http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170508/k10010973171000.html
ナチス・ドイツの強制収容所で虐殺された犠牲者を追悼するヨーロッパで最大規模の式典が(5月)7日、オーストリアで開かれ、参列者は偏狭な民族主義が再び台頭するのを抑え込むよう訴えました。
第2次世界大戦中、オーストリアにあったナチス・ドイツのマウトハウゼン強制収容所には、ヨーロッパ各国のユダヤ人やロマの人たち、それに旧ソビエト軍の捕虜などが集められ、1945年5月にアメリカ軍が解放するまでの間、10万人以上が虐殺されました。
解放を記念し、犠牲者を追悼する式典が7日、現地で行われ、生存者や遺族のほか、各国の政府代表など7000人が参列しました。式典でははじめに、歴史が繰り返されないよう社会の断絶ではなく、融和を進めるべきだという誓いが20の言語で読み上げられました。そのあと、参列者が国ごとに行進し、石棺をかたどった記念碑に花を手向けました。
ユダヤ人の生存者、アンドリュー・スターンベルグさん(87)は「生存者が減り、あの時代の恐ろしさを語れる人がいなくなるのが不安だ。格差で不満が広がり、社会が右傾化している現状はナチスの台頭を許した時代と同じだ」と話し、偏狭な民族主義が再び台頭するのを抑え込むよう訴えました。
主催者によりますと、この式典はナチスの強制収容所で虐殺された犠牲者を追悼するものとしてはヨーロッパで最大規模ですが、生存者の参列は年々減っていて、歴史の教訓を若い世代にどう伝えていくかが課題となっています。
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