤野正樹。
茅根さんが出演。
彼は休演日にこちらの稽古を設定してくれたのだった。
一人のゲストをのぞいて男優のみで演じられる3時間近い芝居。(休憩有り)
それを一瞬たりとも見逃したくなくて見つめていた。
重いテーマで社会、そして世界に向き合っていることに共感を持った。
裸の男たちがぶつかりあうオバカで重たい3時間。
茅根さん、ねっちこい権力者が似合う。
せいちゃんこと西塔亜利夫さんも久しぶりに。
はまり役だな♪
他は若い役者(男)がほとんどで。
ぐいぐいと直球を投げてくるのが嬉しい。
入場の仕掛けも大好き。
それにしても震災後にできたグループとはいえ、社会的なテーマに向き合うのは仙台のDNDなんだろうか。
そんなことを考えつつ夜行バスで帰宅。
今日は11日のコンサートの会場下見、打ち合わせ。
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