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体罰は是か非か。 その8

2013-01-30 20:42:18 | 日記
日本柔道女子選手の方が連名で監督の指導について、JOCに訴えた。

問題は昨年から提起されていたが、メディアに対しては、今ここしかないというタイミングであるように思う。

オリンピックを目指す選手が「このままではいけない」と行動に移した勇気は本当に素晴らしいと思います。
この事で選手生命を断たれるリスクが大きい事を分かっていての行動なのですから。でも、時代を切り開いてゆくのは、その時代の「異端」である。


今回の出来事は、「競技指導での体罰は是か非か」という問題に対して、かなり明確な答えを導き出していると感じました。

それは競技の頂点を目指すアスリートが、指導に対して疑問を感じ行動に出た事は、つまり、「選手」の意見として体罰は「非」であり、競技を続けていくうえでメリットがないと判断した結果なのだと思う。

たしかに、競技を続けてゆく上で勝つためのモチベーションを保ち続ける事は大変難しいし、人間なのだから時には手を抜きたい日やどうしてもやる気が起こらない日もあるだろう。でも、そこで駄目になってゆく選手はそれまでであるだろうし、それでも選手の秘めたる才能を引き出したいと思うならば、手段を変えなければよい結果には結びつかないと思う。

このような問題が明らかになる傾向というのは、従来のような指導方法は消費期限切れに近いご時世になってきたという事ではないでしょうか。

その道で生活してゆこう腹を据えているひとならば、どんな困難でも乗り越えてゆこうとすると思うけれども、才能があるけれどメンタルを折られてしまう人に対しても一辺倒な指導方法なら才能の芽を摘むことになる。

「人材はいくらでもある。」たしかにそうかもしれないけれど、競争の世界において、一線に立てない人を繰り上げでエントリーさせてもそれは勝利から遠ざかるだけではないだろうか。

もし前者が辞めたおかげでその人の才能が開花したならば、それは指導者がその人の才能に気がつかずに埋もれさそうとしたということである。

そう考えるとスポーツ界での指導、選手育成は本当に難しいし、結果が重視されるのであればなおさらである。

しかし、どんな時代でもどんな環境でも、選手が指導者を信頼し、師と仰ぐならば、自ら命を断とうとは思わないし訴え出ないと思うのです。




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