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京都大学iPS細胞研究所 がんや白血病など免疫疾患の治療において可能性が高まる

2016-03-30 04:00:02 | 命・地球 NPO

先日、NPO「命・地球」の代表理事は、京大iPS細胞研究所主宰の河本チームの研究発表に同席し、その後、血液内科医(大学院生)とのディスカッションに参加しました。

「命・地球」NPOの代表理事は、京大iPS細胞研究所のご厚意に感謝するとともに、『長い間の闘病生活で心身共に辛い経験をしましたが、感無量です』と述べています。

そして、個人(闘病体験者)としてだけでなく、NPO命・地球の活動を通じて京大iPS細胞研究所の紹介をしながら、有効な『連携交流』を心より希望しています。

今後、NPO命・地球の代表理事は、「今後、鎌倉や横浜などで市民向けの講演会を開きたい」と述べています。
チャリティー講演会の実施のためにサポート(支援)を募集中です。

ご関心やご質問などがございましたら、具体的な内容を下記↓アドレスにお送り下さい
hirokssr@jewel.ocn.ne.jp


以下は、京大iPS細胞研究所の河本チームに関する比較的最近のニュースなどです。参考になりましたら幸いです。


京都大学再生医科学研究所
河本宏研究室より
http://kawamoto.frontier.kyoto-u.ac.jp/

多能造血前駆細胞から系列特異的前駆細胞へと分化能が限定されていく過程とその分子構造の解明を目指す

私達の研究室は「T細胞がどこでどのようにつくられるか」ということを主に研究しています。

T、B細胞を含む全ての血球系細胞は、1種類の多能造血幹細胞からつくられます。
その過程で分化能が段階的に限定されてゆき、ついには単能性の前駆細胞になります。このように分化能が限定されていくひとつひとつのステップを系列決定といいます。これらの造血初期の系列決定は、胎生期は肝臓で、成体では骨髄で起こります。私達のグループが目標としていることは、それぞれの系列決定のステップが起こるメカニズムを解明することです。
T細胞へのさらなる分化は、胸腺の中で起こります。胸腺の中では、さらに何段階も系列決定が進行します。私達は胸腺の中で起こるT細胞分化過程についての研究も進めています。
胸腺内T細胞分化を支える胸腺環境は、主に胸腺上皮細胞によって形成されています。私達は、胸腺上皮細胞の分化過程にも興味をもっています。
また、造血系あるいは免疫系を対象とした再生医療・遺伝子治療への応用を視野にいれた研究も行っています。最近は、iPS細胞技術を用いて特定の反応性をもつT細胞を再生させるという研究を進めています。このような再生T細胞を用いた細胞療法は、がんや免疫疾患の治療において大きな可能性を秘めていると考えています。

京都大学再生医科学研究所
河本宏研究室
京都市左京区聖護院川原町53

Hiroshi Kawamoto Laboratory, Institute for Frontier Medical Sciences, Kyoto University


iPS細胞 白血病治療に
京大など、免疫細胞作製へ

毎日新聞 2016年1月11日より
http://mainichi.jp/articles/20160112/k00/00m/040/036000c

白血病患者の細胞から作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用し、がんを攻撃する免疫細胞を大量に作って治療に役立てようとする研究を、京都大や大阪大、香川大などのチームが今春から始めることが11日、分かった。

チームの河本宏京大教授(免疫学)によると、2019年度にも臨床試験(治験)を始め、数年後に実用化につなげるのが目標。
実現すれば、iPS細胞を使ってがんを治療する初のケースとなる。

研究では、血液のがんである白血病の患者から血液を採り、免疫細胞「キラーT細胞」を採取。キラーT細胞からiPS細胞を作製し、再びキラーT細胞に変化させて増やし、がん細胞に効くか、試験管内や動物を使った実験で確かめる。

キラーT細胞を増やすのは難しいが、iPS細胞にすると大量に増やせる利点がある。また、採取したキラーT細胞は、がん化した血液細胞だけを狙って攻撃する性質を持っており、iPS細胞を利用すればこの特質を引き継いだキラーT細胞を作製できるため、正常な細胞を誤って攻撃するリスクも減らせる。

チームはこれまで、同様の手法で、健康な人から採血して作ったキラーT細胞を用いて研究してきたが、昨年10月、京大の倫理委員会から白血病患者のキラーT細胞を使用する承認を得た。

河本教授は「これまでの治療法では効果がなかった白血病患者を救えるかもしれない。他のがんにも応用できる可能性がある」と話している。(共同)


現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47636?page=2
『賢者の知恵』より

ガン・白血病・脳梗塞はまもなくすべて治る!~「死に至る病」の治療はここまで来た

2016年02月06日(土)
週刊現代

実際、抗がん剤が効かなかった肺がんの患者のうち、約20%がオプジーボのおかげでがんが小さくなったという研究報告がある。これは今まで使用されていた他のクスリ(ドセタキセル)に比べて3倍近くも効果が高い。しかも副作用は8分の1だというのだから、まさに夢の新薬である。

iPS細胞が白血病を治す

現代医学は日進月歩。数年前までは想像できなかったような新薬や治療法が開発されて、これまで回復不能だと見なされてきた重病でさえ、治癒の希望の光が差すことが増えている。とりわけ、がんの免疫細胞療法は、外科手術、抗がん剤、放射線に次ぐ第四の治療法として急速に注目を集めている。

新年度より、京都大学再生医科学研究所の河本宏教授の研究チームは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ってキラーT細胞を作り、血液のがんである白血病を治療する研究を開始する。

白血病患者の体内からキラーT細胞を採取し、iPS細胞を作製、増殖させて、再びキラーT細胞に分化させる。これを体内に戻し、がん細胞を攻撃させるという仕組みである。河本教授が語る。

「キラーT細胞はもともとの数が少ない。しかも、免疫チェックポイントの働きで攻撃する能力を失ってしまうものも少なくない。また、通常の方法では取りだしても増殖させるのが難しく、寿命も短いという性質があります。そこでiPS細胞の技術を使って、T細胞を若返らせて、いくらでも作れる技術を開発しようというわけです」

白血病という病気は部分的に治すのではなく、完全に治すことを目指さなければならない。だから体の隅々まで追いかけて攻撃し、がん細胞を全部なくすこともできる免疫細胞治療が有効な病気だといえる。

「免疫を全体的に活性化させる治療法の場合だと、自分の身体を攻撃してしまい、『自己免疫疾患』になる恐れもあります。しかし、がんにだけ攻撃を行うT細胞であれば、活性化しても副作用の恐れは少ないのです」
(河本教授)

ハゲも治る時代が来る!

河本教授の研究室では、すでに人のT細胞を白血病のモデルマウスに投与する実験が行われている。通常、白血病になったマウスは2ヵ月程度で死ぬが、実験を行った昨夏以来、いまだ生存しているマウスもおり、明らかに延命効果が見られるという。ただし、人体への応用はもう少し先になりそうだ。

「最速で'19年に治験を行いたいと思います。治験がうまくいけば、'22年頃に一般の患者さんでも治療が受けられるようになるでしょう。

大腸がんや膵臓がん、腎臓がんなど他のがんへ応用するという可能性もあります。ただし白血病と違い、固形がんの場合は、T細胞がきちんとがん組織の中に入り込むかどうかわかりませんし、腫瘍ほどの大きさになるとがん細胞の数は極めて多くなるので治療のハードルが上がります。まだまだ研究が必要ですね」(河本教授)

以上のように、京大iPS細胞研究所などの研究により、がんや白血病などの難病治療に希望の光が射してきました。

NPO「命・地球」は、iPS細胞研究室に感謝するとともに、看護師や大学院生(医師)達と相互に質問や交流ができ、有意義な時間を過ごせたことを、ここにあらためて感謝いたします。

ご関心やご質問などがありましたら、具体的な内容を下記↓アドレスにお送り下さい。
hirokssr@jewel.ocn.ne.jp

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